2022年1月1日土曜日

2022年は経済成長を目指せるか:それはプラスか、マイナスか

 

岸田首相の「新しい資本主義」もこれから定義を議論するというし、従来から提案されている似通った政策で「新鮮さ」はないという。ポストコロナで新しい生活様式を見つけるというが目指しているのはポストコロナ前の経済で歓楽街、飲食店、観光地も「客が来ない」と言うばかり。

生活給付金10万円も現金一括か、5万円ずつの現金、クーポン券両方式が選択できるようになったが、支給されても4割は貯蓄と言う。先にやったときは7割が貯蓄だったと名古屋市長は全額クーポンを提案し買物に使えるようにすべきだと言う。 

経済回復での消費ではなく、将来のための貯蓄なのだ。恐らく子育てなのだろう。賃上げはここ30年でたったの4%、韓国にも後れを取る。一方、非正規労働者が増え収入は減るが社会保障費など税金は増える。 

賃金は上がらず、消費は伸びない。企業は儲かるが社内留保は500兆円弱、家計の貯蓄は1000兆円まで膨らんだ。政府は投資にまわせというが肝心の需要がない。 

消費者物価は2%を目指しているが一向に上がらず。欧米中央銀行は量的緩和の縮小、利上げを目指しているが、日銀だけが量的緩和継続、金利差から円安が進む。

輸入品の値上げで家計は一層苦しくなるが、輸出や海外での事業展開は逆にメリットが大きい。日銀・黒田総裁はそちらの方のメリットを評価している。安倍元首相は「アベノミクス」の継承を要求するが、岸田首相ははっきりしない。

アベノミクスで格差拡大した日本経済に「成長と分配」を唱えたが、今はまず財政出動で成長路線に乗せ、その成果を分配すると言う。しかし、成長路線はことごとく失敗している。大企業、富裕層優遇では成功した試しはない。だから「分配」などまだまだ先だ。

昔、海外から外需でなく内需を要求された時に専門家が検討した前川レポート、21世紀版前川レポートは成果が出なかったというが、その要因に「儲けを分配するシステム」がなかったことを官僚が指摘していた。企業が嫌ったのだ。

今又、「儲けを分配しろ」と言っているのだ。賃上げすれば法人税を下げるとアメとムチだ。しかし多くの中小企業には通用しない。赤字経営なのだ。 

政府、自民党内でも経済再生のための財政出動か緊縮財政かでもめている。財務省は財政健全化を主張する。2025年にはPB黒字化を言うが先送りだろう。 

米中関係で対立が激しくなり日本も対中国政策が重要になってきた。特に尖閣諸島での領海侵犯、中ロ合同での日本一周けん制軍事行動など激しさを増す。又、台湾有事になれば安倍元首相の言う日本も有事だ。日米関係は軍事費の増額、防衛網の強化で国防費は5.5兆円に上る。 

2022年の一般会計は107兆円を超えた。税収も増えたが、赤字財政で36兆円を超える国債発行になる。米国では借金の上限が決まっているので政府が勝手に借金することは出来ない方式になっているが日本はそういう制限がない。誰も責任を取らないのだ。 

日本は借金を積みまして今、1200兆円、国1000兆円、地方200兆円だ。対GDP比200%は先進国一悪い結果になっている。純資産、純債務の考え方で意見が分かれている。 

賃金も上がらず、消費者物価はゼロ近辺、GDP成長率も3%を超えた目標を示しているが55兆円の財政投資をしたので500兆円から55兆円を積みましたようだ。それでも1人あたりのGDPが韓国に抜かれるときが来るらしい。 

少子高齢化で人口減、市場は縮小する。国内消費が伸びないのは当然だ。増田レポートでは消滅する自治体が多数発生するという。人口が7000万人の日本を想像したことがあるか。すでに大阪でも団地に海外から来日した人が住めるようにしているというが、高齢化、人口減で彼らの協力がなければイベントもやっていけないというのだ。 

日本の経済が成長することなど考えられない。低成長の成熟社会を目指し、企業、富裕層から国民へ分配を多くし、お互いに助け合う社会の構築が重要なのではないか。

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