2017年11月2日木曜日

黒田さん日銀総裁続投?:「2%物価目標」先送りでも成果があったと言うのか

黒田日銀総裁の来春の任期切れを迎えるが続投の情報も流れている。「2%物価目標」6回先送りでも成果があったと言うのか。「景気は穏やかな拡大基調」と言い企業の業績は好調のようだが賃上げは緩く消費が伸びない。世界の中央銀行は出口戦略を検討するが、日銀・黒田総裁は市場にカネを流す緩和政策を継続し「出口戦略」はミスリードという。

ところで黒田総裁の成果は何だったのか。あの「2年程度で2%物価目標」達成の約束はどうなったのか。18年度は1.5%を1.4%に引き下げると言う。「引き下げ」「先送り」しか黒田総裁の口からは出ていないのだが、安倍総理は「よくやっている」と評価し続投の可能性もあるのだ。

安倍総理が「よくやっている」というのは、アベノミクスを批判せず、2%に向け一途に進もうとする黒田総裁の姿勢を評価したのだろうが、国民、市場にはウソばっかり言っていることになる。

岩田副総裁に至っては「2%が達成出来なかったら辞任する」と就任会見で言っていたが一向に辞任せず、言い訳ばかりしている。「言い訳はせず辞任」と言っていたはずだ。

既に黒田総裁、岩田副総裁は日銀にはいないはずなのだが・・。

現在の日銀の政策決定会合の委員は9人共(総裁を含め)にリフレ派で緩和継続の同調者だが、このままで舵取りは大丈夫なのか。

成果どころでなく日本経済を潰す結果にもなりかねない。

異次元の金融緩和は政策に工夫(?)しマイナス金利まで導入、金利はゼロ付近で維持しているが。金利は日本経済の体温計とも言われているがそれが壊れているのだ。

年6兆円にも及ぶETF買い入れで株式は官製相場で20000円台をキープ、「見えざる手」も不自由になってきた。

黒田総裁は安倍総理と組んで日本経済を潰す気なのか。黒田総裁は「金融政策は物価安定のために行っている」と言うが、既に1%近辺で安定しているのではないか。白川総裁の時は「まず1%を目標にし、更に上を目指す」と言っていたが、その方がまだ良かったのではないか。

そもそも2%を決めた根拠が薄弱だ。安倍総理は国会審議で野党から「何故、2%」と問われたとき、「3,4%と言う人もいたが達成の可能性が高い2%を選んだ」と答えていた。

黒田総裁もどこかの講演で「2%」に触れ、グローバル・スタンダード、こう言う数値は高めに設定する。上下動するための「のり代」と答えていたはずだ。

主要国の中央銀行は2%には届いていないが緩和縮小へ向かうことを検討している。FRBは金融正常化に向け利上げのタイミング、資産売却を考えている。

市場にカネを流しても物価は上がらない。企業は儲かっているが内部留保、海外投資に努め、トリクルダウンなんて起きていない。海外の著名な経済学者はトリクルダウンなんて今まで見たことがないという。

今、中小企業は人手不足だ。賃上げして確保すれば当然に物価も上がるだろうと日銀は見ているが、消費は伸びない。

本来の経済は、景気が良くなれば物価は上がるというものだ。市場にカネを流せば物価は上がると言う訳ではない。

又、安倍総理が黒田日銀を重宝しているのは、成長戦略で財政出動が必要になる。財政出動には赤字国債が必要で日銀が買い上げてくれることは必須条件だ。財政再建も目標に掲げるが先に延ばした。

何時世界が日銀の財政ファイナンスに警告するか分からないが、日銀の経営を含め国債買い入れは危ない限界に近づいている。

黒田総裁は安倍総理にうまく利用されるのではなく、責任をとって辞任し、人心一変するのが市場にインパクトを与えるのではないか。日銀は政府と距離を置くべきだ。


日本の経済は海外の経済状況に大きく影響されていることは分かるが、日本独自の政策にどの程度影響されているのか。日銀の金融政策発表時は変動もするが、しばらくすると世界の動きで変動する。

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