3 月5日の朝日新聞「マンション修繕 20社談合の疑い」 「大規模修繕 業者選びの「信頼揺るがす」」という記事が目に止まった。私たちのマンションも13年目、管理会社の担当者が大規模修繕を提案してきた。談合があったかどうかはわからないが、担当者の作戦に乗って急遽実施することになり、1億円に近い工事費がかかった。
管理会社は長く経営不振が続き、生命保険会社オリックスの傘下に入ったが、担当者は実績を上げることを急いだか。マンションは大京販売、大京アステージを管理会社として契約。
13年目は早すぎる。通常は15年目、遅くとも18年目にやればいいと提案したが、建築基準法の関係で足場を組むんだったら今やろうということになったらしい。
計画に先立ち専門家の事前チェックを受けたというがその専門家は管理会社の大規模修繕の担当者だったらしい。「工事在りき」の人間がチェックするのだから「問題点指摘」だらけだった。
大規模修繕工事を仕切るのは管理会社の系列会社、実際の工事は日常工事をやる会社だ。友なれば同業者の集まりだ。
問題の外壁のタイルの状況は打点方式で、丸球のついた器具を壁に沿って謎って周囲と音が違えば異常として周辺を緑色で印をつける。
道路に面した外壁は大したことはなかったが、テラス内は各所に異常があるという。何やら施工不良で修繕する感じだった。
私も立ち会ってハンマーで軽くたたくと確かに音が違う。中に空洞のようなものができていることは想像できるが、タイル自身が浮いて落ちそうは状況ではない。
工事業者の組合が作成した「壁タイルの修繕」を取り寄せて読んでみると、タイルが浮いて落ちそうな箇所があり第3者に危険な場合はその周辺をチェックし、補修しろと言うことだった。私が見てもそんな個所はなく「補修の必要はない」と指摘したが、「保証があるからやらせてほしい」という。理事会様に提案するという。第三者は誰だと聞くと「住民だ」と言う。
この情報は区分所有者全員に情報提供したが誰も興味を示さなかった。予定通り修復作業が実施された。穴からエポキシ樹脂を注入した。
驚いたことに床に張った塩ビシートも全部張り替えた。
後はシール、屋上の防水工事を実施したが、大きな工事は修繕が不要に思えた。
13年目の工事だ。修繕費に1億円もかかるはずがない。
第三者の専門家を入れた大規模修繕工事では5000万円程度の工事だ。指摘するがだれも本気で考えない。
新聞では談合と言うが、談合とはわからないように管理会社の担当者は工夫する。
管理契約に第三者への業務委託禁止の規定があるが、管理会社が必要と考えるときは委託できる規定がある。私はそこに「大規模修繕工事では第三者の専門家に委託できる」、通常の理事会などには「専門家をアドバイサーに登用できる」などの提案をしたがどうなるか。
管理組合、理事会の素人、管理会社担当者の「ご都合主義」のマンション管理を防止するためには、第三者的立場の専門家を登用すべきである。