2013年9月23日月曜日

リニア中央新幹線:ほとんどがトンネルの中、東京・大田区も地下を走る

リニア新幹線ルート発表
朝日新聞 2013.9.19
リニア中央新幹線の計画をJR東海が18日に発表した。ほとんどがトンネルの中で、我が街、東京・大田区も地下を走る。東京―名古屋286kmを時速500km、最短で40分で走る。86%は地下で都市部は大深度地下トンネルだ。

発生が危惧されている南海トラフ巨大地震では、東海道新幹線のバイパスの役目を負う。

総工費5.4兆円、工期は10年、JR東海が全額出資すると社長がテレビ会見で発言していた。2020年の東京オリンピックに間に合わせ出来ないかとの要望にはキッパリ断っていた。

一番問題なのは、南アルプスを貫通する25kmのトンネルだという。どんなことが起きるか想像出来ないのだ。

記憶にあるのは、黒四ダム建設でトンネル工事は破砕帯にあたり異常出水で難航極め、開始しては止め、開始して止めの繰り返しで工期も随分遅れたことだ。このときのニュースは記憶にある。

東京・大田区は3.6kmを走る。
東雪谷1丁目には非常口を建設
私の住んでいる東京・大田区はどうなっているのか。JR東海のHPから「中央新幹線(東京、名古屋市間)環境影響評価準備書(平成25年9月)を開いてみた。

品川の東京都ターミナル駅を出ると直ぐ右にカーブする。5km毎に非常口が計画され、北品川4丁目に次いで、2番目の非常口が大田区東雪谷1丁目近くに出来る。その後はまっすぐ田園調布の下を川崎に抜ける。

私たちの街は、約3.6kmの地下トンネルだ。

計画によると非常口は直径30mの円筒縦坑だ。トンネルの換気、避難用階段、エレベータが設置される。

その設置場所である東雪谷1丁目に行ってきた。東急池上線洗足池駅で降りる。住宅が密集しているが、所々に公共施設、公園もある。そこら辺を利用するのだろう。

非常口が予定されている東雪谷1丁目一帯
計画では、公共施設や公園などを利用するという
計画図によるとトンネルの直径は13m、有効面積74m2、リニア上下2車線を作るようだ。最深部で40mと言う。

施工は実績のあるシールド工法で、一番安全な工法だ。ただトンネル工事などで発生する建設残土は1700,000m3でとてつもなく多い。出来るだけ再利用で発生量を減らすと言うが、地上で処理出来るのか。

活断層もあるらしい。地震対策は良いのか。最新の耐震基準で設計し、車両自身の脱線はないと言うが、断層がずれた場合はトンネルにもダメージを与え、決して安全ではない。地上と同じくらい危険ではないのか。

騒音、振動はどうか。地上部は防音壁などで対策できる。地下走行時の振動はどうなのか。

電磁波も問題だ。携帯電話の電磁波が脳に影響すると注意が喚起されていたことがある。リニアはどうなのか。

東京―名古屋、40分、11500円、ほとんどがトンネルの中。利用価値があるのか。行きは従来の新幹線、帰りは話の種にリニア新幹線と言うことにもなりかねない。

どこかの首長が、地上を走って景色を楽しんでほしいとトンネル計画に注文を出していたが、地下ばかり走るリニア新幹線に町おこしの期待が出来るのか。

波乱を含んだ中央新幹線計画だ。

思い出すのは、関西電力が莫大な資金で黒四ダムの建設を決めた時、当時の社長(名前が直ぐに思い出せない)が、「関西電力の財務から考えると、失敗したら関西電力がつぶれる」と朝日新聞のインタビューに応えていた。それだけ当時は電力不足に対する対応に迫ばれていたのだ。

それに比し、5兆円を超える工事費がJR東海の財務にどう影響するのか分からないが、大きな賭けにでた大義名分は何なのか。


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