2013年9月7日土曜日

どこまで伸びる南海トラフ巨大地震の震源域:南西諸島海溝まで拡大か

最近1週間の地震活動 気象庁地震情報より
2013.9.7
どこまで伸びる南海トラフ巨大地震の震源域? 南西諸島海溝まで広がる可能性が出て来て解明のために研究が急がれるというのだ。南海トラフ関連地震は東海地震、東南海地震、南海地震の発生だが3連動が想定されると、日向灘を含めた4連動、南海トラフ寄り、更に九州から南に南西諸島海溝を含めた震源域が拡大を続けている。

日本全体が大きく揺れていることは気象庁地震情報や最近1週間の地震活動で知ることが出来る。

831日から97日の気象庁の地震情報を見ると東北地方で頻繁に揺れているのは当然であるが、31日には種子島近海でM3.4,1日オホーツク海南部でM5.5,2日薩摩半島西方沖でM3.6,4日鳥島近海でM6.9,5日西表島付近でM2.9,6日宮古島近海でM4.6と広域で揺れている。

最近1週間の地震活動で見ても海溝は勿論、内陸も揺れているが、ここ1週間は伊豆小笠原海溝、南西諸島海溝、九州電力川内原発のある薩摩半島西方沖、北海道東部で目立つのではないだろうか。

2012.3.10 日経電子版
当然のことで、政府の地震調査委員会はM9.0を記録した東北地方太平洋沖地震から1年過ぎたころから同様の巨大地震が発生する可能性を探る研究を活発にした。それには南西諸島沖、伊豆小笠原、北海道東部から三陸沖そして糸魚川―静岡構造線断層帯の一部が入っている。南西諸島海溝沿いと南海トラフ沿いが連動、同時に起こればM9を越える可能性が高い(2012.3.10 日経電子版 「M9級巨大地震 政府調査委 、想定見直し北海道や中部危険性指摘する声」)。

3.11東北地方太平洋沖地震以降、何かが吹っ切れたように想定震源域を拡大し、最大を想定する傾向が出て来たが、本当にこれで良いのかという批判もある。でもプイレートテクトニクスの理論から考えると、中国、台湾、インドネシア、アメリカなどで発生している巨大地震、津波はすべて関連があるのだ。

政府の地震調査委員会が全国の活断層の再評価を進めているその第1弾となる九州地域で、M7以上の大地震を起こす可能性のある活断層を従来の8カ所から16カ所に倍増させた。M6.8以上の地震が30年以内に起きる確率を九州全域では40%と算定した(讀賣新聞2013.1.14)。

注目すべきは、九電・川内原発付近に甑断層帯、市来断層帯が加えられた。GPSで地震予知をやっているJESEA(地震科学探査機構)の村井さんは「川内原発近くで異常な数値を計測している。地震の前兆であれば数ヶ月、遅くとも半年以内にはM6級の大規模地震が発生する危険がある」と警告している(2013.7.26 www.zakzak.co.jp)。

南海トラフ巨大地震の震源域
拡大の可能性
2013.9.1読売新聞
地震予知の研究は進んでいる。今注目されている南海トラフ巨大地震に関連して沈み込むフィッリッピン海プレートの上に観測装置を設置してGPSと音波で沈み込む速度を精密に計って発生確率の推定に役立てようとしている(讀賣新聞2013.9.1)。

そして、名大の古本教授は、南海トラフの震源域が従来の東海-九州沖から南海トラフ南方の南西諸島海溝まで広がる可能性があると指摘する(同上)。

スロースリップ・・ゆっくりすべり・・研究からもその可能性がでてきた。

スロースリップは、ゆっくり滑ることによってエネルギーを放出、歪みを解消するので大地震の発生を回避できると、以前私たちは見ていた。巨大地震の震源域近くでもそうなれば理想だと考えていた。

ところが、3.11東北地方太平洋沖地震発生で、事後検証していた研究者らが北の方からスロースリップが降りてきて止まったところが巨大地震の震源域だったことを見つけたのだ。

更に、海洋研究開発機構の研究員らによって、ゆっくり滑っている領域でも、周辺で固着領域が大きく滑って大地震が起きると、ゆっくり滑る領域も早く大きくずれることが分かったのだ(朝日新聞 2013.1.18)。

NHKの特集番組メガクエイク スロークエイク(2013.9.1)でも巨大地震が想定される南海トラフで不気味な震動が頻発していることを見つけたという。小刻みに揺れて数日から数週間続くのだ。東北地方太平洋沖地震の直前にもスロークエイクが起きていたのが分かっているので予兆ではないかと見ているのだ。

そして、新たなスロークエイクの発生場所が見つかったという。その場所は、九州の南、今まで分かっていた南海トラフの端より更に南になるらしい(同上)。南海トラフ巨大地震の震源域が南西諸島海溝まで拡大する可能性が出て来たのだ。

一方、室戸岬沖では定置網に深海魚、リュウグウノツカイなどが補足されると言うのだ。リュウグウノツカイの漂着は地震の前触れという言い伝えがあり、地元漁師らは心配しているようだ(zakzak 2013.9.4)。

勿論、東海から沖縄本島付近まで同時に動けが1500km(3.11東北地方太平洋沖地震は約500km)、M9以上の超巨大地震の発生になり壊滅的打撃を受けることになるが、そうはいかないだろう。南海地震域で発生し、それが東南海、東海、日向灘さらに可能性があれば南西諸島まで数時間、数日、数ヶ月、数年間、数十年間の時間差で動くのではないか。

地震予知の研究が進めば進むほど震源域は拡大し、規模は巨大地震になってくる。いつかは精査する時が来るだろうが、それまでに巨大地震が発生するかもしれないのだ

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