経済界の賃上げの構造改革(?)を狙った政労使会議を期待していたが、メデイアのニュースを読んで、相変わらず三者の思惑の違いが見え隠れする。成長戦略と賃上げがニワトリと卵の関係だ。折角景気も好転の動きが見えてきたが経済成長には個人消費を活性化する必要があり経済界の動向が注目される。
それぞれ三者の考え方、言い分をニュースから拾ってみた。
安倍総理は、アベノミクスでデフレ脱却に向かっている今、企業収益、賃金、雇用の拡大で好循環につなげたいという。
そのためには、法人優遇とも思われる法人税実効税率の約2%の引き下げ、中小企業の設備投資減税、賃上げ(3%以上)企業に法人税減税、復興予算25兆円のうち復興特別法人税の1年前倒しで撤廃が上げられている。
これに対して、財務省は法人税1%下げで4000億円減収になるが、その代わりの財源をそう簡単に捻出できるものではないし、法人税減税が賃上げに繫がることには懐疑的である。
そのために安倍総理と財務省で対立している。安倍総理が消費税増税への判断を下す来月初めまでにさらに検討するらしい。
政権与党の一方である公明党の山口代表は「法人税だけ軽くするのは国民の理解が得られない」と至極真っ当な発言をしている。
使用者側はどうなのか。経団連の米倉会長は、企業が力をフルに発揮出来る環境整備が出来れば雇用も賃金も上がっていく。業績アップが大前提で、法人税減税は賃金上昇に繫がるという。岡村・日本商工会議所会頭も経済が成長しなければ企業収益は増えず、政府の成長戦略実現が賃上げに繫がるというのだ。
何やら、賃上げと経済成長がニワトリと卵の関係になっている。経済成長が先か、賃上げが先かだ。
労使で賃上げ交渉をやって来た連合の古賀会長は、持続的な経済成長のためには国民所得の向上、将来に対する不安の解消が大前提だと言い、非正規、中小企業の労働者の格差改善が重要だとも言う。
労働側にとっては、政府が賃上げに頭を突っ込めば連合などの立場がなくなる心配もあるようだ。
兎に角、要点は賃上げが先か、経済成長が先か。
財界でも経済同友会の代表幹事が「業績アップが見込める企業からベースアップにも踏み込むべきだ」という考えも出て来た。
経団連、日本商工会議所も法人税減税、成長戦略の実現などを要求するのも良いが、「おねだり」ばかりでなく、法人税下げの後にどんな展望が開けるのか、どんな成長戦略を望み、そのあとどんな展望があるのか。
もっと国民に説明しなければ、企業優遇の印象を与え国民の理解が得られないのではないか。
20日の夜のテレビニュースで流れた日米欧の賃金格差、現金給与と消費者物価の前年同月比をどう読むか。
経済界の責任は大きい。
日米欧の賃金推移 TBSテレビ ニュース23 2013.9.20 |
現金給与と消費者物価の前年同月比比較 NHK ニュースウォッチ9 2013.9.20 |
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