財界もやっと賃上げに動くのか。朝日新聞(2013.9.19)に掲載された「財界に賃上げ容認論」で「業績の向上が見込める企業は、この機会に賃上げを考えることが重要だ」という経済同友会代表幹事の発言が載っていた。やっと経済界も政府の要請を受けて賃上げの検討を始める機運が出てきたのか。
私も今までメデイアが言う前に、脱デフレには賃上げが必要の考えからブログに下記の記事を掲載してきた。
2013.1.20 経団連は積極的な賃上げでデフレ脱却に向かえ
2013.1.23 デフレ脱却を「賃上げ」からもできないか
2013.2.05 デフレ脱却のトリガー:賃上げか、企業収益か
その後、アベノミクスに欠けているのは賃上げ、家計への再配分という内容の発言が内外の学識者から相次いだ。
安倍総理も、アベノミクスの効果がいまだ実感されていないことに危機感を抱き、春闘で経済界に賃上げの要請をしボーナスなど一定の効果はあったが、基本給でのベースアップは成果はなく、政労使による賃上げの協議会がもたれることになった。
米倉経団連会長は「賃上げは政治主導ではなく、、労使で話し合うべきだ」との考えを示していたが、岡村日本商工会議所会頭ともども政労使の協議のメンバーだ。どういう態度で協議に臨むのだろうか。
そんな中で、経済同友会の代表幹事が「賃上げへの検討」をにおわす発言をしたことは意義がある。
具体的に、どういう雰囲気の中で発言したのか。経済同友会のHPから会見要旨を開いてみた。
記者会見で、長谷川代表幹事は「賃金、雇用などに関する政労使協議と賃上げ」について発言したようだ。
それによると、「賃上げについて、政労使協議をどう考えるか」との質問に、「企業には製品、サービスの供給者としての立場と賃金など報酬を通じて需要に貢献する立場の両方があり、上昇傾向に見通しのつく企業は経済を好循環につなぐために率先して賃上げを検討することが極めて重要である」と至極真っ当な考えを示した。
更に「賞与に反映して年収を上げているが、ベースアップまで踏み込むべきと考えるか」の質問に「そのつもりで述べた」と応じた。
業績好調が見込めれば、賃上げを検討すべきだという。
更に今、給与総額5%増で法人税減税も検討されているようだが、適用条件の5%は緩和し、阿吽の呼吸で協力していくことが必要ではないかともいう。
全くその通りだ。
残念なことは、長谷川代表幹事が政労使協議会のメンバーでないことだ。経団連、日本商工会議所も経済同友会に習うべきだろう。
我が国は10数年前から内需拡大をテーマに、前川レポート、21世紀版前川レポートが出されたが、「企業の儲けをいかに家計に再分配するか」で経営者の同意が得られなかったことがとん挫した要因になっている。
成長戦略は、政治よりも経済界の構造改革、経営者の意識改革にかかっているのだ。先に亡くなった経済同友会の代表幹事だった品川さんの「誰のための改革か」を思い出そう。
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