2025年6月29日日曜日

トランプの「力による平和」?:誰が「力」を与えたのか、エリート批判のただの「乗り物」ではないのか

 イラン、イスラエル戦争でイスラエルが優勢とみるとトランプは米本土からB2爆撃機をイランに飛ばしウラン濃縮施設を空爆しトランプは「成功した」という。イランはカタールの米軍基地を報復攻撃をしたがイランも「勝った」という。WINWINの停戦合意にこぎつけたか。

トランプは「力でディール」と広島、長崎を例に挙げてコメントするが、合意後も攻撃が続き、「もろい停戦」と行く方は不透明らしい。

最近のトランプは合意次第ではイランを再攻撃するという。

一体、不動産王のトランプに誰が権力を与えているのか。ウクライナ、ロシアの戦争でも仲介を称するが裏では鉱物資源の取引や経済制裁緩和など自らにメリットのある課題に取り組んでいる。

まず、米大統領にえらばれたことだ。疲弊した産業を復活させ、雇用の創出で失業者を晴らす。民主党政権から見放された国民を守るというのだ。

思想家のパトリック・デニーン氏が広がるエリートへの不満を積んだただの「乗り物」にすぎないという。リベラリズムを壊すのだ。

米軍の力がある。世界各地のロシア、中国など共産主義、一党独裁政権の覇権を食い止めるための軍事基地を持つ。NATO,インド太平洋諸国は米国の軍事力で安全が保障されていると考えていたが、今回トランプの軍事費増強要求で同盟国は慌てている。

米国は巨大な市場である。グローバリゼーションで稼ぎまくり、気が付いたら基幹産業は疲弊していた。貿易赤字は大きくそれを解消するために高関税の掛け合いをやっている。モノづくりは他国に遅れたが、デジタルサービス分野では大きな儲けを出している。

大統領の権限を大きくするために大統領令を多発し、議会、裁判所の権限を無視していうる。

連邦最高裁判所もトランプに味方する判決を下している。自分の気に入った裁判官を任命しているのだから米国の制度をないがしろにしている。

そして何よりも、従来の米国の信用を潰していないか。世界にあって自由民主政治の旗手であったが、世界の警察官役を降りたのか。民主党政権時の制度を否定するトランプに期待などできない。

パトリック・デニーン氏が言うようにエリートへの不満のただの「乗り物」だとしたら4年間をどう過ごすか。


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