2011年6月25日土曜日

経産省が古賀氏に退職打診:菅総理凋落で官僚が攻勢に







公務員制度改革などで思い切った改革を進めようとした古賀茂明氏が経産省から退職の打診を受けたという毎日新聞電子版を見た。最近では電力業界の「発送電分離」を提案するなど改革派官僚として興味を持っていたのだが、菅総理の凋落を目前に官僚機構が攻勢に出たのではないかと感じた。

公務員制度改革で「事務次官の廃止」「天下り規制」は避けて通れない。特に事務次官会議は絶対的で、事務次官会議を通らない事案は閣議にも上げられない程で官僚の思うが儘のやり放題だった。安倍内閣の時、事務次官会議に上がっていなかった議案を安倍総理が強引に取り上げたことが大問題になったことがある。

また、委員会で審議が終わっても、官僚に不利な条項には、法文を付け足し手抜きにすることなど朝飯前なのだ。国会で問題になった時、官僚は「一種の接続詞のようなもの」と誤魔化す厚顔ぶりには驚いたことがある。

「みんなの党」の渡辺さんは、自民党の公務員制度改革に反対し、党を飛び出し「みんなの党」で公務員制度改革に精を出している。

民主党政権に変わって、事務次官会議は廃止され、官僚主導から政治主導に動きが変わったかに見えたが、今回の大震災復興では、菅流政治主導はうまく対応できず、批判に晒され不信任決議案を出される始末だ。

官僚をうまく使わなければ、対応できないと見た仙石さんは、方向転換し、被災者救済を実施している。

また、菅総理は、福島第一原発事故に鑑み、電力業界の地域独占、利権に風穴を開けるべく「発送電分離」も検討課題に上げた。以前から改革の必要性は上がっていたが、電力業界、産業界から反対論が強かった。しかし、こういう大きな事故が発生しなければ検討するチャンスはないのだ。

古賀さんも、「たけしのTVタックル」などに出演し、発送電分離のメリットを説明していた。消費者に負担を強いる電力料金の決め方、原子力発電に対する安全軽視の経営は許されないことだ。更には、経済産業省をはじめ、エネルギー庁、原子力安全委員会、原子力安全・保安院など官僚機構も大きく利権に係わっている。

菅総理は、この構図にもメスを入れようとしていた。

しかし、残念なことに菅総理の凋落を目前に、公務員制度改革、発送電分離など改革を唱える古賀氏を追い落とすチャンスと経産省、官僚機構は見ての退職打診だったのだ。

巨大な官僚機構を相手の改革は、相当な力を持った内閣でないと出来ない。政治主導と言うには、官僚に勝てる情報、知見を持って政治に取り込まなければならない。

今の政治家にそんな能力を持った者はいない。

古賀さんは、将来「みんなの党」から出馬してがんばってもらいたいモノだ。

写真左:経済産業省が古賀氏に退職を打診したニュースを伝える毎日新聞電子版 2011.6.25

写真右:経済産業省、エネルギー庁

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