10月1日の消費税増税が迫ってきた。「先送りか決行か」、風雲急を告げる消費税増税だが政府は「リーマンショック級の出来事」がない限り増税の考えだ。そりゃそうだろう。19年度の101兆円の予算には増税対策や幼児保育高等教育の無償化など含まれている。さらに2回目の先送りの時に消費税法に「次は増税する」旨の規定が記された。増税先送りの時は消費税法改正が必要になるのだ。
ところが「先送り」の動きもあるようだ。萩生田自民党幹事長代行がインターネット番組で「折角景気回復をやってきたのに万一腰折れになったら「何のための増税か」」と発言したそうだ。
萩生田さんは安倍総理側近でモリカケ問題では重要な役目を果たした疑いがあるが「知らぬ存ぜぬ」で責任回避している人物だ。安倍側近と言うこともあって安倍総理の意向を汲んでいるのではないかと憶測されている。
菅官房長官や麻生財務相は「何を言っているんだ。迷惑な話だ」と否定する。
財界も足元の若干の振れがあっても増税は諦めるべきではないと念を押す。
OECD、IMFも日本は消費税増税すべきだとアドバイス、20~26%は必要と言いだした。
今まで内閣府参与で安倍政権にアドバイスしていた藤井京大教授も財政健全化のためにこそ財政赤字は必要と、国の借金は気にせずここは減税して財政支出すべきだと提言する。
減税し、財政支出すれば民間にマネーが流れ法人税や所得税は増加し財政の強化につながると説く。
でも今まで異次元の金融緩和で市場にカネを流して円安、株高で企業はうるおい税収増もあるが32兆円の赤字財政に変わりはない。6年たっても思ったほどの効果はないのだ。
それよりも年々赤字を積み増ししている。何時までこんなことを繰り返されるのか。金利も低いし、インフレでもない。インフレが一定水準に達するまで財政支出しても問題はないというのが今、アメリカで言われ日本でも強調され出したMMT(現代金融理論)という経済理論だが経済学者、財務省、経済界は批判的だ。
それでも萩生田さんの発言には6月の日銀短観を見ての話しというが、安倍政権が「増税決行」を決めると短観の表現なんていかようにも変えられる。
さらには、「消費税増税先送り」、政権の行き詰まり打破を狙って衆参同一選挙もあり得るのだ。萩生田さんはそこにも言及するが自民党内には議論したことはないという。
一方で、野党は衆参同日選挙を考え対応しているようだ。今まで立憲民主党は独自候補を立て党勢の拡大を狙っていたが党支持率が上がらないため枝野代表は衆院選では野党統一候補の可能性にも言及、福山幹事長は新聞によると、「アベノミクス破たんが見えてきて解散総選挙でアベノミクスの失政を問う」という。
安倍総理は「解散総選挙は頭の中にはない」と国会答弁でいっていたが、頭に片隅にはあるのではないか。今度の衆院選は自民党にとっては長期政権で「飽き」と「驕り」も出てきた。議席数を落とす危険は大きいのだが、野党が結束できない内の解散総選挙で議員数減少を最低限に抑えたいはずだ。
安倍総理に解散総選挙での大義名分などない。
消費税増税「先送り」か、「決行」か。若者世代の将来の不安を払しょくするためにも安定財源の確保は重要だ。誰かが増税しなければならない。竹下内閣は増税し辞職した。安倍総理ももう6年もやっているのだからこの辺で勇断すべきではないか。
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