2016年12月29日木曜日

戦後75年の日米関係:オバマ・広島訪問、安倍・真珠湾訪問で「和解」か、でもトランプでどうなるか

27日、安倍総理が真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊しオバマ大統領の広島訪問とも相まって75年後の日米関係は「和解」出来たという。しかしこれは対オバマ米国と言うことであって後に続くトランプ大統領の米国の事は分からない。

よりにもよって稲田防衛大臣が同行、帰ってきたと思ったら靖国参拝で中国、韓国は「歴史を直視せよ」と相変わらず騒ぐ。

何のための真珠湾訪問だったのか、太平洋戦争で生じた日米間の「わだかまり」の幕引きのつもりが、関連国のことを考えるとそうはいかないのだ。

戦争の背景は詳しくは忘れたが、南方資源の確保、自給自足経済の構築、当時やっていた日中戦争の早期解決があったと言う。大東亜共栄圏の構築だ。

しかし、ABCD包囲網が構築され日米交渉も妥結の見込みがなく武力発動へと向かった。1941年11月22日に日本の機動部隊は密かに択捉島の単冠湾に集結、11月26日真珠湾を目指した。12月8日にアメリカ艦隊に先制攻撃したが対米宣戦通告の手渡しが遅れた結果、「だまし討ち」と「リメンバー・パールハーバー」とアメリカ人を奮い立たせた。このことの詳細は今まで幾度もメデイアが報じている。

戦況は物資に勝る米国に有利、英米中は日本に無条件降伏を勧告したが、日本が黙殺、米国は8月6,9日に広島、長崎に続けて原爆を投下した。人間に原爆を使ったのは初めてのケースで人道的な問題となった。しかし、米国は早期に戦争を止めさせるための手段だったという。もし原爆を使っていなければもっと多くの死者を出しただろうというのだ。

米国の「だまし討ち」、日本の「非人道的原爆投下」感情が大きな「わだかまり」として残っていたのだ。

両首脳の演説には「和解」「寛容」「不戦の誓い」など言葉が相次いだ。オバマ演説のなかの「歴史は修正できないが、未来を築く教訓を得ることは出来る」は日本の言う未来志向と考えは一緒だ。

でも実際には少し軌道を外れていないか。
オバマ大統領は「核なき世界」を広島で訴えたが実際には核削減には取り組んでいない。寧ろ小型化を目指し30年で1兆ドルをつぎ込むという。ノーベル平和賞受賞はどうなってるんだと批判する学者もいる。

一方、安倍総理は「再び日本は戦争しない」と言うが、憲法9条を改正しようとしているし、海外派遣の自衛隊の駆けつけ警固に便乗した活動の拡大は国内でも懸念されている。

イベントはイベントと割り切って考えているのか。

何故、安倍総理は辞任間際のオバマ大統領をサプライズ利用したのか。広島のお礼と言うがトランプさんが就任すると日米関係がどうなるか分からない。念願(?)の真珠湾訪問も遠のくだろうと考えて急いでオバマ大統領と最後の会談をしたと言うことか。でも、過去に3人の総理が訪問しているし、最近では竹下さんも訪問したという。

辞任間近の大統領と会談しても、既に4人の総理が訪問していることが分かれば何らサプライズではない。国会が開かれれば当然質疑の中心になるだろう。中国、韓国など関連国にどう答えるのか。

安倍総理の支持率アップを狙ったのだろうが危うい安倍外交を世界に晒したことにならないか。


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