朝日新聞 2019.4.8 「東日本大震災 300年前に兆候」より |
いつも残念に思うのは巨大地震が発生するたびに検証した結果、「こういう現象があった」と言う報告が多い。なぜ、前兆としてとらえることができないのか。
当然の話だが、地震発生のメカニズムがわかっていないのだから「予知など出来るはずがない」と否定する専門家もいる。
でも今までは首都直下地震、東海地震、南海トラフ地震など巨大地震の危険が迫り、その必要性から地震予知に多くの予算が付けられたのも事実だ。全く否定していては今までの研究が無駄になる。
ところが、その前兆ともなる現象を京都大の研究者らがコンピューター検証結果を発表した(読売新聞2019.4.8)。
それによると
①
東北地方太平洋沖地震発生前の600年間で約300年前から地面が沈みはじめ、その後沈降が加速したという。
地面の長期的沈降が兆候の一つになるのだ。
②
過去100年間の沈降が観測されるのが北海道東部で見られ政府地震調査委員会が警告している北海道東方沖でM8.8、発生確率7~40%が考えられ、おまけに「切迫」していると警告している。
③
東北地方太平洋沖では大震災の少なくとも100年前から3~4mm/年の沈降が見えた(国土地理院)。
④
巨大地震の発生→一旦隆起→300~400年後に沈降始まる→沈下が加速する
何だ、「予知は簡単じゃないか」、GPSなどの観測データをスーパーコンピューターで常時チェックすればいいのではないかと思うのだが・・。
更にスロースリップも前兆には有効なようだが、予知となると問題もありそうだ。「ゆっくり地震」が収まったところが巨大地震の震源になるのだ。人に感じないユックリ地震の発生は「ひずみ解消」にいいのではないかと思っていたが「ゆっくり地震」の起きたところが地震を大きくする可能性もあるという。
3.11東北地方太平洋沖地震もその前に北の方からスロースリップが南下し止まったところが巨大地震の割れ始めとなった。その検証結果から重要視されるようにもなったが、予知とはいかないらしい。
冨士川河口付近でスロースリップが止まったために巨大地震の発生が危惧され専門家が注目していたが、今のところ発生していない。ここが巨大地震で被災すると物流の大動脈でもあるし日本経済への影響も大きいのだ。
三重県沖にもそういう海域があることがわかっている(?)。
GPS観測から地殻変動も重要だ。村井先生もがんばっておられるし、国も力を入れ出した。
そして、井戸水の監視だ。昔の人も今の人も、この異常を報告している。もっとも意識を持って継続して監視することが必要だ。水位の変化(昔の人は井戸が枯れることを指摘している)、水の濁りだが簡単にはいかないようだ。
これだけ技術が発達しても地震予知は難しいのか。意外に誰でも意識を持っていれば簡単にわかる現象が見つかるかもしれない。例えば地震だと地割れ、山崩れだ。有珠山噴火で全員避難し犠牲者が出なかったというが、異常を察知したのは地元住民の人だったのだ。確か「地割れでわずかな噴気」を見つけて観測所に連絡したというニュースを見たことがある。
さて、首都直下地震で何が前兆になるか。
巨大地震の前に小さな地震が続くか。東京湾北部で何か異常が出てくるか。何時だったか夜街を歩いていたら「ドーン」と言う音とともに「サーッ」と風が吹き抜けたことがあった。おかしいなと思ったが他の歩行者も気が付いた人もいた。帰ってテレビでニュースを見ると東京湾北部で地震があったという。
地震の切迫はわかるが「今日は起きないだろう」との希望的観測で皆生活しているのか。電車に乗ってスマホをいじくっている人を見るとそう思う。
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