2019年5月15日水曜日

熾烈化する米中関税戦争:両者メンツ合戦、喧嘩両成敗で勝者なし?

米国が中国に対して第4弾の関税を強化することになったが、トランプ大統領、習主席両者ともにメンツをかけた戦い、喧嘩両成敗で勝者なしとなるか。米国が中国製輸入品33兆円分に25%の制裁関税をかけると言えば、中国も報復関税を発表した。

熾烈化する米中関税戦争だがその根底には、米企業への技術提供要求、国営企業への過剰は補助金があるようだ。中国は一度約束したが最終的に拒否することになりトランプ大統領は「約束を破った」と激怒したようだ。知的財産権の保持、自由競争を妨害する中国の産業政策に異議を唱え改善を要求しているのだ。

中国にすれば法改正を必要とし、これが国民に分かるとアメリカに屈したことになる。習政権にしてはどうしても避けたいところだ。

一方、トランプ大統領は大統領選も控え中国に対して優位に立っていおることを国民に知らせ、支持を得たいだろう。

トランプ大統領、習主席にとってはメンツをかけた戦いだが、おかしなことに両者ともに相手方の「譲歩」を期待しているのだ。とりあえず大阪でのG20首脳会談時に米中会談を予定しているという。新聞報道ではトランプ大統領は「大きな成功を収める気がする」と読んでいることはトランプ大統領に分があるということか。

しかしそれも自由主義貿易を掲げた時の主張であって、今トランプ大統領は「保護主義」、中国も自由貿易を謳っているが国内では産業保護主義だ。

主張に無理がないか。

2人はどう思っているかわからないが、「喧嘩両成敗」で中国、アメリカともに痛手を受ける。特に第4弾の中にはスマートフォン、パソコン、玩具、衣料など中国の得意とするものが多く、かつ米国民にとっても影響は計り知れないはずだ。

どちらかが譲歩し決着をつけるのではなく、お互いに譲歩し合って早く解決し世界経済が大きく落ち込むのを防止するのは経済大国米中の義務ではないか。


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