2019年1月1日火曜日

2019年迷えるグローバル化:トランプ流か、中国流か、そしてEUはどうなる


2019年迷えるグローバル化、アメリカのトランプ流グローバリゼーションか、中国の習流グローバリゼーションか、そしてEUはどうなるのか。2018年の大きな世界情勢としてはトランプ大統領の「保護主義」はアメリカ式グローバル化に見直しを迫るものだし、先進国の不協調の隙間を縫って習主席の中国式グローバル化がのしてきた。

米中の貿易摩擦は2019年どうなるのか、そしてEUも英の離脱、ポピュリズムの台頭によるユーロ圏諸国の内政は混沌としてきた。

グローバリゼーションは今後どうなるか。世界の心配事だが自由市場を維持しながら一定の規制を加えていく制御されたグローバリゼーションになるのではないかと思うが、保護主義の台頭で部分的に逆行するかどうかはアメリカの出方次第ではないか。

オバマ政権時に築いた国際協調路線を何処まで維持できるか。中国の覇権拡大に米国が何処まで阻止できるか。世界に展開する米軍の維持そして2年後の米大統領選へ向けてのトランプ大統領の動き次第だ。

グローバリゼーションと言えば米国が世界中に冨を求めて経済活動、政治活動を展開しそれ相応の冨を得たはずだが、米国の粗悪な金融商品で経済危機を招く横暴さも見せた。

一方で、国際競争に負けた産業は縮小し失業者、疲弊した企業城下町、格差拡大の不満を持つ多数の国民の支持を得てトランプ氏が大統領に付いた。まず「保護主義」を訴え自国産業の復活に力を入れた。貿易赤字の大きい中国や関連国には2国間交渉で是正を要求、中国とは高関税の掛け合いで貿易摩擦を生じ、世界経済の成長の足を引っ張る傾向が出て来た。

国際舞台の場で「保護主義」を主張すると反対に中国の習主席は「自由貿易」擁護に執念を燃やし常に対立の構図だ。今まで協調路線を保ってきた先進国の間で亀裂が生じると、中国が絡んできて社会主義の覇権拡大に余念がない。

自由主義社会を維持して行く必要をトランプ大統領はどう思っているのか。自由主義陣営の旗印はおかしくなってこないか。
一方の覇者である中国は豊富な資金(?)にモノを言わせ新興国の経済支援、中国の覇権拡大に一帯一路構想を打ち出し、世界の要所要所に経済支援と銘打って軍港の建設を進めるが支援された新興国は巨額な負債を背負うことになり計画の頓挫が表面化してきた。

中国は負債のワナを隠すために日本にも参加を呼びかけた。安倍総理は一帯一路に理解を示したと言う。新興国で商売を奪われるのを警戒してのことだろう。

EUは国境を越えた統合と理想を進めてきたが、国家の主権、移民難民問題、財政支援で弊害も出て来て英の離脱もあり単一市場に重大な危機が生じた。更に単一通貨ユーロの存続も疑問が出て来た。

移民難民問題では極右政党、ポピュリズムの台頭で国内は混乱、IMF, EUに支援を求めると緊縮財政を強要され国内経済は疲弊、労働者も搾取され賃金は下落する。

ユーロ圏内で裕福な国が貧しい国を支援することに疑問を呈する国も出て来た。

パキスタンはIMFから痛みを伴う改革を要求され中国の一帯一路に支援を求めたが巨額の負債に耐えきれず再びIMFに支援を求めている。スリランカは一帯一路からIMFに乗り換えた。ミャンマーは一帯一路の事業縮小をやっている。

ハンガリーはオルバン首相が反移民、難民に悩まされ、ベルギーでは移民問題、路線対立でミッシェル首相が辞意、フランスは反マクロンデモ、極右政党台頭で内政は混乱、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン首相もEU内での影響力が低下した。ポーランドはマクロン首相の提案するEU改革に批判的、イタリアはポピュリズム政権が発足、バラマキ予算vsEU緊縮財政が表面化、イギリスが離脱手続きのリーダーシップ欠如を露わにしている。

ギリシャ、ハンガリーで見られるようにEUにも中国の影が見えてきた。

環境問題も排出量削減のルール化ではパリ協定も体裁を保ったようだが、トランプ大統領は離脱宣言、中国は世界第1位の排出量だが「発展途上国」枠を要求する始末だ。アメリカが離脱なので中国が水面下でルール作成に尽力したらしい。
新興国の先進国への経済支援要求は相変わらず強い。トランプ大統領が一番嫌う事か。

グローバリゼーションで生じた格差を是正すべくトランプ大統領は「保護主義」を訴えているが中国は自由主義貿易で格差を助長する始末だ。

日本はどうか。米国とは日米経済懇談会、中国とは日中経済対話と舞台は揃っているが、米国は昔から年次経済報告などでアメリカが市場開放を求めてきた。小泉内閣の時の郵政民営化も米国の要求項目だった。繊維交渉、自動車問題などその時その時の米国の不利を是正するようにアメリカの要求は絶えないのだ。

それでも安倍総理はトランプ大統領の「保護主義」には国際舞台で翻意を促しているが、2人の友好関係はビジネスには関係ないのだ。

米国は新ルールとして為替条項を求めてきた。自国通貨を有利にする事を禁じドル高をけん制したが、日本がアベノミクスを継続する事は円安政策をとっていることになり交渉では問題化するのではないか。

取り敢えずは2年後の米大統領選まで「保護主義」に惑わされるが、米国初のグローバリゼーションを見直そうとトランプ大統領はしているのではないか。

0 件のコメント: