2010年9月11日土曜日

どんな要人でもただの人間、高尚な行いなど期待できない




期待されて政府(機関)などの要職に付いても結局はただの人間、高尚な行為など期待できないのだ。木村剛氏率いる日本振興銀行が破綻したが、その背景には初志と かけ離れた拡大路線と不正の横行があったという。

小泉、竹中時代の金融行政に颯爽と登場した。金融庁の顧問になり金融行政にも大きく関わり、中小企業向け投資に挑戦したが、如何にせん理念にかけた杜撰な経営に走った。

当時は、木村氏との経済誌で対談した経営者もいたし、新聞は時代の寵児とはやし立てた。どうしてこんな人間が要職に付けたのか不思議だったが、日銀総裁だった福井さんが竹中さんに紹介したらしい。

その福井さんも、総裁時代に村上ファンドの投資に係わっていて、大きな利益を出していたことが問題になった。野党は「契約書を提出せよ」と迫ったが、結局は曖昧なままに任期一杯勤めた。どうも広告塔として実際には出資していなかったようだ。

どんなに高い地位に就こうが、究極はただの人間で、高尚な行いなど期待できないのだ。

日本郵政でも、三井住友銀行の西川さんが請われて社長の座に就いたが、かんぽの宿など施設を破格の価格で、規制改革会議の宮内さんのオリックスの系列会社に一括売却しようとして当時の鳩山総務相がストップをかけた。西川さんは、他にも出身の三井住友銀行に利のある商行為をしていたらしい。後に解任された。

何らかの事件で明るみに出たモノであるが、疑惑が闇の中で進められているモノも多いだろう。

足尾鉱毒事件で、被害者の側に立って戦った田中正造先生は「国民監督を怠れハ治者為盗」と警告している。100年以上前の1902年8月のことだが、今も十分納得のいく警告だ。

「悪を眠らせず」と検察特捜部は息巻くが、その検察も信頼を損ねる事犯が出ている。

小沢さんの政治資金規正法違反事件は、秘書3人の起訴になったが、小沢さん自身への責任追及には至らなかった。政党解党時の政治資金、西松建設献金疑惑も関係者の証言が雑誌などで載せられるが、立件のハードルは高いらしい。その弱腰が、逆に検察捜査の質を問われている。
郵政不正にからむ村木元局長の無罪判決は、供述に頼る検察捜査が完全に否定されたことになる。

政治家や高級官僚への悪の立件は、国民に代わって監視する特捜の仕事だが、その検察事態に問題があっては治者をのさばらせるだけだ。

一刻も早く検察内部の体制を見直し、国民の期待に応えるべきである。
写真左:田中正造 100年以上前に「国民は監視を怠るな」と警告している
写真右:東京地検 「悪を眠らせぬ」姿勢には賛成、体制を整えて捜査すべきだ

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