急展開する各国の対北政策、平昌オリンピックから急展開する対北朝鮮、最近ドタバタ感が強いが米、韓、日、中の対応は十分なのか。ロシアはどう出てくるか、北は中国に次いでロシアにどう対応するのか。
どうせ米朝会談が行われるとしても相手のことを忖度し、言いたいことも我慢する初顔逢わせに終わり、今後の会談につなぐしかないのではないか。そのうちにトランプ大統領か金正恩委員長のどちらかがヘソを曲げて会談頓挫になる可能性もある。
北は国連安保理決議、制裁強化で国民の生活は困窮し、9月にも暴動が起きるのではないかという不穏な動きもあるらしい。
それを見越して金委員長は何とか経済制裁を解除して経済支援をうけ難局を切り抜けようとオリンピックを利用し南北統一チーム構想を打ち上げ、文・大統領の太陽政策、南北融和策も相まってトントン拍子に南北首脳会談まで漕ぎ着けた。
文・大統領は南北首脳会談の前に、今までで口汚くののしり合っていた米国と北が関係を修復する必要があるために使者を北と米国に送り会談の調整をさせた。
意外なことに事務レベルの打ち合わせもないうちにトランプ大統領は乗り気でOKしてしまった。
慌てたのは金委員長の方だろう。核・ミサイル開発で批判していたのでOKはでないと思っていたのではないか。しばらく北から会談についてのニュースがなかったことからも想像出来る。
ところがそのうちに米国の状況が違ってきた。対北で「対話」派から「強行」派に閣僚人事が変わってきたのだ。米国は対話優先と思っていた金委員長は強行派の台頭に面食らったはずだ。
急遽中国を訪問し、事態を説明し了解をとる手に出た。ギクシャクしていた中国との関係も表向き歓迎され、中国を後ろ盾にする事に成功したのだ。
更には、北朝鮮で金王朝樹立を後押ししてくれたのはソ連である事を考え、ロシアにも話を通しておく必要がある。
日本も急激に変わる対北朝鮮政策に遅れまいと日朝会談を申し込んでいるようだが、制裁強化一辺倒の安倍政権にどう出てくるか。
ところが日本にとって難題が持ち上がっている。平昌オリンピックで南北統一チーム構想を後押ししたIOCのバッハ会長だから東京オリンピックでも南北統一チーム構想が持ち上がるのだろうと私は指摘したが、案の定、北の招きでバッハ会長は平壌を訪問し東京オリンピックでも後押しするらしい。
例えスポーツとは言え日本政府は頭を悩ます事になるだろう。一方、IOCのバッハ会長はノーベル平和賞受賞に前のめりではないのか。
それにしても成功するかどうかの米朝会談は、トランプ大統領vs金委員長だ。変わり者同士で、何かあったらヘソを曲げて会談が頓挫する事も考えられる。会談が不調に終われば米国の軍事行動が現実味を帯びてくる。
トランプ大統領、金委員長の言動に注目せざるを得ない日々が続く。