2020年11月7日土曜日

「変質した共和党」vs「民主党」:トランプさんの4年は正しかったのか

 

トランプさんは何故、再選されなかったのか。現時点ではまだ決まっていないが多くの予想はバイデンさん優勢だったが、開票が進むとトランプさんも善戦、しかし前回トランプさん優勢だった州もバイデンさんが追い上げて逆転する。 

激戦州の集計が終わらなければ勝ったとは言えない状況が続く。どちらが勝っても僅差ということで再集計もあるらしい。 

バイデンさんが「勝者となるのは間違いない」といえばトランプさんも「郵便投票で不正があった」、「集計中止を」とツイッターし「連邦最高裁が判断を示す」と最高裁に提訴したらしい。 

民主政治の根幹である選挙制度を批判するなんてどういうことか。更にそれに迎合するトランプ支持者も多い。トランプさんのツイッターで行動に移すのだ。 

「投票期日以降の票は集計するな」とトランプさんが言えば、ペンス副大統領は「すべての票の集計を待つべきだ」と正論を発する。ポンペオ国務大臣は中国けん制発言を続ける。閣僚は皆まともに仕事をしているのだ。 

しかし、トランプさんも消沈しているらしい。6日のホワイトハウスでの記者会見をテレビで見たが、自分なりに各州の投票結果を分析していたが、本当かどうかは不明だ。大手メデイアは中継を途中で止めたという。相当内容が悪かったのだ。会見場を退場する再に壁や柱に手を掛けていたが考えられないほど消沈しているのではないかと解説があった。 

すでに諦めているのか。大統領を辞めると高額な借金の返済、脱税問題が待っているという。大統領在籍中の「特権」がなくなり訴追されるらしい。 

気になるのはトランプさんが社会主義社会になって良いのかと訴えていた。社会主義は米国とっては嫌いだろう。民主党候補選びでサンダースさんが優勢だった。サンダース陣営は若者を集め、若者たちが政策を築いていく左傾化の戦略だったが、最後はバイデンさんになったらしい。サンダースさんも応援に駆けつけていた。 

そんな時、目に留まったのが朝日新聞「コラムニストの眼「米国と福祉国家 [大きな政府の時代が来た](デイビット・ブルックス)だ。 

それによると、米国では「市場」と「福祉国家」の役割の論争が100年余り繰り広げられていた。共和党は「小さな政府」、民主党は「大きな政府」を標榜していたが、2020年勝者を宣言できそうだという。勝ったのは民主党、共和党員の中でも民主党の基本的前提を受け入れていたのだ。 

オバマケア(公的医療保険制度)、再生可能エネルギー支持、新型コロナ対策、金融危機など経済的、身体的安定政策を民主党は進めた。しかし共和党トランプさんは否定的だ。 

米国は二極化、民主党は左、共和党は右というが、違うらしい。両者ともに左に動いているがそのスピードが違うというのだ。 

しかし限度もあるという。米国民の72%が穏健派あるいは保守系、24%がリベラルという。 

共和党がまともな候補者を立てていれば勝利したかもしれないが、トランプさんでは共和党も変質してしまった。共和党の多くの識者も今回は民主党支持に回ったという。共和党で親日派のアーミテージさんも「何時までもトランプとは限らない」と警告を発していたほどだ。 

では何故、トランプさんは接戦を演じているのか。 

市場調査よりトランプ支持が根強かったという。トランプ支持は中高年白人、工場従業員、炭鉱労働者など斜陽産業従業員だ。 

国を分断する二極化、このしこりをどう修復するのか。共和党が本来の共和党に改まることではなかろうか。エスタブリッシュ、ワシントンに反対し政治に未知のトランプさんが出てきた。不動産王として評価されたが、本質は借金王、脱税犯だったとは驚きだ。 

ボルトンさんの回顧録もトランプさんの本姓をあらわにしている。トランプさんは「駄々っ子で大きな赤ん坊」で政権が振り回されていたという。今回もトランプさんが「投票に不正があった。集計を止めろ」と主張していたがペンス副大統領は「すべての票の集計まで待て」と正論を言うのだった。

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