2018年4月30日月曜日

官僚の不祥事追求:国会審議より「合同ヒアリング」の方が面白い


野党要求が受け入れられず国会審議は中断しているが、官僚不祥事で野党議員と官僚で行われる「合同ヒアリング」の方が面白く、役立つのではないか。野党議員がそれぞれ交互に質問を浴びせ官僚が慎重に答弁する「合同ヒアリング」はさながら民主党政権時代の「事業仕分け」を思い出す。

野党議員は核心を突く質問をするが、審議官クラスの官僚の答弁は言質をとられまいと慎重だ。ダラダラ屁理屈を言ってはぐらかす手法は事業仕分けと変わらない。

与党には「国会で審議しろ」「職場放棄だ」「パワハラだ」と批難するが、国会審議が埒があかないから「合同ヒアリング」をやっているのではないか。

批判する前に国会審議のあり方を見直すべきではないのか。今の状況は「やらせ質疑」ではないか。質問者は予め質問事項を提出し、官僚が答弁書を作成、国会審議では棒読みする。万一、質問事項になかった事項では「予め提出されていなかったので」と答弁を回避する。総理や所管大臣がそんな事で良いのか。

「合同ヒアリング」ではどんな質問が飛んでくるか分からない。だから真剣勝負なのだが、最終決定は出席者では出来ない難点がある。

どうしてこんな事になったのかと言えば、国会改革での小沢さんの提案なのだ。

今までの国会審議で質問しても大臣が答弁出来ないときは「詳細は参考人に答えさせる」と出席している参考人に振る事が出来た。そこを「大臣は仕事をしていない。自分で答弁出来なければいけない」と言う事で大臣が答弁することになった。

そこで、分厚い答弁書を官僚に作成させ、委員会で棒読みする事になったのだ。小沢さんの改革は「人にはやらせて自分ではやらない」という悪評が立った事があるが、小沢さんが大臣になったことはないのでどうしたかは分からない。

又、NHKの国会審議を聞いていると、質問者はフリップを用意し、自分が質問することをわかりやすく資料を見せているが、大臣の答弁は何を言っているのか分からないことが多い。質問者は選挙区向けに工夫しているのだろうが対応する大臣の答弁もわかりやすくする工夫が必要ではないか。

国会議員や大臣は普段どんな仕事をしているのか。森友問題に関して麻生さんは経緯を余り知っていないようだ。5年も在位していて財務省で何が起こっておいるか把握していなかったのではないか。「安倍総理もそんな事をしているのか」「昭恵夫人の問題だろう」程度にしか思っていなかったのではないか。

希望を持って議員になった若手が述懐していた。

自民党は議員数が多いので希望の委員会委員にはなれない。したがって興味のない委員会の所属する事になる。委員会でも質問は先輩議員だ。結局の所、何をやって良いのか分からないと言うのだ。そこで仕事以外でがんばり不祥事を起こす。〇〇チルドレンと言われる議員は質も悪い。

自民党では大臣待機組が多いという。野党時代が長かったので大臣になるチャンスが減ったためとも言われているが、能力のありそうな人材は出払って待機組はなにかの問題を抱えているのではないか。失言で引責辞任後の新しい大臣も同じような失言をする。

「合同ヒアリング」を批判する前に今の国会審議のあり方を見直した方がいいのではないか。


2018年4月29日日曜日

南北首脳会談(3):一番のシーンは「徒歩の橋」での2人だけの会談だ

テレビが伝える「徒歩の橋」での2人だけの会談

今回の南北会談では記念になる数々のシーンが演出されたが、私が一番注目したのは境界線が通っている「徒歩の橋」での2人だけの会談だ。メデイアによると眉間のしわを寄せ、手振りを交え、飲み物にも手を付けなかった程真剣な会談だったようだ。

この場面が一番核心になる話が出来た場面だったのだ。

29日の午後、安倍総理が会見し文・大統領から連絡があり拉致問題を話したという。詳細についてはこの場では言えないとしたが何らかの金委員長の考えを得たのだろう。

日朝問題は重要な課題だ。南北融和策としてオリンピックへの統一チーム構想は東京オリンピックでも出てくる。さらに制裁解除、経済支援という段階になると日本からのカネが期待される。日本外しは出来ないことを説得したのではないか。

眉間にしわを寄せた場面もあったと言うからには拉致問題もこの場面だろう。

更に板門店宣言では曖昧になっている「朝鮮半島の非核化」の真意と具体的進め方だ。在韓米軍をどうするか、核開発は止めても核保有国は継続するのか。ミサイルもアメリカまで届く性能のモノは止めてもそれ以下の性能のモノをどうするのか。これは日本ばかりでなく、中国、韓国、ロシアにも言えることだ。

そして中国、ロシアとの関係もあるだろう。急遽中朝会談を実施し中国の支援を得ることが出来たが、ロシアとの関係は金王朝を築くきっかけにロシアがあるのだ。

肝心な事は「徒歩の橋」で話し合われ結果はトランプ大統領に伝えられたはずだ。

トランプ大統領は表面上は成果を願っているが詳細は厳しいとみているのではないか。楽観論と慎重論が入り乱れた米朝会談前夜だ。


今日の新聞を読んで(153):アジアの中で嫌われる中国、期待される中国


ASEANの中の中国の存在は嫌われる中国、反対に期待される中国の二面性を持ちASEAN諸国の対中政策もまとまらない。国連安保常任理事国で世界の平和を維持する責任が有りながら自ら紛争の当事者になる。一方、中国国内の巨大な市場、中国の資金力に期待する向きも大きい。

昨日閉会したASEANでも中国に対して昨年の「関係改善」から「信頼と信用を失う」と軌道修正した。議長国の意思も大きく働く。

24日にはベトナム漁船が中国漁船に体当たりされ沈没した事件が起きたが、同じような違法行為が繰り返されている。何処の国か忘れたが中国漁船を爆破した国も出て来た。会議直前にやってしまう中国の横暴さ丸出しだ。

日本の尖閣諸島周辺での領海侵犯、漁船や公船による威嚇行為も「尖閣は中国の領土」と主張する。周辺海域に資源が埋蔵されていることが分かればその行為もエスカレートする。

国連常任理事国としても矜持などない。逆に拒否権を乱用し国連の批難を回避する手段出でる。

一方で、貿易やAIIBで豊富な(?)資金を利用して覇権主義に走る。一帯一路、海のシルクロードと言いながら中所得国へ経済援助する格好で港湾建設し軍事化を目指している。巨額の資金援助を返還出来ないときは港湾施設周辺を取り上げ中国の領土化するのだそうだ。

対米貿易赤字が問題になっている。トランプ大統領は搾取していると言うが、クルーグマン教授は日本や韓国から最先端部品を輸入し加工し輸出しているだけだという。

専門家はこのまま行けば2030年代初めにはGDPで世界一位になりIMFの本部がワシントンから北京に移るという。中国は出資金を増やし国際機関の主導権を握りアメリカに取って代わろうとしているのだ。

何年かして政権が変わり中国の財政収支を見ると驚くことに巨大な債務国になっていたと言う事にならないか。それも習政権が終わる7年後のことだ。

兎に角、中国の言動には要注意だ。

南北首脳会談をどう見る(2):米朝会談への橋渡し、後はトランプ大統領次第か


27日の南北会談をどう評価するか、米朝会談への橋渡し、板門店宣言はお互いに朝鮮半島の問題を整理しただけで後はトランプ大統領次第と言う訳か。文・大統領は会談成果に舞い上がるが第一歩を踏み出しただけでこれから長い交渉事が進む。米朝会談が失敗すれば圧力は最大限になろうが、過去には失敗した例も有り余談は許さない。

新聞報道によると、トランプ大統領は「北朝鮮の問題の解決は私の責任」とまで言い出した。特に非核化は南北会談でははっきりせず、トランプ大統領の直接交渉になる。

金委員長は「朝鮮半島に非核化」と抽象的に言うが在韓米軍も含まれるのか、北を核保有国と認めるのか。トランプ大統領にとっては難題だが米朝会談が行われると言うことは水面下である程度の了解は出来ているのか。それとも今後の課題になっているのか。

南北会談では決められない内容を含んでいるのだ。

更には米朝韓だけの問題ではない。隣接国の日本、中国も含まれるし北朝鮮に金王朝を樹立させたソ連の意向もあるだろう。北中韓vs米、北中韓露vs米の構図のようだが日本も含めた6者協議が基本ではないか。

心配なのは、世界の平和は中露vs米国の構図で失敗する例が多いことだ。国連常任理事国の事を考えてみよ。

北は口うるさく制裁強化を訴える安倍総理、拉致問題解決を主張する日本を煙たがり「日本外し」を画策するだろうが、大間違いだ。

南北融和の象徴としてオリンピック統一チームを提案したが、IOCバッハ会長を通じて東京オリンピックにも参加を希望している。でも日本には拉致問題を解決しろという大きな問題を抱えている。先日、小池都知事がその点を指摘していた。スポーツを根拠に北がごり押ししてくる恐れはある。日本の姿勢が問われるのだ。

また、制裁緩和、経済支援が北の大きな課題になるだろうが、日本に「カネを出せ」と言ってくることも考えられる。トランプ大統領はそこのところを考えているのか。日本はカネだけ取られて何の得策もなかったことは歴史が教えている。

しかし、南北会談の成果に疑問を投げかけるメデイアも「新しい朝鮮半島の歴史の始まり」である事に間違いはないという。確かだ。

2018年4月28日土曜日

土俵上での「女人禁制」:どうして嫌がることを強要するのか


土俵に女性を上がらせない女人禁制の伝統(?)を日本相撲協会は何処まで守れるか。逆に嫌がることを巡業先の女性市長は「土俵上で挨拶させろ」とどうして要求するのか。相撲協会が嫌がるのだから強制せず、NO2などの助役が代行出来ないのか。

舞鶴市での春巡業で土俵上で挨拶していた市長が体調不良で倒れたときに女性看護師が救急治療で土俵上に上がり人工呼吸を施していたときに行司が「女性は土俵から降りて下さい」と再三にわたり注意したという。

緊急事態の時に伝統を優先するのかと物議を醸し、日本相撲協会の八角理事長は関係者に謝罪したと言う。

ところが、巡業先の宝塚市でも女性市長が「土俵上で挨拶させろ」と物議を醸したという。過去にも女性大阪府知事が優勝トロフィー授与で上がろうとしたが相撲協会が拒否した例もあった。今回もその話が持ち上がっていた。

いずれも土俵下での女性市長の挨拶でかわしたようだが、そんなに大事な事なのか。

相撲協会は「国技としての伝統」(?)を守るために嫌がっているのだろうが、「挨拶させろ」と要求する方も問題ではないか。

そんな市に巡業しなければ良いのだし、嫌なら呼ばなければ良いだけの話ではないのか。

「こども相撲」で女の子はどうなるのかと言う。上がってはいけないのであれば女の子は参加出来ないことになるが、相撲の好きな女の子には気の毒な話だ。

これからの相撲人口、相撲人気を維持するためには「女性、女の子が土俵上に上がってはいけない」事など何とかしなければならないだろう。

1つの方法として国技を返上し女性も土俵上で競技できるようにすることだ。プロレスだって女性が人気を表している。

法の下では男女平等だが嫌がるモノに無理強いすることを保障しているとは思えない。

相撲協会の伝統を重視し、嫌なら呼ばなければ良いし、呼びたいのであれば助役など男性に代行させれば良いだけの話ではないのか。

男性ばかりの職場と思っていた分野に女性が果敢に挑戦する姿を見ることが多くなった。先輩男性は当初は「女が」と思っていたようだが、今は良き理解者になっている。

考えてみよう。大相撲のように土俵上で男性力士と取っ組み合いする女性の姿が想像出来るか。

強情張らずにここは我慢だ。

安倍総理は「膿を出し切る」という、その膿は安倍総理自身である事を分かっているのか


安倍総理は今の続く不祥事に「膿を出し切る」と他人事のようなことを言っているが、その「膿」とは自分自身の事であることを分かっているのか。今の国会の空転、官僚達の不祥事、行政の根幹を揺るがす数々の不祥事の原因は誰だって安倍総理自身と見ているのだ。

行政のトップとして責任を感じているのなら「膿」である自分が引責辞任し心機一変やり直すしかないのではないか。今の政局は「信用できない安倍総理」の「他よりはマシな政権」に頼っているから不祥事が出る度に支持率は下落し20%台後半だ。

こうなっても内閣支持率は30%台前半だから内閣支持率+政党支持率が50%台だとすると危険水域に入ってきた事になる。

引責辞任を避け、膿を出し切るには安倍総理自身が相当の覚悟を持って進めなければならない。国民はそれを許すのか。

森友、加計問題は欲深い安倍総理の悪友による利権あさりで真相究明にほど遠い。柳瀬元首相秘書官、谷秘書、昭恵さん自身も国会招致に協力しなければならない。

財務省の文書改ざんも佐川さんだけの責任ではない。民主主義の根幹を揺さぶる事件とは言え真相究明にはほど遠い。

いずれも安倍総理に起因し、忖度行政を強いる結果発生した事案だ。財務省の最高責任者である麻生さんだって「昭恵さんに始まる事案」と認めている。安倍さんのために何故、とばっちりを受け引責辞任を強いられているのかという考えだろう。

働き方改革の裁量労働制は法の目的に反して一般労働より過重労働になり、批判が出ている。急ぐ厚労省はデータを不正に使用した結果、裁量労働制枠拡大は削除された。

国会審議では一般労働より労働時間が少ない。多様な働き方に対応出来るなどメリットを主張していたが経団連の要望にも応えることが出来なかった醜態を演じた。

自衛隊による日報隠蔽は酷い内容だった。シビリアンコントロールが機能していなかったことを大臣自身が認めたのである。防衛省は安倍総理のサプライズ人事で女性を大臣に送り込んでいることに我慢できないのではないか。駆逐艦にハイヒールを履いて乗り込む姿に唖然としただろう。トランプ大統領も女性防衛相を批判していた。

最高指揮官、任命権者として安倍総理の責任は大きい。

野党による麻生財務相の引責辞任の要求は安倍総理は認めているが麻生さんが頑として首を縦に振らない。麻生vs官邸の戦いだ。

文書偽造など続く官僚の不祥事は内閣人事局が問題なのだ。高級官僚の人事が一手に官邸に握られている事に忖度政治が始まった。制度自身は良いとしても安倍政権はこの制度を悪用しているのだ。

日銀の異次元の金融緩和策も安倍総理の意向が大きく影響し緩和縮小、出口戦力が描けない。まず「2%物価目標達成」を安倍総理は条件にしているが、先進国で達成出来なかった2%物価目標を安倍総理が達成したいエゴでしかない。何とか達成しようと亜流経済学者のリフレ策に乗ってしまった。

何とか脱デフレを目指すには今までやったことのない金融政策の採用になったのだろう。非伝統的金融政策と言われる。

アベノミクスはその成果が行き詰まったママだ。市場にカネを流し経済は好転、円安、株高に移行はしたが長続きせず、見直しが要求されている。「アベノミクスの成果を津々浦々まで」「アベノミクスを加速し」など威勢の良いことを言っているが巷間では見直し、破綻が言われている。

片棒を担ぐ黒田・日銀総裁も直にアベノミクス見直しとは言えず、2%物価目標達成時期を明記しないようにした。密かに緩和縮小に向かうのだろうが安倍政権への信頼下落を最小限に食い止めようとしている。

得意とする外交もトランプ大統領頼みが今回の米朝会談を控えはっきりしてきた。トランプ大統領との親友関係も経済では通用しない。貿易摩擦は別問題なのだ。何のために政府専用機を2機も飛ばして何度も往復するのか。

対北での拉致問題もトランプ大統領に頼むしかない。安倍総理は横田さんを見舞うパホーマンスしか出来ないのだ。

安倍総理念願の憲法改正も求心力低下で国会審議も危なくなってきた。自民党は安倍私案を提案しようとしているが自衛隊明記も問題がありそうだ。国民の半分は「急ぐ必要はない」と言うのだ。安倍さんの本音は「自分が最初に改正に手をかけた」という実績が欲しいだけだ。

安倍総理は一強独裁政治を築いてきたが、今はその面影もない。憲政史上最悪の総理の汚名を被りそうだ。

トップダウン政治もバカがやってはいけない。ポスト安倍を狙う岸田さんはボトムアップを狙う。「膿を出し切るには安倍総理の引責辞任しかない」。問題の張本人が居座っていては誰も何も言えない。安倍総理は昭恵夫人が国会招致されるのをけん制するために居座っているとしたら哀れな人間だ。



日銀・物価見通し時期明記せず:安倍政権求心力低下で緩和縮小に転換か


日銀は2%物価目標達成時期の見通しを明記することを止めた。安倍政権の求心力低下で安倍総理が求める目標達成を諦め異次元の金融緩和策の転換で出口戦略を目指すのか。

2%目標を断念したと言えば安倍政権のアベノミクスの破綻で有り安倍政権への影響は大きいが、達成時期の見通しを明記しないことで安倍政権への批判を最小限にしたいのではないか。

しかし、日銀の審議委員はリフレ派が勢力を持つ。何時黒田総裁が安倍総理と袂を分かつかだ。

新聞報道によると27日の決定会合で19,20年度の物価上昇見通しを1.8%とするが2%にはほど遠い。見通し明記を削除した中期的目標にすることになり、任期が来て辞任した木内委員が主張していた通りになる。

でも2%への勢いが維持されているかどうかで追加緩和を考えるともいう。もう市場は日銀の期待感などに答えてはいないのだ。

短期金利-0.1%、長期金利0%程度を維持するとも言う。米国は長期金利3%を突破するというのでドル高、円安傾向になるのか。

先進国は2%物価目標を諦め緩和縮小策に出ているが、安倍総理は何故か拘る。世界の先進国で達成出来なかった2%物価目標を自分は達成したいエゴからではないか。

日銀は苦悩している。国債を多量に買い込むことで日銀の経営も大変になるし、マイナス金利は地方銀行の経営に影響している。国債市場、株式市場も「見えざる手」が働かない。

安倍総理、日銀の金融政策は今後国民に大きな負担を強いることになる。

朝日新聞2018.4.25の「平成とは 財政危機」で国の借金は対GDP比230%、戦時中でも200%だったのでそれよりも悪い「第2の敗戦」と警告している。
日銀は独立性を取り戻せ。今言えることは白川前総裁の方が良かったのではないか。野田政権末期以来、政府は日銀を脅し続けてきた。総裁、副総裁、審議委員の任命権を持っているために政府の言いなりになったのだ。

内閣人事局の設置で高級官僚の人事権が政権に握られ今の不祥事を作り出している。金融政策の失敗で国民に与える苦難は不祥事以上のモノがある。

2018年4月27日金曜日

南北首脳会談(1):金委員長の笑顔、メッセージ、サプライズに隠された手強さ

境界線近くで握手する金委員長と文大統領
2018.4.27 テレビニュースから

南北首脳会談で板門店に来た金委員長の振るまいが全世界を駆け巡っているが、その笑顔、メッセージ、サプライムに隠された強かさ、手強さを何人の人間が知ったか。自分の体制が窮地にかかったとみると手のひらを返したように軟化出来るものか。今までの北のニュースで見る金委員長の言動に別人ではないかと疑いたくなる。

文・大統領と握手する笑顔、挨拶、ハプニングへの対応に北は変わったと識者は侮れないと言う。頭の回転の速さは手強い相手だというのだ。

境界線近くで文・大統領が「私は何時北に行けるか」と発言すると金委員長は「今行きましょう」と2人手をつないで境界線をわたるハプニングまでやったのだ。

挨拶では金委員長は「お会いできて本当にときめきを押さえきれない」「歴史的場所で出会った」「出迎えて下さって感動的です」などこんな言葉が今までのことで想像できたか。

大事な南北朝鮮にとっては大事な会談でありながら「お祭り騒ぎ」の感が強い。金大統領がどう来るか、文大統領がどう迎えるか、リハーサルを繰り返したという。事務方も大変なのだ。チョットのことで気分を害されてお流れと言うこともあったのだろう。

会談は「経済」から「非核化」「成長」に移る。

非核化の本音は? 金委員長の真意は? トランプ大統領はどう見るか。過去の失敗例から楽観は出来ない。慎重論も強い。非核化の真意が分からないからだ。

共同声明も発表されると言うことはすでに事務折衝で大筋で了解されていると言うことか。肝心な所は玉主色の表現で逃げ切る。実績は「やった」と言う事なのだ。

日本政府は右往左往する。28日は文大統領が安倍総理と電話会談、河野外相が韓国、米国を訪問するという。

演出は行き届いている。男女の子どもが花束贈呈したが、38度線から一番近い村の子ども達だという。「新しい時代を開いていこう」というのだろう。

疑心暗鬼の国からこんな笑顔が生まれるのか。笑顔に何か隠れている。そんな気がしてならない。今までも最初は笑顔、最後は破綻の歴史の繰り返しなのだ。

巨大津波防災:大川小学校審判下る、東電・旧経営陣はどうなる


読売新聞 2018.4.27
今日の新聞で大川小学校の防災に対する仙台高裁の審判を読んで、今審議中の東電・旧経営陣に対する福島第一原発事件で「知らぬ存ぜぬ」で責任回避しようとする旧経営陣に厳しい判決も予想される。

問題は予見可能性だろう。たくさんの子供を預かる学校、危険である原発事業者には特段の注意義務が課せられるが、今までの例では責任を問われるのは現場の担当者であり課長クラスの管理職だった。しかしこれからはそうはいかないのだ。

大川小学校の児童、教職員のうち23人の児童の親が賠償請求した裁判で仙台高裁は防災対策の不備、教育委員会は指導を怠ったとして144000万円の賠償を命じた。原告側勝訴だ。

判例では高い防災意識と経験、ハザードマップを信用せず独自の検討の必要性を問うた。

一方、今係争中の東電の旧経営陣に対する裁判では15.7mの津波予測が政府機関から発表されており若手技術者が検討した結果、防潮堤の強化が必要となり社内会議で何度も提案したが武藤副社長(当時)は先送りを決定、おまけに他の事業者にも伝達したという。

どういう理由で最終的には誰が決定したかわわからないが、技術者は「必要性はあるが、やらなければならない合理性はなかった」という。政府機関が発表した予測に当時は合理性が見いだせなかったというのだ。

しかも防潮堤の増強には80億円の建設費がかかるとみともられていた。この費用を経営陣は渋ったのか。

実際には、3.11東北地方太平洋沖地震が発生、巨大地震は巨大津波を伴い襲い掛かった。貞観地震の再来で対策を怠っていた東電・福島第一原発がメルトダウンで甚大な放射能事故を拡大させた。

あの時、80億円かけて防潮堤を強化していればこれほどの被害は出なかったかもしれないという悔やみが起きる。
でも東電旧経営陣は事故を詫びながらも「知らぬ存ぜぬ」で責任を回避しようとしているのは裁判上のテクニックなのか。

巨大地震→巨大津波を予測し、避難計画、避難訓練の必要性は当然だ。自治体の予測であるハザードマップも鵜呑みせず独自の検討が必要であるということは多数の人命を預かる機関にとっては安全対策の必須条件なのだ。

また、学校、教育機関とは違って原発設備を運転する事業者には特段の注意義務が発生するのも当然だ。

東電の福島第一原発は甚大な被害を受けているが隣の福島第2原発、東北電力
女川原発は被害も少なく、女川原発は儒民の避難所の役目を果たしたという。

その違いはどこにあったのか。

教育機関にも大きな刺激にあるだろう。

「いじめ問題」が発生してもなかかなそれを認めない。保護者から厳しく追及されると渋々再調査し、「いじめがあった」と認めるだらしなさだ。校長、教育委員会が裏でどう打ち合わせしているかわからないが、そういう教育現場に防災対策を要求するのだから大変だ。

おそらく最高裁まで行って、「差し戻し」か、「破棄してやり直し」になるだろう。

検察官には一体の原則があり日本中で同様の事案は同じように処理されるが、裁判官には「それぞれ裁判官の心証に頼る」ことになり判決内容も違ってくる。

「裁判官の数だけ判例がある」のだ。他人事ではない。注目だ。


2018年4月26日木曜日

安倍総理の「黒い霧」解散?:600億円で疑惑をぶっ飛ばそうとでも言うのか


森友、加計問題、自衛隊の日報隠蔽、財務省の文書改ざんは安倍総理自身の関与する疑惑事件である「黒い霧」を600億円というおカネでぶっ飛ばそうとでも言うのか。総選挙には600億円かかる。それでも自民党の森山国対委員長が内閣不信任案でも出されれば解散という手もあると言いだした。

麻生財務相引責辞任、文書改ざんの月内調査報告、柳瀬元首相秘書官の証人喚問など野党要求に自民党がゼロ回答していることで野党が硬化し国会審議が中断している。

安倍総理が絡む疑惑事件から発生している諸問題の解明が先か、国民の生活に関係する働き方改革など山積するテーマの審議が先か。世論調査では国民の判断は五分五分だが民主主義の根幹を揺るがす公文書改ざん、コンプライアンスが出来ていないことが明らかになった自衛隊の日報隠蔽事件、官庁中の官庁である財務省の体たらくによる麻生財務相引責辞任要求は解明を含めた再発防止策の検討は最重要課題だ。

今後も安倍政権に政治を担当させる是非が問われるのだ。

今日の衆議院で安倍総理は「解散は私に頭に中に全くない」と言うし、二階幹事長は「幹事長の知らない解散はありっこない」と火消しにおおわらわだ。

先の総選挙からまだ6ヶ月しかたっていないし、実施すれば必ず自民党は議席を減らす。政権交代することは絶対にないだろうが自民党優位には変わらないだろう。

テレビの情報番組は佐藤内閣の時の「黒い霧」解散を例に出すが、今回は安倍総理の疑惑事件に絡んだ「黒い霧」解散と言っても良さそうだ。日本の憲政史上稀なる総理夫妻による大疑獄事件なのだ。

解散総選挙は総理の専権事項、立憲の枝野さんは「内閣不信任案」は最善の場面で使うと言う。

働き方改革関連法案の国会本会議で「内閣不信任」案の提出が考えられるが今の状況で安倍総理が国会突破の求心力を保てるか。

結局は自民党総裁選で3選を目指せるか、自民党の浄化作用が働いて「安倍おろし」が始まるか。安倍右翼政権に愛想を尽かされ保守系リベラル政権が生まれるか。

自民党、公明党の真価が問われるのだ。

週刊誌が政治家や官僚の姿勢を正すことが出来るか


週刊誌が政治家や閣僚の姿勢を正す役割を果たせるか。地検特捜部より週刊誌の方が政治家や官僚の不正、不祥事をあぶり出している。勿論捜査権を持つ地検が自由に動けることは出来ないが、週刊誌に後れを取っているのでは「バッチを捕りに行く」という特捜部の役割を果たしていないのではないか。

週刊文春が林文科相が公務の合間に公用車でヨガ通いを暴露された。ウン悪いことに国会で文科省が野党の追及を受けていた時の不祥事だ(?)。

林文科相は早速謝罪会見を開き、キャバクラのような所ではないと弁解、謝罪の言葉は何故かペーパーの棒読みだ。例に漏れず文科省の関係官僚が雁首そろえて言い訳を書いたモノを読み上げていたのだ。

我々の官僚を自らの不祥事の対応にしようするなどもってのほかだ。何と考えているのか。

週刊新潮は今問題になっている財務省の福田事務次官のセクハラ行為を暴いた。福田さんは例に漏れず「やっていない」という。週刊誌によると財務省の記者クラブの女性記者を夜中に電話し会う約束をしたらしい。女性記者は財務省の文書改ざん、佐川さんの問題で何か情報を得ることが出来るノではないかと期待して数回福田さんにあったらしい。

ところが回数を重ねる毎にセクハラ行為が目立ち、怖くなって録音、テレビ朝日の上司に相談したが埒があかず録音テープと一緒に週刊新潮に情報提供し記事にされたようだ。

福田さんは最初は否定していたが、内容の全体を読んで欲しいと訳の分からないことを言い、結局は「仕事に支障がでた」と辞任した。

テレビ朝日、被害女性記者の処置の是非が問われているが、「公共の福祉」を考え正当化しようとしている。私も問題はあるが仕方ないことだと思う。

こう言う不祥事が出てくるにつけ、週刊誌はどうやって情報を得ているのか疑問に思う。ピンポイントで張っていれば当たる事を考えると誰かが情報を流しているのだろう。
相当前だったと思うが、地検特捜部の人に「検事さんも情報を求めて町に出るんですか」と聞かれたときに「情報を求めて出ることはありません。新聞、週刊誌、スポーツ新聞などを読んでいます」ということだった。週刊誌などが釣り上げた獲物を行けるかどうか判断しているのだ。

森友問題でも活躍した安倍総理夫人の昭恵さんの言動を週刊誌は詳しく記事にしている。夫人が国会に証人喚問されないよう踏ん張っている安倍総理が哀れだ。

夫婦仲の悪さ、嫌悪な嫁舅のなか、離婚の危機と詳細に報じる。安倍家の家庭内問題が、このような異常な政局を生んでいるのか。

良くある事だが、チラッと新聞に載った記事が、後日週刊誌の記事で「そうだったのか」と納得のいくことが多い。新聞も知っているだろうが書けないことを週刊誌は書けるのだ。

そもそも政治家や官僚の不祥事は永田町、霞ヶ関では以前から有名な話だった事が多いようだ。だから「敵に刺される」事があるのだ。麻生さんが福田さんのセクハラ行為を「はめられたという説もある」と会見でしゃべり顰蹙を買っている。

今、政治家、官僚の質が低下している。永田町、霞ヶ関を浄化するのは週刊誌に頑張ってもらうしかないのだ。

2018年4月25日水曜日

新党名は国民民主党:もう後がない、去る者は去れ、残る者は大同団結を


民進党と希望の党との新党は「国民民主党」に決まったという。希望の党には分党する者も出てくるようだが、去る者は去れ、残る者は大同団結を。新党に合流してまでゴタゴタが続くようでは国民の信頼を得ることは出来ず、最後は数人の少数政党の乱立になり選挙の度に消滅への危機となる。

政党支持率が0,1%の党が合流しても大した成果は出てこないと思っていたが、小池さんとの関係も一旦切り原点に立ち戻り再結集、政権交代をもう一度目指すらしい。国民主権、国民生活、国民経済を信条とするらしい。

ところが松沢さん、長島さんが相変わらず分党を主張し離れるらしい。松沢さんは民進党の時から「分党し出直せ」と主張していたが自らは行動せず小池新党に移った。

もう一つ、細野さんらの結党グループもどう行動するのか。

小池新党構想に安易に組み付いたことから再度の分党騒ぎになっているが、民進党時代からしっかり考え行動していたらどうなったのか。

問題は分党者が出ても立憲民主党の議席を上回り野党第一党になれるかどうかが重要な点になる。

中道改革政党を目指すと言うから立憲民主党と被るところがある。今は立憲も政党支持率10%を得ているが今後は国民民主党との戦いになる。吸収合併もあるノではないか。

大きな政策に「2030年代に原発ゼロ」「安全保障も現実にあった見直し」を提唱するらしい。

自由民主党とも戦い、政権交代を目指すなら現実路線も容認しながら「国民第一」政策を掲げて欲しい。

大事なのは大同団結だ。残留を決めても好き勝手なことを言うようでは国民の信頼は取り戻せない。

新聞の功罪:国内外の情報を正しく伝えているか、その多さにうんざりしないか


新聞の功罪を確かめなくてはならない時だ。国内外の情報を正しく伝えていると思うが、安倍さんの友達から出て来たモリカケ問題、自衛隊の日報隠蔽事案、財務省の文書改ざん、セクハラ事件そして北朝鮮を軸に急展開する「非核化」、南北会談、米朝会談に関連しメデイアが流す情報の真意は別として余りにも多さにうんざりしないか。

そして為政者によるメデイア批判が噴出して来た。安倍総理は朝日新聞を嫌い、読売新聞であろう事か憲法改正の私案をインタビュー形式で報じた。最近では下村元文科省が「日本のメデイアは日本国家を潰すために存在しているのかと最近つくずく思う」と講演会で発言したらしい。その前提にはメデイアによる改憲案批判があったようだ。

政府は自分たちの政策を伝えてくれメデイアを望んでいるのだ。中国やロシアのメデイアを念頭に置いているのだろう。放送法の改正も持ち上がっていた。
しかし、そういうメデイアが欲しいのなら作ったらどうか。そして民間メデイアが情報にどう反論するかによって私たちは政策の是非を比較することが出来るメリットがあるのではないか。今は読売新聞がその役目を果たしている。

でも、自民党内にも良識はあるのだ。竹下総務会長は「メデイアの一番の重要な仕事は権力に対するチェックだ」と正当論をぶっていた。「大臣、首相は政治責任を負う」とも言い切った。

丁度今、加藤先生の「社会学」(中公新書 2018.4)を購読し始めたが「新聞の功罪?」という章を読む機会があり、寺田寅彦博士の随筆「1つの思考実験」も読み返した。

寺田寅彦博士は「いろいろな不幸や不安の原因のかなりの部分が新聞というモノの存在と直接関係を持っているように思う」という。大多数の人は新聞記事の正確さの「程度」を飲み込んでいて、いつも安全係数をかけた上で利用しているという。

加藤先生も私たちが持っている様々な意見のほとんどは新聞記事の関数なのだという。

私たちは新聞やテレビを頼りにしているのだ。テレビの情報番組はほとんどが新聞記事の紹介で要所要所を取材し番組を作り上げている。どのテレビ局(NHKを除く)も同じ事をやるから「メデイアの数だけ情報が作られる」のだ。

加藤先生は小さなコミュニテイーの「世間話」がメデイアの発達に従って国内、海外へ拡散するようになった。数々の世間話のどれを伝えるかはメデイアの取取選択されるから「党派性」が出てくるという。

それは仕方ないことだろう。新聞社の考え方も報じなければならない。そこを判断するのは読者の知識だ。鵜呑みにしないことが大事なのだ。

新聞は三権を支配し「第4の権力」となり、「社会の木鐸と言い手放しでは自慢できない」事態になってきたのだ。

極論すれば戦争を仕掛けることもできるのだ。アメリカと北朝鮮のことを考えれば理解出来る。新聞は今は「対話重視」、米朝会談に期待しているが、つい先日までは斬首作戦、ミサイル攻撃など強硬路線が報じられたこともある。シリアのミサイル攻撃、イラクへの軍事介入などメデイアも煽った形跡がある。

寺田寅彦博士は新聞を日刊ではなく、週刊にしたらどうかと提案している。そうなれば毎日の煩わしさも解消し、問題も一々行方を見るのではなくある程度まとまったところで判断することが出来る。

経済だって毎日の株式も世界情勢によりコンピュ-ターで瞬時に自動売買すると乱高下を繰り返し「世界経済は混沌」と不安になるが1週間後のまとめであれば比較的安定するのではないか。ただ瞬時に大儲けしようとする輩には不満だろう。

毎日3件ほどの悲惨な殺人事件が発生している。次々に新しい事件が出るので殺人事件が増えているのかと思っていたが、日に3~4件発生しているのだ。殺人事件の報道、テレビの刑事物(殺人現場)の氾濫は人を殺す事に抵抗がなくなって来るのではないか。

有名人の離婚、結婚、不倫、できちゃった婚は若者の風紀を乱す要因になっていないか。「のぞき見」は興味のあるところであるは道徳上は問題ではないか。

麻生財務相はメデイアを目の敵にしている。囲い込み記者会見での「朝日か」「NHKか」発言は大臣失格ではないか。安倍さんも朝日を初め自分に批判的なメデイアを敵視している。

自民党・竹下総務会長の発言は重く受け止めるべきだ。


2018年4月24日火曜日

安倍総理、黒田総裁 もうあなた方の「期待感」の煽りに乗らないぞ!


安倍総理、黒田総裁 もうあなたの「期待感」を煽るだけには乗らないぞ!大きなことは言うが結局は達成出来ず成果は先送りされる。「日本経済再生はあなた方の口数だけある」ということにならないか。

「アベノミクスの成果を津々浦々まで」、「アベノミクスのエンジンを加速させ」とか「まず2%物価目標達成を」と言う安倍総理の言葉を聞く度に現状はどうなっているのか疑問が起きる。

安倍総理が言う経済指標の好転も私たちの実生活にはピンとこない。

国連で「バイ マイ アベノミクス」と豪語した安倍経済学も得体に知れないモノになった。正統派経済学者はこの金融政策を非伝統的金融政策をいう。海外の中央銀行も「2%物価目標」を目指し金融緩和を実施していたが目標未達でも出口戦略に向かった。


リフレ派経済学を推奨した浜田内閣府参事官も「雇用が改善したのだから良いだろう」と言い出した。

一方、黒田総裁は5年前に「2年で2%」と威勢の良いこと言い市場にカネを流し2%物価目標をたった2年で達成することに自信を示したが、6回も先送りし19年頃と言い出した。

6年も成果が出ていないのだから金融政策が間違っているのではないかと思うのだが異次元の金融緩和策を継続するのは日銀だけになった。先送りの要因を消費税増税のせいにする。

国債の大量買い入れは政府の赤字を補う財政ファイナンスとみなされるし、株の購入は官制株価と批判されている。国債の下落、株価の下落は日本経済に計り知れない苦難の道を歩ませる事になるかも知れない。

今は、消費税増税より財政出動だと世界的権威の経済学者も言う。安倍総理も経済成長優先だから耳触りは良かろう。

97兆円もの一般会計の他に景気対策で補正予算も組む。これが全て赤字なのだ。「財政再建の逃げ道」と言われている。

黒田総裁は異次元の金融緩和策も時間稼ぎ、規制緩和など成長路線の促進を訴えていた。

その規制路線も思うように行かないと思った安倍総理は戦略特区構想で規制の岩盤に穴を空けようとしたがあけてみれば森友、加計学園疑惑という安倍総理の悪友が受益者になる結果に政治が揺れている。

安倍総理、黒田総裁の言動を何処まで信用できるか。国民、市場に「期待感」を煽ってももう効き目はない。

今日の新聞を読んで(152):安倍総理は今の政局の実体を把握しているのか


安倍総理は現在の野党の国会審議拒否、森友、加計問題での財務省の混乱の実体をどう把握しているのか疑わしいニュースに唖然とする。

自民党二階派のパーティ-で「これからも国民の負託に応え責任を果たしていく決意」を表明し自民党総裁選3選をも目指すと言うのだ。

「行政のトップとしてこれらの不祥事の責任は私にある」と言いながら自ら引責辞任するのではなく、再発防止を図るというのだ。それが自分の責任と思っている。

安倍総理は信頼しているという柳瀬元秘書官を82%の国民は納得していない。福田前財務事務次官への対応は76%の人が適切と思っていない。森友、加計問題、公文書管理問題では安倍総理の責任は「大きい」と74%が思っている(読売新聞2018.4.23)。

安倍総理は自分には関係ない事と思っているだろうが国民はそうは思っていないのだ。それでも世論調査では自民党支持率が30%を越えている。そのことが安倍内閣を支持していると誤解しているのか。

現在の政局は憲政史上まれに見る安倍総理夫妻による大疑獄事件だ。「解明を徹底すること」と、「他にも審議すべきことがあるだろう」と国民の考えも拮抗している。

しかし、この政局の混乱を解消するには安倍総理自らの引責辞任しかない。安倍推す理が止めても政治的に困ることはない。


2018年4月23日月曜日

野党の国会審議拒否、大臣の海外出張不承認は「国益」に反するのか


森友問題解明に関連する野党の要求に自民党がゼロ回答、トップとしての責任が追及されている麻生財務相、小野寺防衛相の海外主張の不承認は本当に国益を害することなのか。「国会でしっかり審議すべきだ」、「森友問題以外に国民生活に影響する政策があるだろう」と一部議員、専門家は批判する。

本当にそうか。「国益」とは何なんだ。

憲法前文に、国政について権威は国民に由来、権力は国民の代表が行使、福利は国民が享受すると書いてある。辞書を引くと「福利」とは国民の「幸福と利益」、国益とは国の利益とある。

今の野党の行為は国民の利益に反するのか。

野党が要求した項目は「麻生さんの引責辞任」、「文書改ざんの調査結果の月内報告」、「柳瀬山の証人喚問」、「自衛艦の暴言の事実確認」の4つの点であるが自民党はゼロ回答した。そこで野党は怒ったのだ。所謂国民の代表が怒ったのだ。

では国民がどう見ているか。丁度、読売新聞の調査結果が発表になった。

「安倍さんは柳瀬さんを信用していると言う」事に82%が納得せず、「財務省の対応」も76%が適切でないという。「麻生財務相の引責辞任」について50%があると言う。「シビリアンコントロール」は80%が機能していない。「モリカケでの安倍さんの責任」は74%が大きいと言い。

そして「森友、加計、文書管理」については「優先すべきが」46%、「そうは思わない」46%で拮抗していた。

今の野党は安倍政権打倒を狙っているようにも思えるが、本来は「何故、不祥事が発生したのか」「根本的対策は何か」を国会で議論すべきであるが現状は官僚vs野党議員の「合同ヒアリング」の場になっているが、ここでも官僚はノラリクラリで一向に埒があかない。

官僚も安倍総理を見捨てたのか、自民党総裁選までノラリクラリとやっていれば何とかなるとみているのだろうか。「この安倍政権あって、この官僚あり」の政局ではないか。

麻生さんがG20,中央銀行総裁会議に出席するのを議院運営委員会で野党が反対したことを専門家は「国益」を害するという。トランプ大統領の「アメリカ第一」「保護主義」が横行する中で日本は「自由貿易」の大事さを主張しなければならないときにそれが出来ないことはまずいというのだ。

結局は不承認でも麻生さんは出席したが、財務省にあって不祥事の責任を追及されている本人が国際会議に出て日本の考えを主張して世界のリーダーは聞いてくれるのか。安倍政権も崖っぷしであることは世界が知っていること。

「どの面下げて」出席したのか。国益を守ると言うより国益を害してはいないのか。

責任をとるべき人は潔く責任をとる。民主主義政治の根幹を覆す不祥事に対して安倍総理は最高責任者として辞職すべきである。それが「国益」を守ることだ。