2025年5月10日土曜日

核のゴミ処分場:敷地内保存は限界、交付金目当ての調査では済まされないか

 原子力発電はどうなっているのか。新聞報道では寿命が40年から60年に延びている。稼働せず止まっている期間は使用寿命が延びるのだ。不思議だが大丈夫か。電力立地でないところに住んでいるとついつい原発問題に疎くなる。

原発は「電気代を下げる」という考えは間違っているとNPO[原子力資料情報室」事務局長の松久保さんは言い、その理由を説明する(朝日新聞2025.5.8)。

原発を事業者が期待するのは高い値段で輸入しなければならない石油に比べて原子力は燃料の点で安いためだ。経営に大きく役立つのだ。

しかし一番困るのは使用済み高レベル廃棄物の処理場だ。今は、19000トンが各原発施設内で保管されているがすでに8割に達している。急がないと原発が稼働できなくなる時が来るのだ。しかし、処分場建設に向かっての自治体の取り組みが問題になる。

高レベル放射能廃棄物は厚さ20cmの金属容器、厚さ70cmの粘土に収納され地下300mに10万年間保管されるという。技術的にはそうなんだが自然災害などの危険のない立地を探すと専門家は無理という。

それでも自治体は処分場候補地に名乗りを上げる。

最初に手を挙げたのが、北海道の寿都町と神恵内村だと思う。当時の新聞で近くに原発があるのだから最終処分場も責任を持つべきだという理由だったと思う。文献調査だと2年程度で交付金は20兆円になり、今、4年程度の概念調査に進もうとしている。交付金は最大で70億円になるそうだ。

その期間中は町や村の財政も楽になるが、北海道知事は処分場建設に反対らしい。そうすると交付金狙いの政策になる。

最近は佐賀県玄海町が文献調査に入ったが、その後が続かないのだ。市町村段階では財政を考えれば魅力はあるのだが、反対の多いし、最後の知事も反対が多い。

確か中国電力の上関原発予定地で住民の反対で挫折したが、町長が中国電力に何か打つ手はないかと問うた結果、中電は処分場建設の調査に手を上げたらどうかと答えたそうだが、その後どうなったか。

兎に角、処分場の確保ができないままに原発が稼働を続けていることが心配だ。

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