2019年4月16日火曜日

日中関係は改善しているのか:中味も乏しく口先だけの感じもするが


日中関係は本当に改善しているのか、その根拠に乏しく口先だけと思えるのだが。両国に必要とする政治的背景が見え隠れしないか。あれだけ冷え切っていた日中関係がここにきて急に雪解け(?)、友好ムードを醸し出しているが何があったのか。素直には信じられない。

先に安倍総理が訪中、にこやかに習主席と握手する姿に本当かと思うほどだが、新聞報道では習主席に「招かれた」という。これがチャンスとばかりにホイホイ訪中したのだろう。中国の抱えている立場、知的財産権を含む米中貿易摩擦、中国経済の減速から習主席は日本重視にシフト、計画変更が目立ってきた「一帯一路」構想への日本の取り込みで習主席の外交をあおりたいのだろう。

一方、日本も対中で大きな問題を抱えている。尖閣諸島周辺での中国の挑発行為、東シナ海における強引な資源開発、福島第一原発事故以来10地域の農産物輸入禁止措置、対北への経済制裁を緩和する動きなど中国に対する課題は多い。

私達は日中関係の改善と言うと「尖閣諸島への挑発行為」をやめ、日本の漁民が安心して漁業できる状態に戻すことだが、一向にその兆しは見えない。むしろ公的艦船の侵略が増えたという。

日本近海での魚の乱獲、海底資源の乱獲をどう考えるか。

そんな中で「ハイレベル経済対話」が開催され日本からは6人の閣僚が出席、に日中関係改善の重要性をアピールした。

河野外相は「日中関係は正常化した」と言えば、中国の王外相も「昨年来、日中関係は正常な軌道に戻り持続的に良好な勢いを見せている」と答えたが、安倍総理が訪中し、6人の閣僚が経済対話に参加したことだけで「正常化した」と言えるのか。

関係改善はその内容だろう。

内政で成果の出ない安倍政権は外交で点数を稼ごうとするが見通しは立たない。

北方4島返還もプーチン大統領の曲棚で右往左往している。ロシアの閣僚は返還などありえないという。対北も「今度は私が金委員長と会談する」というが、北のメデイアは日本批判に明け暮れる。金委員長の意向を反映しているのだ。対韓国も文政権の反日感情で悉く破壊されている感じだ。

そんな折に対中関係改善に期待をにじませるのだ。

中国も対米関係は悪化の一途だ。アメリカが一手に貿易赤字を背負うアンバランスを改善しようとトランプ大統領は中国に対して米中貿易摩擦、対日では経済交渉で「為替条項」を提案するという。これは日銀の量的緩和、アベノミクスへのアメリカの挑戦になる。

知的財産権は難しい課題だ。中国が先端技術でアメリカをしのぐことを危惧している。おそらく許さないだろう。

「保護主義」vs「自由貿易」は国際会議のことあるごとにトランプ大統領vs中国、日本を含めた先進国の構図だが、大統領選を控えトランプ大統領がトーンを落とすとは思えない。

G20の行方へもトランプ大統領の再選(?)後、各国がどう対応するかにかかっている。安倍総理は友好関係を築くことに一生懸命だったが、こと経済に関してはそんな関係も問題がいなのだ。

G20でリーダーシップが発揮できるかどうかが安倍総理の存続にかかっている。共同宣言、記者会見に臨めるかどうかだ。トランプ大統領の気を引くために最初に新天皇と会見できる機会を作ったり、大相撲にも手を出している。日本に自衛艦を訪問する話も出ている。オバマ大統領の時も最後に伊勢神宮を案内したり、広島訪問にも急きょ同行することで最大限米大統領を利用した。

一時は内閣支持率も上がるだろうが国民の眼は騙せない。

閣僚の辞任や長期政権での驕り、飽きで参院選の結果次第では安倍政権の終わりがささやかれている。

対中外交も口先だけの正常化が続くのか。

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