東京一極集中、ブラックホール化が問題になっている。特に一極集中対策は30年以上前から是正、中央官庁の受け入れに名乗りを上げる自治体も出てきたが、今から思えば文化庁の京都移転ぐらいか。
小泉政権時代に都市再生プロジェクトが発足し2.5兆円よさんかされた。内容は土地規制緩和や容積率緩和が検討され、むしろ施設や居住地の増を目指し人口増、ブラックホール化の結果を招いたのではないか。東京一極集中対策とは逆になった。
東京一極集中が問題になったときの状況を思い出すと、中央官庁の誘致を希望する自治体はあった。例えば岡山県の吉備高原、東北地方の自治体が名乗りを上げたがうまくいかなかった。
例えば群馬県などは場所もあるし、交通の便のいい。しかし、インフラ整備にカネがかかる。家族は東京に住んでいて仕事場が群馬では税収上もうま味はないなどのこえがあがっていた。
しかし一番の問題は、東京都知事が地方分散、東京一極集中対策に反対ではないのか。
確か、石原さんの時に反対と言っていた。また増田さんが都知事選に立候補した時、地方分散を訴えていたプロジェクトのリーダーだったが、実際に知事になったらどうしたのか。聞きたいところだった。
今回の知事選も小池さんは「もっと良くする東京大改革3.0」で、世界一の都市にすると宣言している。東京一極集中対策になるのか。
確かに東京はカネがある。16.6兆円、やろうと思えば何でもできる魅力がある。情報や雇用、教育施設、交通の便も他の自治体はまねができないほどだ。
しかし将来のことを考えると問題もある。住環境が悪化しているのだ。20m2の小規模木造住宅が多い。広い庭のある古い邸宅も売却されデベロッパーが小さな木造住宅を建てる。
年配者の住む住宅を見ると道路から階段で1m程度上がったところに玄関がある。バリアフリーではない。夫婦ともに高齢化したらどうするのか。大田区ではリフトの設置に補助金が出るという。
都心部はタワーマンションが林立している。一戸建ての住宅が建つ地域を防災を兼ねて高層マンションを作り住民をその中に入れるという。関東大震災などが発生した時に本当に効果があるのか。また、晴海フラッグの高級マンション群は、都有地を安価にデベロッパーに分譲し、利権がらみが疑われている。
文化庁は京都に移転したが、後の官庁はどうするのか。
こんなことでは東京一極集中の対策はできない。
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