2013年9月4日水曜日

今こそ、田中正造翁に学ぼう

田中正造翁
2006.10.14田中正造記念館で
現代の今こそ、足尾鉱毒事件で住民側に立って救済活動した田中正造翁の教えに学ぶべきではないか。4日の朝日新聞「天声人語」、讀賣新聞「編集手帳」で田中正造翁の偉業を讃えている記事が掲載された。今年で生誕100年なのだ。

天声人語は、時は流れても、いよいよ輝きを増す傑物と言い、足尾銅山鉱毒事件で民衆の側に立って闘った。衆議院議員だったが死罪を覚悟で天皇に直訴、官憲に抗して人々を引っ張り、不撓不屈の4文字がに合う人物は稀だと言い、「今田中正造が総理だったら」と原発に対する今の政権との違いを想像している。

編集手帳では、死ぬまで貧乏と縁の切れなかった人、しばしば友人からカネを借りたが、借用証書には、無利息、行き倒れしたときは証文は無効と書いたという。足尾鉱毒事件に一生を捧げた気魄がうかがえるという。そして現在を生きる政治家は、田中正造に何を学び、我が身の物差しとするかと忠告している。

田中正造記念館内
2006.10.14撮影
私も田中正造記念館が館林に開設されたとき、見学したことがある。あれからもう6年も経つのだ。

田中正造翁の有名な名言に「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」というのがある。日本の公害問題、足尾鉱毒事件の基本理念だろう。

今、東電・福島第一原発の原発事故で住民、町は想像絶する被害を受け、この名言は今も十分に通用する。

また、多くの名言の中で、「国民監督怠れハ、治者為盗」というのがある。

「国民が政治家、官僚をしっかり監督しなければ、彼らは盗人になる」とは100年経った今こそ、ぴったりする名言だ。

公共事業に名を借りて私腹を肥やす政治家、官僚、ゼネコン。事業仕分けでも分かった官僚が推進する無駄な事業、国の借金は1000兆円を越えたが、まだ赤字を増やそうとする政治。

未曾有の原発事故にもかかわらず、早々と収束宣言をだし、エネルギー政策として再稼働を伺う政権。

消費税増税の賛否を聞くため有識者会議を開いたが、7割がすでに増税への法律が決まっているのだから既定方針どうり増税すべきだという。賛成、反対意見が拮抗する世論との食い違う政治の動き。

今、政界は「自民の1強、6弱」、不甲斐ない野党にかわって、国民が監督の目を厳しくしなければ、為政者は自分の利権でしか動かない。


田中正造翁に学ぶ点は、いくらでもある。

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