米中貿易戦争は覇権拡大の第三次世界大戦か。経済大国二国の紛争は国連、G7,G20の仲裁は機能せず、どちらの国民が音を上げるか、世界恐慌に結びつかない限り収束しないのではないか。
2大経済大国の貿易戦争は新しい形の世界大戦、第3次世界大戦の様相を呈してきた。収束するか、拡大するかは予断を許さないが2国間の紛争にとどまらず世界規模の危機だ。
米国が先行していた宇宙開発、優位性を維持してきた最先端技術のみならず、中国の政治形態が主導する国有企業への補助金、海外企業への技術移転を要求する知的財産問題も絡み両国の覇権争いが見えてくる。
トランプ大統領は習・中国に貿易赤字改善のために第1弾340億ドル、第2弾160億ドルにわたる課税強化し今度は3弾で2000億ドル相当の日用品、家具、家電の10%を25%にすると発表、さらに第4弾で残りの3200億ドル分にも課税を予定している。
トランプ大統領曰く5000億ドルの損失を被っているというのだ。
これだけでも中国経済は低迷、失業者が増えているという。今まではトランプ大統領が課税すると即、中国も課税で応戦したが中国は深みにはまる結果になったようだ。
IMFが発表したところによると、米国はGDP0.6%減、中国は1.5%減になるという。このまま続けば欧州経済から世界経済への影響は大きい。大阪でのG20首脳会議でも最大のテーマになるだろうが、米中の決着がつかなければ安倍総理のリーダーシップなんて関係ない。
この2国間貿易ばかりでなくトランプ大統領、習・中国は悉くやり合っている。
中国は共産主義政権、国益を守る産業政策を推進、米企業に技術移転を要求したり国営企業に補助金を出し産業育成にトランプ大統領は猛反発する。一時解決に見えたが中国が法改正が必要な為やらないと約束を破ったために第3弾10%から25%への課税が出てきた。
トランプ大統領は「約束を破った」と批判する。
また、中国は輸出に頼る産業構造だから自由貿易を推奨するがトランプ大統領は「アメリカ第一」「保護主義」堅持だ。。
一方、米国は5000億ドルも損したと貿易赤字の改善を目指し米国産業を守ろうとする。「保護主義」が世界経済を縮小する危険もある。
こういったバランスを維持しようとするから軍事費の負担問題も出て、同盟国の関係がぎくしゃくする。
NATO諸国に軍事費負担増を要求したためにフランス・マクロン大統領は欧州独自の軍備に言及しトランプは猛反発した。日本も在日米軍の費用負担増を要求しているが、日本の負担について十分な理解ができていないようだ。
中国は一帯一路構想で覇権拡大の世界戦略を取っている。特に財政危機にかった共産圏は勿論のこと、ギリシャなどの非共産圏、アフリカ諸国、さらにはイタリアのようにG7にも切り込んできた。先の習主席の欧州訪問ではフランスマクロン大統領が危機感をあらわにした。
慌てたトランプ大統領はインド太平洋インフラ整備構想を打ち出し6.7兆円を拠出するという。「債務のワナ」で中国の一帯一路を批判したためか、中国は批判される高金利、計画の不透明さ批判に見直しを迫られた。
今後、EU圏でイギリスのように離脱が表面化すれば中国にとっては切り込むチャンスだ。
財政危機に直面した国へのIMF,EUの経済支援は緊縮財政を迫るために国民の生活が疲弊しポピュリズムの台頭になり国内政治が混乱する。
米国の「保護主義」のため以前からの同盟関係の瓦解、協調路線の転換、対中国貿易戦争は陸上でのドンパチ、ミサイル攻撃など従来の戦争形態を変え、貿易収支にアンバランスを改善する新しい戦争形態を生み出した。局地戦に代わって世界が経済戦場になる。
米中2大国の紛争は国連安保理での仲裁が効かない。G20などの首脳会議はかえって事を拗らす舞台にもなりかねない。
2国間の関係だからどちらかが譲歩することが大事だが、譲歩すれば負けになってはどうにもならない。トランプ大統領の支持率は46%だが、50%を超える可能性もあるらしい。
後は両国の国民が決めることだが、中国は共産主義社会で国民の選択などない。
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