2019年4月17日水曜日

今日の新聞を読んで(240):米海兵隊は縮小し米本土へ、辺野古、グアム移転は無理なのだ


市街地に隣接する沖縄普天間基地の返還はうれしいニュースと思っていたがグアム、辺野古移設には根本的に大きな問題を抱え、そこまで無理して海兵隊を維持する理由があるのかと考えるようになった。米政府でも海兵隊の是非が議論されてもいたのだ。

安倍政権は日米安保、日本の安全を維持するためにも反対運動にもかかわらず辺野古への強引な移設、言われるままの移転費支出で在沖縄海兵隊の存続を推し進める。

政府は海兵隊の新展開計画(移転計画)の遅れを辺野古移設の遅れのせいにするが、朝日新聞(2019.4.16)の「進まぬ沖縄海兵隊移転 テニアン島の現実」、「グアム移転難航 米の誤算」で日本側の理由だけでなく、米国側にも大きな誤算があったのだ。

米海兵隊は縮小し、米本土へ移転するしかなかったのだ。海兵隊のような敵に占領された島に奇襲攻撃で奪還する作戦なんて必要なのか。中東の紛争地を見るとそう考えることもある。

ところで新聞報道によると、グアム、テニアン島は海兵隊移設で大きな問題を抱えているのだ。

テニアン島には大規模な実弾射撃場が整備される。島の面積の2/3を米軍の敷地になるそうだが、「ここは聖地」だという。さらに騒音や土壌汚染で反対運動が起き、「訓練場整備差し止め訴訟」も起きている。辺野古と同じではないか。グアム移転が進まない原因の一つだ。

グアムでも問題を抱えている。海兵隊関係者を含めて6300人の主要宿泊地になるが、労働力不足で移転関連事業が難航しているし、熟練労働者が確保できないと基地の維持管理にも影響するという。

日本はグアム移転に31億ドルを負担するが総移転費の1/3になるらしい。

一方、辺野古移設は毎日の新聞に載っているが、推進しようとする政府と阻止しようとする沖縄の闘争だ。沖縄が繰り出す法廷闘争は悉く敗訴している。県民投票での7割の移設反対の民意は無視されたままだ。政府は「対案を出せ」と言うがそれは間違っている。

おまけに今になってV字型滑走路の部分が軟弱地盤にかかるという。70~90mの長さで約8万本の杭を打ち込む必要があり、難工事と見られている。後期は約4年、工事費は不明だ。沖縄県は「認めない」と抵抗する考えだ。

思えば、本当に沖縄海兵隊は必要なのか。米国でも議論されたようだが、辺野古での基地の規模は小さすぎ、あまり役に立たないらしい。朝日新聞報道では年間100~160日も海外で訓練しているのだ。

そして海兵隊の役目も日本を守ることよりもアメリカの海外戦略として中東などの紛争に派兵されているのだ。朝鮮半島、対中国でのアメリカの戦略があるのだ。

米海兵隊の19000人のうち10000人を沖縄に残し、グアムに4100人、ハワイに2700人、米本土に800人、オーストリアに1300人のローテーションだという。

米海兵隊を維持するためには在沖縄海兵隊が必要でコスト的にも一番安いのだそうだ。だから沖縄の基地は手放せないのだろう。

米国の高官で有事の際は米本土から米軍機が出動すれば十分と言う意見もあったそうだが、既得権益を手放せないのがアメリカなのだ。

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