今春から高校生になる孫が真顔で「じいちゃん どんな仕事が残っているか」と聞いてきた。咄嗟のことだったが、思いついたのはAIの技術開発で将来は人間の仕事にロボットが変わる時代が来ると仕事がなくなるとメデイアがニュースであおっているために自分が何をすればいいのか心配になったのだろう。
これから学校で何を学び、どんな職業に就くか。みな不安なのだ。
孫ばかりではない。教師をやっている母親も生徒に向かって「将来何がしたいか」と問えないというのだ。今ある仕事だって様変わりしているだろうし将来はなくなっているかもしれないのだ。
メデイア、専門家は人手不足、人件費の削減にAI技術の採用をあおる。身の回りを見ると銀行や郵便局のATMは勿論だが、スーパーなどでもレジは人間が打つが支払いは自動化されている。サービス業ではお金を扱う部分は自動化が進んでいる。
ガソリンスタンドもセルフは少し価格が安く設定され、高齢の女性がサッサと給油して帰ると店員が言っていたが、私はセルフは嫌いで従業員のいる店で価格はセルフより安いところを選んで給油している。いろいろサービスの情報を与えてくれるからだ。
病院も再診受付が自動化されている。支払いも支払い窓口で手続きすると「あちらで清算してください」と自動支払機を指される。でも人件費の削減にはなっていないようだ。必ず何かあったときの対応で職員が配置されている。
今日は統一地方選の選挙と即日開票だが、以前岡山県新見市で始まった人件費のかかる選挙も公務員の仕事の省力化など自動化が考えられたが故障、トラブルが多く、対応に人手がかかりとてもじゃないが省力化にはならないと廃止が検討されているらしい。
お客さん相手の分野ではAIによる完全自動化は難しいようだ。
そんな時、朝日新聞(2019.4.7)の「接客ロボ「大量解雇の誤算」という記事が目に留まった。
それによると、ホテル業で人件費削減であらゆる分野へロボットを採用したのだが今は、削減したというのだ。決められた業務であればロボット化もできるが、お客さんの質問、要望など予想していなかったことにはロボットでは対応できないのだ。
だから人間があらかじめ予想でき対応できるアルゴリズムの構築できる部門では成功するがそれ以外の状況を判断し対応する必要の部門では難しい。自動車工場の溶接など一部門、自動倉庫、商品のピッキングなど決められた分野はOKだが、医療のように検査値から病名などを検証することはでき見落とし事故はなくなるが手術などはできない。一度テレビドラマで患者の腹に内臓や手術部分を映し出し手術をしようとしたら停電になり手術ができなくなったドラマがあった。システムの機能が作動しなくなったら手術ができなくなり、予定を変更して開腹手術となった。
車の業界では安全運転支援システム、自動運転の開発、応用が盛んだが自動運転で死亡事故が発生し研究が頓挫している。理由は夜間での飛び出しがセンサーに引っかからなかったのだ。
AIの大御所である専門家はまだまだ「AIは万能ではない」と警告する。
読売新聞(2018.11.11)に「「AIは万能」は誇大広告」という記事が載っていた。AIなんて怖くないのだ。ただ人間の仕事の一部を手助けしているだけなのだ。
人工知能学会の前会長の山田先生が「AIはまだ人間の二歳児の知能にも及ばぬレベル」という。子供がやっている大量の情報から的確な状況判断はできないのだという。でも子供ではできない大量の情報を処理する能力はAIでも優れていないか。
孫の適した仕事は何なんだ。
理系でおとなしい性格で、大勢で群れたりするのが苦手だ。地震や火山噴火、自然災害などの研究が向いているのではないかと思うが、この分野だってデータ処理、解析はAIに頼る。研究者のする仕事は余地に向けたアルゴリズムの構築か。でもその前に災害が発生するメカニズムを検討すべきだ。研究者としては仕事があるが、問題は自分の研究中に火山噴火など巡り会わせがあるかないかだが、豪雨、水害、地震では可能性が高い。
クラレが昨年4月に「将来なりたい職業」を調査した結果がある(キャリコネニュース)。その結果は
男の子 女の子
1位 スポーツ選手 ケーキ屋、パン屋
2位 警察官 芸能人 歌手 モデル
3位 消防レスキュー 看護師
4位 運転手 花屋
5位 TV アニメキャラクター 医師
6位 研究者 保育士
7位 医師 教員
8位 大工、職人 美容師
9位 ケーキ屋 パン屋 警察官
将来なくなる仕事はないが、AI導入で仕事の質の向上が期待できるか。自営業というのもあったが起業を目指す意気込みは買いたい。
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2018.11.11掲載
AIは万能か:恐れるな 私たちの仕事の一部を手助けしているだけだ
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