安倍内閣の高支持率が続いているが本物なのか。国民の生活に大きく影響を及ぼす政策の失点が今まで見つかっていないだけではないのか。アベノミクスが正しい経済政策であるかどうか分からないが、口先政策で企業、国民のマインドが変わってきたが実体経済への効果はこれからだ。
15年もの長きにわたって経済成長の障害になってきたデフレからの「脱却出来そう」、「ここらで雰囲気を変えてみよう」との国民の願望にそって、企業、国民のマインドは変わってきた。
それに支持率が下がりかけたと思ったら、東京オリンピックの招致が成功し、また上昇傾向をたどる。
第1次安倍内閣との大きな違いは、郵政民営化で離党した造反議員の復党で国民の顰蹙を買い、国民生活に大きな影響を及ぼす公的年金問題で国民の信用を失っていった。官僚の反発でスキャンダルのリークもその要因であるとの見方も当時あった。
今回は、未だ失点と思われる政策は見つからないが、正念場を迎える政策課題は目白押しである。
来年4月からの消費税増税も増税の方向で進んでいるようだが、賃上げがなければ国民の家計負担は大きく物価高と相まって国民生活はダブルパンチになる。
万一、企業の儲けを家計に再分配することに失敗すれば途端に支持率は下落するだろう。そのことが分かっているので、安倍総理は政労使協議で「賃上げ」を経済界に要求しているが、成長戦略が先か、賃上げが先かのニワトリと卵の問答になっている。
東電・福島第一原発の汚染水問題は、IOC総会での「状況はコントロールされている」発言もあって問題解決を国際公約してしまった。先の現場視察でも「私が責任者になる」と言う。
国費を投入すると言っても莫大な金額だ。対策も後手後手であることは間違いない。先日の新聞で汚染水タンクの底盤のボルトの緩みが汚染水漏出の要因の一つだったことが報じられた。地盤工事も曖昧で不等沈下の危険が大きい。そうなれば早晩タンクトラブルに手がつけられなくなる。
それに、M8クラスの余震の発生も心配だ。9月20日2時25分に発生の震源域を福島県浜通とするM5.8,震度5強は余震とは言うが誘発地震だ。M8クラスの巨大地震が7年後まで起きない保障はない。万一発生し汚染水の大量流出、放射能の流出でもあれば一遍に政権は吹っ飛ぶだろう。
国政選挙はまだ3年半先といっても、日本の政治はメデイアの世論調査に大きく影響される(その善し悪しは別として)。
財政政策と財政健全化をどう両立していくか、健全化は国際公約で消費税増税も必須
消費税増税と関連し法人税下げなど法人優遇政策の是非
国債の信用確保に向けた日銀の金融政策、政府の財政政策
米国の出口戦略による日本経済への影響、日本での出口戦略をどうするか
憲法改正の動き、取り敢えず「集団的自衛権行使」容認議論
尖閣、竹島など中韓との間にくすぶる領土問題
どの政策をとっても、今後内閣の高支持を維持するのは難しい。スキャンダルだって何時出てくるか分からない。
家計負担増でいじめられれば、チョットしたことが内閣支持率下落のトリガーになりかねないのだ。
政高党低で政策決定への官邸主導に不満もあるようだが、反対などで党内がゴタゴタすれば民主党政権の二の舞になりかねない。そのことを分かっているから自民党内は静かだ。
これからの政局は難しい局面を迎える。内輪もめなどやっていられないのだ。
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