政治改革、選挙のたびに「小選挙区制」の問題があげられている。朝日新聞(2024.7.11)の「政治の劣化 招いたのは」という田中秀征とのインタビュー記事が目に留まった。田中さんと言えば、新党さきがけ代表代行、小選挙区制の導入を決めた細川政権で要職を兼ねた政治家だ。
当時田中さん、細川さんらは小選挙区制ではなく「中選挙区連記制」を検討していた。当時のことを思い出すと、イギリスの政治制度を見学するために多くの国会議員がイギリスを訪問していたと思う。
30年前の1992年日本新党の結党宣言でも「中選挙区連記制」がうたわれていた。日本新党は中選挙区連記制の導入を考えていたようだが、小沢さんらの二大政党、何時でも政権交代ができる政治改革で強引に「小選挙区制」が導入されたのだ。
当時の政治情勢から考えると何時でも政権交代ができる魅力は大きかったのだ。しかし政権交代できたのは自民党から民主党への一回だけか。
逆に小選挙区制に弊害が目立ってきた。それが結果として自民一強政治を生み出した。
強い地盤を継承できる世襲制は、新しい政治を志す人材の発掘を妨げた。
以前、私は群馬に住んでいて選挙区は群馬3区だったが、福田、中曽根、小渕それに社会党系などの候補者が名を連ねた。福田さんと中曽根さんの戦いはすごかった。小渕さんは福田、中曽根両氏の谷間で頑張っていたのだ。
それが小選挙区制になると、群馬5区になり、世襲制で小渕さんお独断場になった。有権者の数を合わせるために山間部の有権者をかき集めた結果だ。前橋、高崎と違って新人が立候補するチャンスもなくなった。日本の政治を動かしているとの自覚も選挙民にはなくなった。
田中秀征さんは、今自民党はピンチだ、今こそ「中選挙区連記制」の検討をすべきではないかという。
世襲制で自民党が強くなった。自民党、公明党が強く、野党が弱い小選挙区制が生み出す弊害が政治の劣化を起こしているというのだ。
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