テレビ朝日 報道ステーション 2013.9.26 |
海外へ原発や新幹線を売りまくる日本のトップセールスマン安倍総理がNY訪問で、世界経済回復には「Buy my Abenomics」の3語で十分だと言ったそうだ。講演では、まだ日本の国会で議論もされていない「大胆な減税」などの発言が飛び出し、国際公約を御旗に国内で異論も多い大企業寄りの税制改革を進めようとしている気がする。
何やら民主党政権時の総理がやった財政再建→消費税増税の同じ手口を使っているのではないか。
チョット気をつけて見ると、野党生活の経験から自民党の政策は「国民目線」に変わったと衆院選で有権者に訴えていたが、今の安倍政権はその「国民目線」とはかけ離れた政策へ舵取りしたように思える面も見えてくる。
安倍総理のNYでの発言をテレビや新聞で拾ってみた。
レーガンやキッシンジャーなどに次いでハーマン・カーン賞をもらったという。ハーマン・カーンと言えば数十年前、「これからは日本の時代」と日本礼賛論を打った未来学者で私も当時出版本を購読したが、今は私の本棚にはない。「日本が元気になって世界をリードせよ」とでも言っているのだろうか。
安倍総理は2度目の登板と言い、日本経済の惨状たるや余りにも深刻で再度選ばれるきっかけになった。「私の射込んだ3本の矢は具体的な成果に結実しつつある」と自画自賛した。
世界経済回復には3語で十分、「Buy my Abenomics」と言い、日本がもう一度儲かる国になる「Japan is back」とも言い、規制改革をその突破口にするというのだ。「実行なくして成功なし」、アクションこそ成長戦略とも言い、意気込みを覗かせた。
米の経済界もアベノミクスで、「日本が再び本物のグローバル経済の一員として歩み始めた」と評価する。でも、国内ではグローバリゼーションが格差拡大に繫がり社会問題化している。「良き日本的経営」への見直しも経済財政諮問会議で議論に上がってきたほどだ。
更に安倍総理は、我が国への投資を喚起するために「大胆な減税」にも言及した。
法人税、実効税率下げ、復興法人税廃止を総理は念頭に置いているが、自民党税調、財務省と考えに相違が見られる。
アベノミクスもここまでくると企業の投資意欲を改善するしか策はないので、必死に企業、中小企業向け税制優遇策を煽っているが、本当に日本の企業は他国に比べて税金が高いのかというと諸々の税制を勘案すると、そうでもないらしい。そこのところをはっきりさせずに国民にのみ増税を強いているのではないか。
経済界も賃上げに前向きな動きもあるが、それも法人税下げ、規制改革などの結果次第だという。
そして更に、一定の年収のある場合、労働時間を規制せず、残業ゼロの解雇特区も国家戦略特区関連法案で出てくるらしい。これも大企業向けの政策だ。
なりふり構わぬ企業優遇政策だが、アベノミクスも賃上げで家計に再分配しなければ、国民の信任を失うとして、賃上げした企業への法人税減税を検討しているらしいが、その適用条件も緩和するらしい。
その一方で、消費税増税、社会保障の見直しなど国民への負担を強いている。
安倍総理にとっては、国民の生活より「アベノミクスの信任」こそ重要課題と見ているのではなかろうか。アベノミクスが信認を失えば安倍政権など一遍に吹っ飛ぶのだ。
時間が経つに従って、安倍政権の政策は「国民目線」から遠く離れていき、旧態依然とした自民党の企業、富裕層のための政治が垣間見られる。
米国での発言が、これからの国会審議にどう影響するか。集団的自衛権行使容認に向けた動きを含めて圧倒的多数の議席を背景にタカ派的動きも見せるが、国民目線から離れると大きな落とし穴が待っていることを忘れてはいけない。今は政策で安倍内閣は支持率が高いのだ(各メデイアの世論調査より)。
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