開催理念は何なんだ。リーダーの権勢誇示と人気取りの手段に成り下がった五輪、特に冬季五輪は自然を破壊し、無理を承知で強引に開催する一方で、気候変動問題もありIOCは雪とのかかわりで競技場周辺の自然保護など持続可能な大会へ向け大きな課題を抱えている。
チョッと前だったか、札幌冬季五輪誘致で道民の意見をアンケートするニュースが流れたことがある。アンケート結果は参考程度としていたが、その結果がどうだったか分からないままに、新聞報道(朝日新聞2022.1.23)で札幌市が30年冬季五輪に立候補を表明したという。
昨年の東京五輪はコロナ対策もあってひどい目にあい、さらには開催費用の詳細が分かっていない。組織委員会は経費は削減されているというが誰一人信用していない。そんな中での札幌市の立候補だ。
新聞報道では海外の識者が「コロナ禍で五輪を強行した直後に、持続可能な大会を札幌が掲げるのは冗談にしか思えない」と言うが、日本人だって多くの人がそう思っているはずだ。
その理念も崇高だ。「都市と自然が宥和した雪のまちでSDGsの先の未来を展望する大会へ」と言うのだ。確かに四季にメリハリがあり、気候変動を考えれば自然と調和した北海道と言うことになるだろうが、大会競技場建設では自然破壊、その後の原状回復と多くは真逆な結果になりかねない。
その代表が、コロナ禍でロックダウンしてまで封じ込め、開催を強行しようとする北京冬季五輪だ。習主席の国威発祥の意向が大きいのだ。
北京均衡での競技場にはスキー場などなかった。雪も降らない。アルペン競技場は自然保護区に中にあった。雪は人工雪でまかない、専門の気象台を設置して対応するらしい。準備会場を視察したIOCバッハ会長は甚く感動したそうだ。自然保護区は範囲を調整し「緑を守る」という。
考えてみればオリンピック誘致は主催地のリーダーの権勢と人気取りの手段に使われている。
東京五輪では安倍前総理の意向が大きかった。「復興した姿を世界に」「コロナに打ち勝った証として」などと言うが本音は安倍政権の国威の世界発信だった。1年延期に当たっては「完全な形での開催」を訴えたが、結果は皆叶えられなかった。
一方、札幌は何を世界に訴えるのか。
「四季の明瞭な札幌で気候変動に関する取り組みを結集」と言う。それがIOCの言う気候変動への取り組みと合致するというのだ。札幌は最有力候補と言う。
1972年も札幌冬季五輪を誘致した。競技場建設で自然を破壊したが、原状回復事業を続け他。長野冬季五輪で建設された競技場も維持管理が出来ず閉鎖したところもあれば雪不足で閉鎖された施設もある。
東京五輪も残しても問題がある施設、撤去するにもカネがかかる。さらに残しても巨額な維持管理費がかかる。結果的に得をしたのは新しい競技場で協議が出来たアスリートだけではないか。
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