2011年6月21日火曜日

総理の座を巡る攻防:「あきらめない」vs「もう辞めろ」



会期末を明日に控えて国会の会期延長が決まらない。民主党執行部は総理に花道を用意して退陣時期の表明を求め「もう辞めろ」と言っているのに、菅総理は相変わらずアレがやりたい、コレもやりたいで「あきらめない」姿勢で、毎日両者の鬩ぎ合いが続いている。

揉めれば揉めるほど、菅政権の支持率は下落し、菅総理の求心力はなくなり、おまけに民主党支持も下落しているのが分らないのだろうか。

一方、自民党はじめ野党も先の菅内閣不信任決議案の否決で、「今、そんなことをやっているときでは無かろう」との批判が高まり、「菅降ろし」の戦術も湿り気味で、妥協を強いられる政局になってきた。

何故、こんな事になったのか。

それは、先の不信任決議案の大義名分がはっきりせず、与野党の動きから権力闘争と見られたからだ。本当の理由は、菅総理の政治手法への不信が募り、政治を変えなければ今後の政局運営が難しいと判断したからではなかったのか。

私も先に、菅流政治手法は常に唐突に新しい政策に飛びつき、何の根回しもなく「オレが、オレが」で発表し、周辺は右往左往するばかりで、その負担は国民にくることになると記したが、市民運動というモノは、常に新しいテーマを扱っていないと存在価値がないが、菅総理はこのことが身に染みこんでいるのだ。

目処を付けることが政治家の本望だとまで言った「社会保障と税の一体改革」も消費税10%が絡んでくると民主党内もまとまらないが、菅総理は一向に民主党議員を説得する事はしていない。TPPだってうたったまではしたが、賛否両論で行き詰まっている。特例公債法案、第2次補正予算案を通すことで大臣の花道にしようと執行部は考えたが、菅総理は「再生自然エネルギー促進法案」を打ち出し、これもやりたいと言い出した。

何が菅総理をこれ程までに執念を燃やさせているのか。一方で「辞めろ、辞めろ」と言われているのに。

歴史に残る大仕事をしたいとい政治家の欲望なのか。財政再建をはじめ、発送電分離、原発問題など今まで出来なかった利権に風穴を開ける政治家の責任なのか。

でも、菅総理の政治手法は混乱を招くだけで遅々として成果があがらないのは目に見えている。国民に対しても説明をする努力が足りない。やること為すことパフォーマンスが鼻につく。総理として必要なバランス感覚に欠ける政治家であることに間違いない。

難しい国会運営を岡田さんはじめ民主党執行部に任せているのであれば、岡田執行部の方針も理解すべきである。

「あきらめない」「辞めろ」ではなく、「国民の国益を考えたら何が一番か」を考えるのが、民主党のスローガンである「国民の生活が第一」ではないのか。

民主党議員全員が、政権交代の原点に返るべきである(マニフェストに戻れと言うことではない)。

写真:民主党執行部との協議でも続投意欲を見せる菅総理 2011.6.20TBSニュース23 クロス

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