讀賣新聞(2016.8.18)の「憲法「占領軍影響下で制定」」の記事が目についた。バイデン米副大統領が日本国憲法について「我々が書いた」と発言したことに対して在米日本大使館が「最終的には帝国議会で十分審議され、有効に議決されたものだが、占領軍当局の強い影響下に制定されたものと考えている」コメントしたそうだ。
安倍総理は以前、「連合軍が8人で短期間に作成し押しつけられた。これからは独自に制定する必要がある」という意味の発言を繰り返し憲法改正を訴えていたが、これは真実と違う。
当時の著名な憲法学者によると、憲法策定に当たって連合軍が指令を出し、日本では2つの方面から検討を始めた。1つは内大臣府で近衛文麿、佐々木惣一が作成に当たり天皇に内奏した。2つ目は、政府で幣原総理、松本国務大臣が作成しGHQへ提出したそうだ。
この松本草案を見たGHQは不適当と判断し、方針を変えてGHQ自ら草案作りに入ったそうだ。
ここで大事なのは、「何故、不適当」と判断したかだが、日本政府案(松本草案)では「民主政治」にほど遠かったためである。GHQ編んでなければ今のような平和憲法は出来なかったのだ。
何時も憲法9条が問題になるが、幣原総理がマッカーサーを訪ねて、「戦争放棄」を記してくれるように頼んだのだ。幣原総理は終戦後、日本が世界に立ち向かうには「戦争放棄」しかないと考えたのだ。
GHQ草案が日本に示され、我が国でも修正が加えられて「憲法改正草案要綱」になり天皇が議会に発案、衆議院を解散し新しい議会で3.5ヶ月審議し、修正可決されたそうだ。
民主主義、基本的人権、平和主義が取り入れられたのもGHQが草案作成に係わったためだ。
この点を安倍自民党は軽視している。自民党案をチョット読んでみたが、国民の権利を守っているのではなく、権力者優位の内容になっていると直感した。
安倍総理は自分の任期中に憲法改正したい意向だったが、今は国会の憲法審査会に任せるようだ。自民党単独ではなく野党も含めた総意で改正しようとしているが、公明党は加憲主義で、憲法9条は厳守すると言うし、頼みのおおさか維新の会とは思惑が違うようだ。
国民一人ひとりが「憲法の内容」で再検討すべきで、安倍政権の思うつぼに乗ってはいけない。
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