2019年5月12日日曜日

今日の新聞を読んで(250):汚れた廃プラ、だれが出しているのか消費者の意識の問題では

朝日新聞 2019.5.12
汚れたままの廃プラスチックを誰が出しているのか、どう選別しているのか、使用した消費者の意識の問題ではないか。

日本の海岸に押し寄せる韓国製、中国製の廃プラスチック、魚やクジラの体内から出てくる廃プラスチック、東南アジアの廃プラスチックの山で売れるものを探す子供の姿とともに河川へ流れ出る廃プラ、どの映像を見てもこれでいいとはだれも思わない。

便利で衛生的と思っていたプラスチック容器、製品も最終処理の話になると輸入し処理する後進国の環境問題になるし処理されず河川から海に流れ込むと海洋汚染になるし、世界的規模の自然破壊につながることが鮮明になってきた。

何が間違っていたのか。使用後汚れた廃プラときれいな廃プラを選別し廃棄するのは消費者の責任であるし、その前に本当にその目的に使用すべきなのかはメーカーや消費者が考えなければならないのではないか。

私も現役時代に廃棄物処理を担当していたことがある。廃プラは当時から問題になっていた。日本でも回収再利用が検討され協会を設立し再処理の構想を練っていたがうまくいかない。どうしたのかと思ったら回収し再利用をするよりも中国が高い値段で廃プラを買ってくれるから輸出に回っていたのだ。

自治体は収集した廃プラをカネをかけて事業者に処理依頼するよりも高く買ってくれる中国に輸出した方がメリットが大きかったのだ。

その中国が17年末に輸入を禁止する処置に出たので日本は困った。

「バーゼル条約」があって危険な物の輸出入を禁止されていたが、今回、日本とノールウェイがプラスチックごみをめぐって改正案を提出、認められた。

今後は、リサイクルしにくい汚れた廃プラ、洗浄していない、異物の混入した使用済みペットボトル、分別されず他のごみが混じっているものは相手国の事前同意が必要になるという。

廃プラ汚染の現状も厳しい。新聞報道では1億トンのプラスチックごみが世界の海に浮かんでいるのだ。日本での例外ではなくマイクロプラスチックの河川、海洋汚染が指摘されている。ある研究機関が河川を調査したとき一番多かったのは河川敷で使用されたゴルフシートらしい。人間の趣味で河川が汚染されているのだ。

日本は先進国だ。分別収集を徹底し、高度な選別、洗浄で減量化する技術を持っているし、廃プラスチックをRPFの固形燃料に成型することもできる。

ストローなどの使用をやめようとする動きが出てきたが、プラスチック製の容器、包装、農業用シートなどもう一度必要なのかどうか、他の自然にやさしい製品に変えることが出来ないか、メーカーも代替品の開発に力を入れるべきだ。

すでに海洋に出た廃プラはどうしようもない。回収船で回収することも考えられているが、海岸に打ち寄せられた廃プラを掃除してもすぐに次が流れてくることを考えると底知れない汚染なのだ。

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