2016年2月12日金曜日

約5ヶ月ぶりに安倍ー黒田会談:2%物価安定目標へ一蓮托生を確認か

今日、午後0時から官邸で安倍総理と黒田日銀総裁が約5ヶ月ぶりに会談したことをニュースで知った。2%物価目標、デフレ脱却で一蓮托生を再確認でもしたというのか。日銀の「マイナス金利政策」以降明確になってきた今の110円の円高、15000円を割る株価の下落は安倍総理にとっては心配の種だ

安倍総理だから2人っきりで会った訳ではないだろう。そのうちに話が漏れてくるだろうが、どういう話の内容だったか想定問答してみた。

安倍総理「お忙しいところをおいでいただいてすみません。日銀のマイナス金利政策発表以降、連日円高、株安が続いているので話をお聞きしたいと思って来ていただきました」。

黒田総裁「今回の円高ドル安、世界的な株安はFRBイエメン議長が「米国景気は期待外れで利上げを先伸ばしする」「ドル高は米国経済を圧迫している」と公聴会で公表したことから始まっています。市場は「そんなに景気が悪いのか」と感じ取ったらしい。そのほかに従来言われている原油価格の下落、新興国、中国経済の減速、また欧州銀行の経営危機のニュースも拍車をかけています」。

安倍「いろんな要因はあるだろうが日銀が今回決定したマイナス金利が日本経済にどう影響するのか」。

黒田「日銀としては量的・質的金融緩和の一環として「補完措置」に続き「マイナス金利」を決定した。これで円安、株高に動くと思ったが予想に反し市場は逆の動きをしている」。

安倍「日銀は政策決定に当たり、今まで経験したことのないマイナス金利を採用するのであれば市場、国民に良く説明すべきではないのか」。

黒田「そうしているつもりですがもっと努力します」。

安倍「量的・質的金融緩和で国債などの買い入れの他にもっと方法はないのか。民間エコノミストは2~3年で国債買い入れも限界が来る。その時は国債の下落で日本売りが始まると言うが・・」。

黒田「量的・質的金融緩和の余裕代を残すためにも「補完措置」「マイナス金利」などを採用しているが今、限界があるとは思っていない」。

安倍「ところで、今後どういう動きになるのか」。

黒田「アベノミクスの効果とは別に世界経済は欧州経済、米国経済、新興国、中国経済の状況で動いています。先を読みにくい点もありますが日本経済は「緩やかな回復基調」にある事は間違いありません」。

安倍「そこでだが、2%物価安定目標は政府の目標でもあるがどうなるか」。

黒田「前原さんの説では4回目になるが、達成時期を17年度前半に先延ばししました。どんなに経済状況が変わるか分かりませんがこれ以上の先延ばしは出来ないでしょう」。

安倍「達成が無理と言うこともあるのか」

黒田「成長も困難、円高、株安では賃上げも困難と言うことを考えると17年度前半の達成も無理と言う可能性もあります」。

安倍「その時はアベノミクスの信も落ち、政権はぶっ飛ぶことになるか」

黒田「私たちも責任が生じてきます。総裁、副総裁就任時の記者会見で「言い訳はしない。未達なら責任を取って辞任する」と豪語した経緯があり、政府と一蓮托生です」。

安倍「私の総裁としての任期は18年9月、黒田総裁も同じ時期だ。2%物価目標達成が更に先延ばしされる前に政治決断する必要がある。今年末に衆参W選に打って出るしかないか。アベノミクスが信を失う前にやっちゃえと言うことだ」。

黒田「その時は総裁、副総裁は責任を取って辞任するしかないのでは」。 

安倍「先の日銀の政策決定会合では5vs4で決まったと言うが反対意見も多く出たそうではないか。今の状況は反対、慎重派の指摘したとおりに市場が動いているのではないか」。
黒田「・・・・・・」。

安倍「その反対派の2人が今度任期が切れると言うが、どうするのか」

黒田「今、5人は政権寄りのリフレ派ですが日銀内には政府との距離を保ち日銀本来の政策を出して行こうとする動きがあります。余り政権寄りだと日銀の独立性が問題になってきます」。

安倍「・・・・・」

黒田「もう一つ注意すべきなのがアメリカの大統領選です。政治改革を訴える反主流派と言われる候補者が若者、非富裕層の圧倒的人気を得ています。経済政策も大きく変わるかもしれません。強いアメリカ、アメリカ製品の輸出でドル安を訴える円高ドル安が続くかもしれません」。

安倍「TPPも各候補者が反対している。クリントンまで反対と言い出した。日本が先頭を突っ走るのではなく、アメリカの様子を見た方が無難か。そのためにもTPP担当相に問題の多い石原を選んだ」。

黒田「安倍政権と私たちは一蓮托生です。日銀は2%物価安定目標達成へ「躊躇なく何でもやる」というメッセージを市場に送ることしか出来ないのです」。

と言うようなことで今回の会談を終わったのではないか。

日銀も2%物価安定目標、脱デフレへ向け政策の見直しが要求されているのではないか。政府と一定の距離を置いての金融政策が要求される。

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