2019年1月24日木曜日

厚労省の「毎月勤労統計」不正調査:特別監察委員会の調査は中立なのか


またまた厚労省で不正が発生した。今度は毎月勤労統計で全数調査から抽出調査に変更したことによりこの資料を使って作成する指標に大きな影響が出ているのだ。

厚労省は例によって不正調査を弁護士や有識者からなる特別監察委員会に委託したがその調査報告があまりにもひどすぎるのだ。依頼主が厚労省だから厚労省に不利な結果は出るはずがない。

今まで官庁の不正を弁護士など第三者で構成する委員会に調査依頼いていたがことごとく依頼主には責任が及ばない報告だ。記者会見では「捜査権がないので調査に限界も」とか、「組織的な犯罪ではなく担当者レベルの問題」と組織の不正行為を否定する報告で組織は助かっていた。ほとんどが依頼主寄りの報告内容だ。

第三者委員会に弁護士などが加わっていれば中立が保てると思わせるのは官庁の常とう手段だ。考えてみよ! 弁護士は依頼者を擁護することにより仕事が成り立っているのであって、依頼者を糾弾しようものなら二度と仕事はやってこない。テレビドラマで弁護士が「真実を追求する」なんて言っているのを見るとおかしくなる。

今回の厚労省の不正調査結果を報告する特別監察委員会の記者会見を見ても驚く。

のべ70人ぐらいの職員をヒアリング、ポイントは東京都の500人以上の事業所を全数調査から抽出調査に変えた理由とその責任にある。

企業からも苦情が多い都道府県の要望に配慮したらしい。誰の判断、責任でやったのかというと担当課のみの判断で、課長クラスは不正の事実を知っていたが「組織的隠ぺいではなかった」と結論付けている。

調査の根底を覆すような判断ができなかったのか。本政策のトップの責任者である政策総括官もおかしな対応をしている。担当室長から報告は受けていたが何もせずに放置していたらしい。

担当者に責任を転嫁しているが、記者会見でも委員が「総括官の管理は問題だが「組織として隠したとはいえない」、「容認したとも言えない」と言うことは責任者に責任はないということか。

チョッと聞き漏らしたが「グレーだが白ではない」とも言っていたように覚えている。

なんとも苦しい特別監察委員会の記者会見だったが、根本厚労相だけはほっとした感じで自ら減給処分でお茶を濁そうとしている。

中央官庁の仲間内の不正調査に騙されるな!

通常国会で経済政策の根幹にかかわるデータ使用に関して徹底的に追及すべきだ。アベノミクスの評価も当然だろう。参院選でも安倍政権の政策根拠のあいまいさを追及したらどうか。



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