放射線量が高く近づけない現場 NHKクローズアップゲンダイ 2013.9.11 |
東電・福島第一原発汚染水流出問題で、現場で本部長を務めている副社長の「苦しいです。本当に苦しいんです」に現場の本音が伝わってきた。汚染水の流出が次々に明るみに出るが、思うように進まぬ原因調査、火事場的対応にも限界が見えてきた。
IOC総会で、安倍総理は「コントロール出来ている」「ブロックされている」と宣言したことに疑問を呈する者が多い。現場の監視体制、汚染対策がどう進んでいるのか、知りたいところであったが、11日のNHKクローズアップ現代「最新報告 汚染水クライシス」で、その実態を知ることが出来た。上記の発言は、その時のNHK記者とのインタビューで出て来た。
現場はまだ設備類が散乱した状態だ。カラーコーンで囲まれた場所は、未だ放射能も高く近寄れないから放置されているのだ。恐らく土壌、地下水も汚染されたままなのだろう。
地下水を汲み上げる設備 同上 |
現場は基本的に4Sが大事であるが、徹底できず、汚染水くみ上げ現場だったトレンチを掘ったところに泥水がたまったままだ。通常なら呆れかえる現場だ。
今、50~60人で作業に当たっているが、パンパンの状態で専門の作業員が不足している状態らしい。作業自体も被爆の危険があるので思うようにはかどらない。
期待(?)されている建屋周囲を凍土で囲む工事が検討されているが、三重大学の実験では効果がありそうだが、工事の仕方によっては汚染水を流出させる危険があるという。
又、山からの地下水を井戸でくみ上げ海に放出する計画も、地元漁民の同意が得られないようだ。そうなればこの計画も頓挫するが、根気強く説得するしかないらしい。
検討されている対策など 同上 |
経験から言うと、地下水対策は本当に難しいのだ。
IOC総会で2020年夏季開催を勝ち取った招致委員会のメンバーは凱旋し熱狂的歓迎をうけた。「おもてなし」が評価されたと言うが、東北の被災者をどう「おもてなし」しようとしているのか。
復興に弾みをかけたいところだろうが、土木・建築資材の高騰、土木作業員の東京集中で却って復興の足を引っ張ることにならないか。
汚染水対策は、政治的にはコントロールされていても、技術的には不可能なのだ。
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