官僚、官庁が公文書に関して「存在しない」「破棄した」「記憶にない」と答える時は、外部に「知られたくない」、以前の答弁と「整合性がとれない」時ではないか。
厚生労働省の裁量労働制、森友問題、陸自のイラク日報でなかったはずの資料が実は存在していたという報告が続く。安倍政権での特異な例なのか、以前から横行していた事案なのか。「政策の立案」「政策の是非」などを判断する大事な公文書が不明だなんて国民を馬鹿にしていないか。
厚生労働省の「働き方改革」は今国会の目玉政策で、安倍総理は「労働の多様化に答える内容で、裁量労働制は一般労働と比較して労働時間の短縮に役立っている」と大見得を切ったが、比較するデータが不適切で根拠がなくなったために安倍総理は法案から削除した。
「他にどんな資料があるのか」と野党が問い詰めると「ない」と言っていたが役所の地下室に多くの段ボールに入った資料が見つかった。
森友問題では決裁文書の書き換えが問題になり佐川さんが証人喚問を受けた。当初「文書はない」と抗弁していたが、調査の結果個人のPCに書き換え前の文書と比較対照した文書も見つかった。「誰が」「何の目的に」改ざんしたかの責任が問われた。佐川さんは「自分が判断してやった」と言う意味で「刑事訴追の恐れがあり」証言を拒否した。
恐らく、以前の国会答弁、最近の自分の国会答弁に加えて野党の質問を精査した結果、「整合性に問題有り」として、ここは「破棄した」で確認できないことにしたのだろうが、これも個人のPCから保管されていることが分かった。
陸自のイラク派遣日報も稲田さんの時は「存在しない」と答えていたが、1年後の今、本来の部門とは異なる部門のPCに保管されていることが分かったという。
「何故、もっとしっかり調査しなかったのか」という問に、「保管されているファイル名と内容が一致しなかった」ために見逃していたそうだ。文書管理のABCが出来ていないのではないか。ISO9000番シリーズで管理の徹底をやったらどうか。
空々しいウソをつく。隠していたが、何時見つかったことを公表すべきかタイミングを計っていたとしか思えない。
公文書、省庁が保管する資料には、政策立案のための資料、施行中の政策の検証を行うための資料など膨大なデータを官庁は持っている。これが官庁の強みだが省庁を跨いで使用されず、担当部門が「ない」と言えば存在しないのだ。確かめようがないが、共産党などが暴く。誰かが情報を漏らしているのだろう。
安部政権になって公文書の存在価値が低くなったのではないか。
最初に「政策ありき」で背景となる資料を重要視する事が少なくなったのではないか。
安倍政権が経済政策などを考える時は経済財政諮問会議が重要な役目を果たす。テーマが決まり、関係省庁、民間委員が資料を作成し会議で配布される。膨大な量だ。会議では総理も出席し経済担当大臣が司会進行で進む。指名され関係委員が説明し、質疑応答後次のテーマに移る。
会議の時間は総理が出席しているのだろうか、約1時間だ。重要な経済政策の検討にたったの1時間で十分なのか。一通り会議が進むと記者を入室させ総理が総括するがペーパーの棒読みだ。何のことはない、全ては役人の創ったシナリオ通りで、審議会で審議したというお済み付けでやっているだけだ。
安倍政権の審議会優先を止めて省庁が属する委員会で徹底的に議論すべきではないのか。しっかりした調査に基づく政策を議論すべきである。
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