森山自民党国対委員長が鹿児島県鹿屋市で厚労省の「毎月勤労統計」の不正調査について「今回はさほど大きな問題ではない」と発言したそうだが、その発言こそ「大きな問題」ではないのか。ただし「今のところそう思う」と付け加えているので先の見通しは付かないのだ。
自民党の国対委員長だから厚労省の統計不正は通常国会で野党の格好の攻撃材料になるし、下手をすれば安倍政権の崩壊につながる。だからこのような発言が飛び出したのだろう。
再調査するというのだが、どうして身内の特別監察委員会の調査に拘るのか。前回は不備だった職員への聞き取りも外部委員がやり直すという。何時全数調査から抽出調査に変わったのか、何故急いで中間報告をしたのか。
報告の記者会見で委員の一人が「捜査権のない任意の調査だから調査に限界がある」と発言していたが、再調査でどう改善するのか。
通常国会前に幕引きをやりたいことが不完全で急いだ中間報告になったようだが期限に制約があるのか。国会が開かれれば制限なしの審議になるだろう。
先の委員会は「隠蔽の意図は認められなかった」と言うが、「誰が隠蔽しました」と言うのか。この種の調査ではいずれも「組織的隠蔽はなかった」事が結論になっている。
問題は政策立案、評価に重要な基幹統計で不適切な処理がされた理由はなんなのか。
統計意識の低さ、人員不足は前から指摘されていることだ。アベノミクスの評価で官邸からデータに手を加えることを強要されていないか。
基幹統計を見直すと他省庁でも見つかっているが「単純ミス」で、厚労省の件は予算の修正が必要だしアベノミクスの評価にも影響する。実質賃金の伸び率が実際はマイナスの可能性も出ているのだ。
本当に大きな問題ではないのか。公文書の改ざん、隠蔽、政策に使用する資料の不正は安倍政権の弛みを表していないか。今後3年間、何が出てくるか。
森山さんは本当に毎月勤労統計の内容、不正調査の事実を知っているのか。通常国会での野党の攻勢の事を考えて早く幕引きしたいための発言だったのか。
こういった発言こそが「大きな問題」ではないか。
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