2018年4月7日土曜日

今日の新聞を読んで(147):40兆円の歳入増がなければ日本財政破綻?


時事ドットコム 2017.12.22
我が国は今後、40兆円の歳入増がなければ安定的な改善が出来ないと財政再建で財政制度審議会が警告を発したと言う。今までの財政に更に40兆円の増収でPB赤字の解消と黒字化がなければ財政は危機的なのだ。

何時も言われていることだ。国、地方の借金は1000兆円を超え、対GDP比200%を越えるのは先進国で一番悪い状況だ。今、IMF等から支援を受けて緊縮財政を進めているギリシャよりも酷いのだ。

日本だって、このまま行けばIMFに支援を要請することになりかねない。出資しているなんて考えられないのだ。

よく言われていることに1000兆円以上の借金はあるが、債権も500~600兆円あるので心配ないと言ったり、国債だって発行残高の4割を日銀が保有しているようにほとんどを国民が保有している事も挙げられている。

本当のところはどうなのか、国会でも余り審議されていない。

毎年40兆円の積み上げが必要とは驚く。新聞の記事を読んでみた。

読売新聞(2018.4.7)では「財政再建 「収支改善 40兆円必要」というタイトルで、GDPに対する債務残高の割合を安定的に引き下げるには40兆円程度の収支改善が必要という。40兆円の根拠がはっきりしなかった。

一方、毎日新聞(2018.4.7)では「財政審 黒字化促す」というタイトルで詳しく説明している。政府の見通しでは2018年度のPBは16.4兆円の赤字。GDPに対する債務残高の比率を安定的に推移させるのは20年度の赤字を解消し更に23.6兆円のPB黒字を積み上げる必要があるという。16.4兆円と23.6兆円を足した40兆円の積み上げが必要なのだ。

40兆円とは2018年度の一般会計97兆7128億円のうち赤字である新規国債発行は33兆6922億円だから、赤字額以上の収入増が必要なのだ。

日本の税収は所得税と法人税等で成り立って今年度は59兆790億円に、税外収入が約5兆円だ。所得税は家計の収入が増えなければ増えない。法人税では安部政権は海外からの企業の誘致、世界で最も企業が活躍出来る国にすると法人税減税を謳っている。今は実効税率29.97%か。でも大企業は優遇され20%程度という。更に一度赤字になると以降数年は税金がゼロだともいう。年間1兆円の売り上げがある世界的企業の法人税が数百万円なのだ。

だからかどうかは知らないが景気が良くなり儲けを出しても内部留保にかけ400兆円を超えている。政権は家計への再分配、設備投資に回せと言うが一向に聞かない。

中小企業は一生懸命納税しているにもかかわらず大企業は我が物顔で優遇税制を悪用していることは許されない。もっと厳しく納税させるべく改善したらどうか。

そして支出の削減は重要だがどうしたものか。

当然社会保障費はうなぎ登りだ。33兆円を越えている。医療費などは改善が必要ではないか。薬だって数種類の投薬でかえって体を悪くしたり飲み忘れによる無駄も多い。院外薬局では薬剤師が監視しどういう名目か忘れたが400円の費用を徴収しているが、十分に役目を果たさず無駄金になっている。週刊誌などで薬の副作用が警告されているがそれだって知らないのだ。

私も10年近く高コレステロール剤を飲んでいて、スタチン系の副作用が問題になっていたとき、「この薬剤はスタチン系ではないですよネ」と聞くと即座に「そうですね」という。実はスタチン系で本来なら注意を喚起する必要があったのだ。

薬局を覗いても選任は1人で、後はアルバイトのようだ。これでは制度を活かされていない。降圧剤を飲んで血圧が上がったので副作用があるのかと聞くとどんな会社か知らないが聞いてくれて「そんな例は聞いたことがない」という。

厚労省は一度、大手の院外薬局に抜き打ちで調査してみたらどうか。

そして儲かるらしい整形外科も問題だ。高齢者がリハビリに来院し温かい枕のような物を腰に当てて10分、ベルが鳴り担当者が【時間です】と言って終わる。高齢者だから1割負担で100円払えば良いが、医療費は1000円なのだ。一度知り合いに「効果がありますか」と聞いて見たが「分からない」という。こんな事なら自分の家で湯たんぽで暖めたらどうかと思う。
救急医療とか小児科に勤めている医師が「忙しく大変なので整形外科でもと考えるが・・」と悩んでいた姿が印象に残る。

根本的に医療改革をやったらどうか。社会保障費は高騰し財政がやっていけなくなったら困るには医師ではないか。

公共事業費も必要だ。古くなった橋は危険で通行止めのまま。海辺の構築物にサビが出て危険な状態になったり、幹線道路の補修ができないなど心配は多い。

さらに、これからは首都圏直下地震、南海トラフ巨大地震、更には富士山大噴火など自然災害に対する対策が進んでいない。自助努力が重要になるが災害が発生すると政府の責任が追及される。3.11東北地方太平洋沖地震災害のように対策費が国民から徴集される事もある。

リニア-新幹線など最先端技術が開発されるとその維持管理費もバカにならない。一私企業が負担できるものではない。

防衛費も5兆円を越えている。GDPの1%以内に伸び率を抑えていたが対中国、対北朝鮮の違法行為、挑発行為に対応するために米国から役に立つかどうか分からない超高額な兵器を購入することになった。安倍総理は中国、北朝鮮の挑発行為を国難と言うが、トランプの「最先端兵器の購入要望」も「国難」だ。

安部政権は「経済成長と財政再建は車の両輪」と格好良く言うが、相反する政策でうまく行くはずがない。折角一般会計が決まったと思ったら成長戦略のために2~3兆円の補正予算を組む。内容がダブってもいるので結果は財政再建の「逃げ道」になっている。

今一番税収増は消費税の増税だ。1%で2.5兆円の増税と言われているが2回も先送りし、今度はどうだろう。

PB黒字化が遅れてくると1年で毎年1~1.2兆円必要費用が増えていくとも警告している。待ったなしの財政再建なのだ。

それともうまく行かずIMFに支援を要請することになるのか。IMFからは緊縮財政を強制される。財務省からは多数の官僚がIMFに出向している。財務省は、今回も不祥事で強く財政再建を主張出来ないだろうが、IMF管理にでもなれば財務省の思う壷だ。

そうならないように真剣に考えてみる必要がある。



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