2024年7月18日木曜日

日銀「出口論」口ふさぐ:一度決めたら変更が難しい政策が役所の特徴

朝日新聞(2024.7.18)の日銀の異次元金融政策の出口論についての「政策効果減殺の恐れ」は注目すべき記事だ。役所の政策は一度決めたら変更が難しい硬直性がある政策で容易に変更、方針転換ができないことが知られている。

本来民間企業はPDCAサイクルで目標に向かって政策変更もできるが、日銀のようにそれが国民生活に大きく影響する政策であれば なかなか変更が難しいのだろう。

安倍政権がリフレ派政策として異次元の金融緩和策を採用しようとしたとき、土岐の総裁は白川さんだった。白川さんは急激な金融緩和でなく、緩やかな金融緩和を採用していた。米国で金融のかじ取りが難しかった時に白川さんが「日銀の政策を参考にしたら」と提案塩田時、当時のFRB議長が「他国のことに口出しするな」と怒かったことを思えている。しかし欧米の中央銀行は金融政策として異次元の金融緩和を採用した。

安倍政権は緩和な金融緩和を認めず、急激な金融緩和へと日銀を指導し、黒田総裁を送り込んだ。

黒田総裁は「2年で2%」の目標を掲げ、さっそうとテレビ会見し、強い姿勢を見せつけた。

しかし、異次元の禁輸緩和を採用した欧米の中央銀行は、物価上昇、インフレになり抑制のために利上げに踏み切ったが、日本はなかなか物価が上がらない。目標の2%に届かないのだ。

そんな時に「出口戦略」など言えるはずがない。出口論に言及すると政策効果がぶっ飛ぶのだ。

政党は経済学者は、リフレ派経済は検証されていない政策だと批判、効果が出ないのは当然という論調だ。さらに専門家は日本経済は欧米経済に比べて構造が違っているという。欧米は賃上げも十分だが日本の賃上げは長期に停滞している。賃上げ→物価上昇→好循環社会など期待できないのだ。

そして日銀は株取得で時価70兆円、国際保有は600兆円にのぼり、それぞれの市場への放出は、株価下落、国債価格の下落と金利上昇を招く。

これから日銀の大きな課題だ。もし白川さんの言うように「緩和な異次元緩和」をやっていたらどうなったか。知りたいところだが、経済政策、金融政策はあらかじめ実験ができい。失敗がわかったら方針転換しかないのだ。

「出口論」に口をふさぐ続けた黒田さんが叙勲されたのには驚いた。



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