2016年12月8日木曜日

トランプ旋風?:世界は右派政治に動いているのか、一時の熱病か

予想外の次期大統領トランプさん登場に、世界は右派に動いているのか、それとも一時の熱病なのか。行き過ぎた政治は揺れ戻すのは当然だが、自国第一、反グローバル化、移民問題、エスタブリッシュによる既成政治への批判が世界でわき上がっている。

日本の安倍総理も右派とみなされているが、安倍さんはこういった政治の動きで出て来た政治家ではなく、民主党政権への国民の失望、自民党員が選んだ石破さんより国会議員が選んだ安倍さん、長期デフレに悩む日本経済を今までに例を見ないリフレ派経済学で立て直すきっかけを付け一気に国民の信頼を勝ち得た。

リベラル派(?)のオバマ大統領に当初は嫌われた安倍総理だから、安倍総理は右派政治家なのだろう。

しかし、強権政治で自民党のリベラル派は影が薄い。総選挙では政策隠しをやるが終わると憲法改正に走る。世界平和貢献といって自衛隊の活動が拡大、野党のだらしなさで一党独裁政権を築くか。日米同盟強化で中露を牽制、日ロ交渉で中国を牽制する。

ところが、今回の大統領選で「米国第一」「偉大な米国」を訴え、反グローバル、雇用、不法移民、減税による国内企業優先、既成政治家批判で泡沫候補から一躍大統領にのし上がることになった。

エスタブリッシュ政治、国内産業の疲弊、雇用の減少に飽き飽きした国民は「隠れトランプ」でトランプさんを支持した。

多くのメデイアが予測を外したが、スティグリッツ教授は米国社会の活性化のためには1%のトップ層のための政治、経済、司法制度から中間層以下のための制度に変える必要があると訴えていたことを考えるとトランプさんのような政治家が出てくる素地はあったのだ。

そして今、世界の政治は極右、右派に変わろうとしているヨーロッパの動きには注意だ。

イギリスは脱ECが決まった。自分たちの政治が出来ない事に不満がある。離脱賛成した人も「やってしまった」と後悔しているようだが何時離脱するかが話し合われている。

イタリアは上院権限縮小、政府権限強化のための憲法改正の国民投票が行われたが否決され首相は辞任する。オーストリア大統領選は右翼の伸長が注目されたがリベラル派が勝利した。

フランスも右翼、国民戦線が伸び、大統領選にオランド大統領は不出馬を決めざるを得なかったようだ。EU離脱の可能性もあるらしい。オランダは3月の総選挙で移民反対の「オランダ自由党」が強いらしい。

ドイツのメルケル首相も安泰ではない。来年秋には連邦議会選挙が予定されているが反イスラム、難民阻止の動きが大きいらしい。「ドイツのための選択肢」が伸びているという。

極右、右派が勢力を伸ばしている一方で、選挙では今のところリベラルが勝っている。極右、右派というとナチスドイツを思いだし嫌悪する。

グローバル化で自国の産業、雇用が最悪、難民の流入で財政も圧迫、「自国のため」と思っても思うように行かない。イギリスの脱EUの波紋は広がるだろう。イギリスが今後どういう風に自国を立て直していくか。


極右、右派政治は一時の熱病と思うが、紆余曲折を経ながら政治は変わっていくかもしれない。トランプさんが米国の政治経済をどう変えていくか。注目だ。

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