2019年1月30日水曜日

今日の新聞を読んで(211):不祥事に甘い経営風土、大京アステージ社員のマンション管理費横領


どこへ行った 大京のブランド。マンション管理会社・大京アステージの担当者によるマンション管理費の横領事件が起きた。少し前になるが日本経済新聞(2018.12.28)に「マンション管理費を横領 大京アステージ元社員」と言う記事が目に止まった。

それによると、大京アステージのマンション管理担当者が複数の管理組合の管理費を不正に引き出し横領したのだ。国土交通省中部地方整備局は2019.1.18から60日間業務停止の行政処分をした。

被害組合数や金額は明らかにしていない。

こういう場合は管理組合にも問題がある。大京アステージとどういう関係にあったかだ。

まず、大京が分譲したマンションなので好むと好まないとにかかわらず大京アステージが管理会社になる。おそらく管理会社の組織やマンション管理をどうやるかなどは説明を受けていないはずだ。

管理契約も最初に渡された内容のものを一度も検討せずに来ているはずだ。「善管注意義務 」を謳っているが「どんな注意義務」かわからない。

「管理組合や理事はど素人、管理会社の担当者の言う通りにしろ」という考えがはびこる。

管理会社にマンション管理のマニュアルがあるのか。定期的に担当者の業務をチェックしているか。

予算、決算、会計監査を手抜きでやっていないか。時間がないという理由で手抜きをやっていいのか。理事には組合員に対する背信行為は絶対に避けるべきだ。

管理会社の責任も大きいが、管理組合の責任も重大だ。横領されたということは理事長や監事の責任も追及すべきだ。損害額を賠償してもらえば解決と言うわけにはいかない。管理会社との契約上重大な欠格事項になる。

私も大京分譲のマンションを購入したために管理会社は大京アステージで2年間理事をやり、改善に向け渡り合った経験がある。その結果、気が付いたことがある。

管理会社の担当者がマンション管理の方法を押し付ける。改善しようとすると「いや いや」と理事会で口出しする。

予算、決算そして会計監査を理事会で審議したことがない。前期の予算が今期の予算、そして来期の予算になっている。会計監査らしいことをやっているのだろうが理事会では検証せず、総会の議案で1行程度記述されている。それでやったつもりになっているのだから驚く。

会計監査を外部機関に依頼しようと提案したが総会で拒否された。「大京のどこが悪いのか」と言うのだ。

理事会の役員がそれぞれの仕事をせずに管理会社に丸投げである。だから管理会社の言いなりだった。担当者や会社にまずいことは記録に残さない。

管理会社の担当者はマンション管理のプロ、管理組合、理事会はど素人という考えがある。だから問題の核心に触れると「だんまり戦術」に出るので議論が進まない。予算や手間のかかる改善には抵抗する。

そして大事なことは管理組合に対する背信、予算、決算、会計監査では詐欺、横領の危険もあることを認識していない。

社員数も同業他社に較べ半分だ。デベロッパー系管理会社として取り扱い戸数は最大と言うが従業員数は1200人程度。取り扱い戸数の少ない他社では2500人と言うことを考える少数精鋭ではなく「手抜き管理」をやっているのではないか。自分たちの都合の良い管理法を管理組合に押しつけているのではないか。

細かいことを言うともっとある。理事会では解決できないので直接大京アステージの社長にクレームを付けた。その結果は理事会に報告したという。理事会に報告し、理事会が了解すればそれでOKという考えだ。いろんな要求事項は理事会に提案して理事会でまとめる。管理会社は「理事長の言うこと以外は聞かない」ともいう。

いろんな考えの人間がいるのでマンションの管理は大変だ。

先のマンション管理費横領の件に戻って知りたいことがある。

   横領が発覚したきっかけは何だったのか。 ②予算、決算、会計監査で分からなかったのか ③管理会社のマニュアルが作成されていたのか ④大京アステージが担当者の業務を定期的にチェックしていたのか ⑤定期的に担当者の交代はなかったのか
    
この事件を受け、大京の社長がHPで内部管理体制をさらに充実強化、各種法令の遵守、再発防止に努めると通り一遍の対策を掲げているが、本当に対応ができているのか。

同じ管理会社にマンション管理を任せているので他人事ではないのだ。





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