あれだけ注目された佐川元国税庁長官の証人喚問だったが、要所は「刑事訴追の恐れがあるため証言を差し控える」という常套手段で逃げ切ることが出来たが、一方で真実の究明にはほど遠かったと感じた。
しかし、よく考えてみると佐川さんは虚偽の答弁をしていたわけではない。
公文書改ざんでは、原文書と比較し、改ざんした部分、削除された部分は広範囲に及ぶものもの書き換え、改ざんで結果が大きく変わったと言うことはない。事業者が森友に変わりは無いし国有地を格安で払い下げた価格も変わっていない。
そりゃそうだ。佐川さんが理財局長に就任したときは払い下げ価格も決まり、就任の3日前に売却が完了しているのだ。
疑惑のキーマンは前任の迫田さんである。
その後、国会で問題化し佐川さんが理財局長として野党の質問の矢面に立った。佐川さんも経過を精査し整合性のある答弁に注意したが、どうしても整合性に問題が残り、佐川さんの答弁に合わせ文書の改ざんに走ったか?
改ざんが佐川さんの指示であったとしても公文書管理では問題があるも佐川さんに重大な失点があるとは思えない。
寧ろ、「政治家筋からの指示があったのか」が知りたいところだが、佐川さんは「ございません」とはっきりここだけは証言している。本来なら「刑事訴追の恐れ」で拒否しても良い部分であるが明確に否定したが疑問が残る。
国会でのウソの発言で偽証罪が問われるのだ。
佐川さんは「記録は残っていない」「既に破棄した」と答弁していたが、一部は事実ではないか。管理システムでも削除条件に合っているものもある。
そして肝心なのは現文書が正式な部署で正式に管理されず、個人のPCに保管されていたことだ。これでは佐川さんに責任を問うのは難しい。
政治家の指示があったかで「ございません」と答えた。実際にはメモで残っている場合はほとんど無い。伝聞証拠ではまずい。
大阪地検の事情聴取で「政治家からの指示があった」と証言しても「証拠があるか」ということになる。これだけ騒がれ、首相事案であれば関係者は証拠を破棄するはずだ。遅れて大阪地検が家宅捜索しても何も出て来ないか、破棄するのをわすれてメモが存在したかだ。
佐川さんは優秀な弁護士を付けている。この辺のことは既に検討済みだ。嫌疑不十分で不起訴処分で佐川さんは安泰か。退職金も全額下りる。
ところで法務大臣が刑事局長に「あの件はどうなっている」と問うことがあったとしたら指揮権発動になるか。
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