2018年4月3日火曜日

もし逆だったら(4):安倍総理が潔く引責辞任していたら


政治家の介入があったかどうかの質問で佐川さんが「はい、ございません」と明確に証言したことで官邸は安堵しているが、安倍総理が一連の政局の混乱、行政のトップとして公文書改ざんの責任をとって潔く引責辞任を発表していたら政局はどうなっているか。

まず、今まで安倍総理が嫌がっていたために森友問題で昭恵夫人の証人喚問が実現しなかったが国民の60%は昭恵夫人の証人喚問の必要性を認めているのだから、政治も答えるために実現するのではないか。

森本問題での昭恵夫人の関与については否定しても、野党は格安払い下げにどう関与したか、公文書書き換えに昭恵夫人の名前が削除されていたのをどう思うか、官僚の忖度を促す結果になったのではないか。100万円の授受は本当にあったのか。問題の核心に迫る証人喚問となるだろう。

大阪地検も昭恵夫人を密かに任意の事情聴取するだろうが身柄拘束、家宅捜索はないだろう。

一方政局の方はどうなるか。

解散総選挙の手段もあるが、野党はゴタゴタ続きで民進党は選挙を控え分裂、小池旋風に乗り「希望の党」を設立、生き残りをかけたが小池知事の勇み足で自民党に大敗、民進党は立憲民主党、希望の党、そして参院を中心の民進党、無所属の会へ分裂したかに見えたが立憲民主党を除き民進、希望で新党構想が持ち上がっている。

しかし、メデイアの世論調査でも分かるように自民党への支持が36%と圧倒的に強く2位の立憲民主党は9%だが他は3~5%と低調だ。

恐らく自民党内での政権たらい回しを狙って臨時党大会を開催し新しい総裁選挙で次期総理を選ぶのではないか。

そこに岸田さん、石破さん、河野さん、野田さんらが名乗りを上げる。岸田さんは禅譲期待で今まで安部政権に貢献してきた自負があるが政界で「禅譲」を信じる者はいない。以前アベノミクスの見直しの必要性を説いていたが政策がはっきりしない。

石破さんは出馬するだろう。今は閣外で自由な発言をしている。地方行脚も積極的で人気は保っているか。自民党の総裁選の方式も変更され先の総裁選とは違って石破さんには有利になった。ただ永田町では人気がない。自派の構成員は20人ギリギリで推薦人が足らず何人が推薦人に加わるかだ。

河野さんは閣僚になってから行政改革などで考えが違ってきた。歯に衣を着せぬ発言も影を消した。野田さんも女性初の総理候補と謳うだろうがメデイアの人気投票では石破さんが22%に対してたったの3%では心許ない。

それにしても安倍政権での政策の見直しがどうなるか。

アベノミクスでは経済財政一体改革は展望がないと経済財政諮問会議が指摘したように見直し必至だ。2%物価目標に拘るか、出口戦略で金融政策の正常化に向かうか、そしてその後の経済政策をどうするか。

財政再建策でPB黒字化が先延ばしされている。税収増による好転を考えているが消費税増税をどうするか。成長戦略に支障が出ると更に先延ばしを望む声もある。

しかし、消費税増税がないと社会保障費、高齢化対策、少子化対策が行き詰まるのは目に見えている。財務省をどう指導できるか。逆に森友問題の公文書書き換えで財務省は批判の的だ。

憲法改正では自民党は安倍案をまとめて国会へ提出するらしいが、石破さんらが反対している。9条2項維持し、自衛隊を明記することには反対が出るだろう。自衛隊が違憲か合憲かの議論に終止符を打とうとするが、益々議論が激しくなる可能性がある。一層のこと改正の動きなしでどうだ。安倍さんは「自分が最初に憲法改正した」という事が重要なのだ。その程度の人間なのだ。

外交も大変だ。対北、対中国、対韓国そして対アメリカ、対ロシア。拉致問題、核/ミサイル開発、尖閣問題、慰安婦問題への解決の糸口が掴めていない。従来の総理はアメリカとの関係を重視する外交政策をとってきた。安倍さんはトランプさんにしきりに接触し友人関係を築いたが、「ほほ笑み外交」の本音を見られてしまった。対米貿易赤字で新しい総理はどう対応するか。恐らく一番最初にトランプ大統領に会う作戦に出るだろうが、トランプ大統領もロシアンゲート事件を抱え厳しい立場に置かれている。親密になれば逆効果も考えられる。

誰が総理になっても国内、国外共に厳しい局面に突き当たる。それでも総理になりたいのか。

安倍さんの極右政権だった事を考えると逆に民主政治の政策に戻す事でリベラルの評価を上げることは出来る。これからは保守リベラル政策が求められる。


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