15日公告、29日投開票の堺市長選は、竹山vs西林、否、竹山vs橋下、無所属vs大阪維新の会の戦いの構図だが分かるような、分からないような争点だ。讀賣新聞(2013.9.22)によると現職の竹山さんがリードしているというが、負けた方が解体の危機なのだ。
竹山陣営は「堺は一つ、堺はなくさない」と言えば、西林陣営は「堺をつぶすことは考えていない。ワン大阪で堺を元気にする」と反論する。主張点が真っ逆さまなのだ。
東京都に住んでいると関係なかろうと思われるが関係あるのだ。大阪都構想の制度設計によっては少なからず他の自治体にも関係するし、橋下さんが負ければ日本維新の会の趨勢にも影響する。恐らく日本維新の会は分裂・解体だろう。
そこで、どういう経緯をたどっているのか、今までのメデイアの報道をめくってみた。
竹山さんは2009年、橋下さんの支持を得て堺市長選に初当選したが、翌年の2010年に大阪都構想が打ち出されて袂を分かち合うことになった。竹山さんも当初は都構想を目指しての協議会に参加しようと考えていたが、規約案に「協議会で構成する自治体の増減は全会一致・・・」という記述があり、一度参加すると抜け出せないことから参加を諦めたそうだ。
それから竹山vs橋下の戦いが始まった。
そもそもこの都構想は、大阪府と大阪市が下水道施設を道一つ隔てたところに持っているなど、二重の無駄な投資を行っていることを橋下さんが指摘し、当時の平松市長と論争を展開した。
今回の堺市と大阪府の連携も、公共施設の適正配置、効率的な事務処理を狙ったものだ。実際には真っ当な考えなのだ。更に、身近な区役所、都市経営、成長戦略の司令塔が一元化できる。
ところが、堺市は人口84万人で、折角政令指定都市になったばかりだが、大阪都構想になると7区に分割され、細かな住民のニーズ、サービスが出来なくなるというのだ。
しかし、まだ大阪都、特別区の事務分担、財政調整も明確にはなっておらず、2015年春に制度設計が出来、2014年秋に住民投票をする予定らしい。
だから、「堺は一つ、つぶさない」と言ってみたり、「堺をつぶすことは考えていない」と言ってみたりチグハグな論戦が見られる。これで竹山か、西村かの選択は難しいのではないか。
周りの自治体も竹山さん応援だ。
関西広域連合会の井戸兵庫県知事は、道州制に反対している立場もあり「堺を残す」と竹山さんを支持する。
こんな状況下で、堺市長選をやって竹山さんが勝てば大阪都構想は頓挫(?)、橋下さんの求心力は落ち、日本維新の会は分裂、解体の道を進むのか。
逆に西村さんが勝てば、大阪都構想は一歩前進するが、こんな状態で住民投票しても住民は選択に困るのではないか。
「堺はなくさない」、「堺をつぶすことはない」だけの争点で本当に良いのか。
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