2010年9月16日木曜日

面子の為替介入、これでもサプライズか


円高局面で、「慎重に見守る」とか「必要なときは断固措置をとる」とコメントしていたので直ぐ為替介入が実施されると思っていたが、なかなか実施されず、口先介入で脅しただけだった。

ところが15日、政府・日銀は介入に踏み切った。選挙期間中は、菅さん続投では円高、株安が続くと見られていたので菅さんが大勝したことで、15日には82円台に突入した。市場が菅政権を試した。

しかも、選挙期間中に、小沢さんが積極的な介入を主張していたのだから、対抗心もあり面子をかけた為替介入に出たのだろう。やっぱり小沢さんでなければ円高は阻止できないと思われるのが怖かったのだ。

今まで為替、株価派、米国の経済状況に大きく左右され、国内の経済政策、金融政策は余り影響はないと思っていたが、円は2円安で円高傾向に歯止めがかかったし、株は220円高で効果があったという。

ところが、介入をやったらやったで異論も多く出ている。欧米などとの協調介入でない限り効果は限定的だという。円高阻止のための介入でも一時的に効果はあるが、今までの傾向を見ても為替のトレンドは円高傾向が止まらず、為替差損は増大するばかりだ。

今は亡き橋本さんが、総理の時渡米し大学での講演で、「アメリカにはしっかりしてもらわなければ。ドル売りの衝動に駆られたことがある」というような発言をして、「外交で言うべきことではない」と批判されたことがある。信頼の下落するドルに手を焼いているのは事実だ。

おまけに82円ぐらいで介入すると、これが当面の為替相場になる。菅さんは財務大臣に就任した時、為替は93円台だったが、「90円台半ば」が理想(?)と発言して顰蹙を買っていたが、それなら何故90円のレベルで積極的に介入しなかったのか。財務大臣の専権事項だからやる気になればやれたはずだ。

民主党政権は、経済無策と批判されても仕方ない。

企業が想定する為替レートに対しても円高で、1円で50~300億円の差損が出る。1円安で株価は100円高くなる。為替90円で株価10,000円が今の傾向である。株価はNY市場10,000ドル、東京市場10,000円のラインを米国経済の状況であがったり下がったりしている。

民主党代表選は、国会議員の票では僅差の勝負だった。小沢支持グループはおとなしくはしていないだろう。相変わらずの権力闘争は止めて、しっかり雇用、景気対策に取り組むべきだ。政策を提案しあい成果を出した方が、権力を持てばいい。

経済失政は後々まで尾引きやり直しは利かない。

迷い、躊躇、過去の事例に捕らわれず果敢に挑戦すべきだ。
写真:財務省 できる手は全て使って積極果敢な政策を

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