14日、政府は新日銀総裁人事で植田氏を国会へ提出、日銀初の「学者出身」と騒ぎ、長期化する金融緩和策の点検を期待する声が大きいとメデイアは報じる。しかし、植田氏が初の学者出身ではなく、30代日銀総裁の白川氏も京大教授から一時日銀副総裁に就任し、総裁職務代行を兼務していたが、当時総裁人事がもめて結局は白川氏が第30代日銀総裁に就任した。
それまでは28代速水氏、29代福井氏と日銀出身者が占めていたのだ。30代白川氏は初の学者出身ではないか。
白川氏は学者肌で数学やグラフを使って金融政策に長けていたと評価されているが、何やら植田氏と似ていないか。
2008年から2013年の任期途中で辞任するまでいろんなことがあった。白川氏は緩和な量的緩和策を実施していた。物価目標も「とりあえず1%を目指し、また次を目指す」という考えだった。
しかし、長く円高に苦しめられた日本経済を救うのは円安が必要と安倍自民党総裁→安倍政権はリフレ派経済を採用、市場に大量のカネを流す異次元の量的緩和策を日銀に要求し総裁を更迭した。
異次元の量的緩和も当初は市場の動きもあり、円安、株高で日本経済も復活したかに見えたがその結果は御覧の通りだ。白川氏の緩和な量的緩和を継続していたらどうなったか。今よりマシだったのではないかと思うが、残念ながら実験はできない。
植田氏の学歴、経歴から国際舞台での丁々発止の議論、コミュニケーションを岸田総理は期待しているようだが、白川氏も国際会議では頑張ったようだ。FRBが米国経済のかじ取りで苦労している時に、白川氏は「日本を見習え」と緩和な量的緩和を提案したら、FRBの議長が「他国のことを干渉するな」と反論したニュースを覚えているが、FRBも量的緩和を実施したのだ。
白川氏は「マネタリーベースを増せば物価は上昇する」という考えに疑問をもっていた。デフレの要因も、規制緩和により価格差が縮小、雇用確保で賃金が上がらない。特にサービス業は賃金が低下している。バブル崩壊で国民は自信を失い需要不足になっていると主張していたが、全くその通りで改善が見られない。
白川氏が総裁時代の日銀を思い出すべきではないか。
0 件のコメント:
コメントを投稿