2018年3月5日月曜日

今日の新聞を読んで(138):法制化の前に裁量労働制の危険が明るみに


今国会の目玉政策であり多様化する働き方に対応できると安倍政権が提案している裁量労働制が法制化を前に過重労働の原因にもなる危険性が明るみになった。

森友疑惑での財務省の文書改ざんに続き裁量労働制の欺瞞に安倍総理はどう責任をとるのか。もはや辞任しか道はない。

裁量労働制は労働者に多様な働き方を提供出来る夢(?)のような改革で経済界からの要望も強い改革だった。適用は個人との同意が必要で、行き過ぎに対しては特別指導するから大丈夫と国会審議でいっていたはずだ。

ところが朝日新聞に野村不動産で裁量労働制で過重労働になり自殺する事件が起こり労働基準局が特別指導したというニュースが出た。

残業が180時間にも及び、野村不動産では1800人のうち600人が違法適用を受けていたというのだ。そして特別指導後に裁量労働制を廃止した。

この事案を見ただけでも国会審議で安倍政権の説明が間違っていたことが分かる。万一法制化されれば企業は違法な適用で労働時間は底なしの状態になる可能性もあるのだ。

野党は残業代ゼロ、長時間のただ働き労働で裁量労働制の枠を拡大すればもっと起きると危険性を指摘しているが、その通りだ。

安倍総理は裁量労働制では一般労働に較べ労働時間が短いというデータもあると言ったり特別指導で監視を強化すると言って見たり適当な答弁をしていたが、厚生労働省の示すデータは不適正データの使用でメリットを主張したり、特別指導は監視強化ではなく事件後の指導だったのだ。

裁量労働制枠拡大は法案から削除すると言うが高プロは残したままらしい。整合性の取れない法案になる。

ところでどうしてこの用は事態が起きるのか。

リマンショック後、固定費に占める人件費は大きく、人員整理で企業業績を守ってきた。労働者を犠牲にしての企業業績向上だったのだ。

ところが景気も良くなり仕事量も増えてきたが人員は以前のままだから社員一人当たりの仕事量は多くなり当然に残業、休日返上の状態になる。企業が人員増をやらなければ法改正しても政府が目指す方向にはならない。

良い法律も使い方を間違えれば悪法になる。

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