2017年11月4日土曜日

今日の新聞を読んで(114):政党を保守、リベラルそして中道に分ける基準は

今回の選挙ほど政党が保守かリベラルか、あるいは中道か、「希望の党」が保守改革政党と言いし、「希望の党」の小池さんに選別され行き先のなくなった民進党のリベラル派が「立憲民主党」を立ち上げた。「右でも左でもない中道」という者もいる。

「働き方改革」など自民の打ち出す改革は一見国民のためのように見えるが、大企業を利する政策ではないか。AIやロボット開発技術者は引っ張りだこのようだが、自動化された社会経済システムの構築で私たち普通の人間は「役立たず」の人間になって行くのではないか。正規より非正規労働者として生きるしかなくなるのではないか。

社会の変革に向け人間性を重視した政策を打ち出すのはリベラルの仕事と思うが政権党の自民は、野党の政策を先取りしリベラルを食った格好だ。

下手をすると保守もリベラルもないことになりかねない。

リベラルって一体何なんだ。西洋の理論で自由と幅広い機会によって新しい物事が創出され、制約のない生活によって繁栄、安定、安全がもたらされる。その理想のためには「開放性」と「平等」が必要になると言う。自由な個人が集まって暮らしている社会、参加している人々の希望と行動の集合で成り立っておりそれが平等をもたらすという(「西洋」の終わり ビル・エモット 日本経済新聞出版社 2017.7)。

ところが開放性は平等という概念を絶えず推し進めることを求めなければ争いが起きる。それを和らげる手段がないと置き去りにされたと感じる人が出てくる。アメリカ、日本などで平等という意識が蔑ろにされているのだと言う(同上)。

自由、平等が蔑ろにされ、金持ちは更に金持ちになり格差拡大、利権政治が蔓延る。利権者は交付金、補助金、大企業は法人税下げなどで保守党を支持する。

企業内にあって管理職は自民党支持を指示され、従業員は社会党や民社党などリベラルの支持になる。学校を卒業するとそういうことで保守、リベラルが決まってくる。リベラルは労働者の味方なのだ。
しかし、今はリベラルの勢力も弱くなり、保守と合流し社民党などは何時潰れてもおかしくない状況だが一方、保守と合流したリベラル混在の政党は大事な政策で統一感がなく、何時もゴタゴタしている。

ところがそこに目を付けた保守党がリベラルな政策を次次に打ち出し野党がダメでも与党内で保守とリベラルがバランスをとった政治を試みる。安倍政権も民進党が打ち出していた政策をパクッている。

我が国の政党史を見たがよく分からない。鳩山一郎さんと吉田茂さんの主導権争いの抗争の時でも鳩山さんは「友愛」を掲げていたがこれがリベラル派か。吉田さんは外交官、池田さんや佐藤さんらの官僚がメンバーで保守派か。

今、憲法改正で9条改正賛成が保守で改正反対がリベラル、消費税増税はどうか。予定通り上げるのが保守で、凍結がリベラルか。対北朝鮮対策では「圧力」が保守で、「交渉」がリベラルか。働き方改革、人作り改革はどうか。

「モリ・カケ問題」は開放性、平等で失格だが自民党は追求を避けたいところだが、野党は追及の構えだ。

迫り来る憲法改正の国民審査で自民党議員が英国に調査に行った結果では「憲法改正の内容より政党選択になり国論を二分する難しさがある」と知ったようだ。


日本の政党の保守色、リベラル色は厳しく色分けできない状態になってきた。世論調査では「自民党は仕方ないが安倍さんは嫌」という声を自民党はどう受け止めるのか。

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