2019年5月4日土曜日

今日の新聞を読んで(245):「令和」時代は国民が行動を起こす時だ  日本のポピュリズムはどうなった


令和時代に入っても安倍―黒田体制では金融財政、経済にあまり期待できないのではないか。早い時期に財政金融危機が表面し、日本経済は落ち込む可能性が大だ。重要なのは令和3年(2021年)の安倍総理の任期終了、令和5年(2023面)の日銀黒田総裁の任期切れだ。日銀の異次元の金融緩和政策をどうなるか。

安倍総理は国会審議で野党から「出口戦略」と聞かれ「私の任期中に方向づけ」といったが「黒田総裁に任せている」と責任回避した。

今、最大の関心事は「2%物価目標」達成だろう。安定的に2%を超えていることが金融政策転換のキーポイントだ。日銀は最近2019年春ごろと言っていたのを2020年度中と言い出した。でも2021年の物価上昇を1.6%と予測している。

ポスト安倍の後、だれが総理になり金融財政をリードしていくのか。石破さんか岸田さんか、それとも次の次を狙って新しい名前が出てくるか。今はポピュリズムで政治が動く時代だ。

しかし、だれが総理になっても財政は厳しい。国の借金は今、1105兆円、先進国一悪い対GDP比245%と言われている。これが令和10年(2028年)には1200兆円だという。財政赤字は32兆円、欧米では財政赤字を対GDP比3%未満というルールを維持しようとしているが日本はダントツに異例だ。

一方、500~600兆円の資産(?)もあるということで、今の借金レベルは問題ないという議論もあるが、しっかり国会で議論すべきである。国民がこの問題を共有することが大事ではないか。

決断を迫られている消費税増税も景気に影響を与えるので先送りすべきだという意見もある。しかし、社会保障制度維持、19年度には消費税増税が前提になり、高額な対策費も盛り込んでいる。中止すればあらゆるところに問題が出てくるはずだ。

また、消費税を上げなくても東京オリンピック後の経済減速、バブル崩壊、さらには今回の新年号で10日間の連続休暇が設定され多くの国民が消費をしている。その反動でGW明けは消費が落ち込むのは確かだ。
景気は下降するのであれば一層のことここで消費税を上げたらどうか。安倍政権は一強政権と言われている。3度の消費税増税先送りは信用を落とすきっかけにもなる。いや、すでに信用は落としているがさらに落とすことになり任期を待たずにレームダックで政権は持たない。

アベノミクスの異次元の金融政策は破たんしているが、安倍総理はアベノミクスのエンジンをフル回転させるという。

日銀の国債買い入れは発行残高の40%、400兆円を超えているし、ETFでは29兆円の株を持つことになる。国債市場、株式市場に異変を起こすきっかけになる。国債価格の暴落は税制不安、日銀の信用を落とすし、株の急落は日銀の損失を大きくし通貨不安、為替の急変動をきたす恐れがある。

人口減少は大きな問題だ。特に労働人口の減少は令和11年(2029年)の7000万人割れから令和22年(2040年)には6000人割れが予想されている。高齢者の雇用、女性の社会進出、さらには外国人労働者の受け入れ(140万~280万人)は非正規労働者を増やさないか。同一労働同一賃金は、正規労働者の賃金も上がらないことを保証するものだ。経済界は歓迎するだろう。

令和35年(2053年)には日本の総人口は1億人割れだという。

この影響は大きい。自治体の半分が成り立たなくなるという。行政サービスは落ち、国民の民意を反映する国会だって変容する。各議員活動も変わってくるだろう。国会議員の職業化は弊害をもたらすだろう。すでに過疎地では議会が成り立たなくなっている。議員のなり手もないのだ。今回の統一地方選でその問題が浮き彫りになった。

都会の団地でも東南アジアの人たちを入居させなければ自治会のイベントなどが維持できない状況になってきている。高齢化が問題なのだ。

朝日新聞(2019.5.1)の「令和経済 期待と課題」を参考にしながら令和時代がどうなるか考えてみた。

政治面でも安倍一強政権を許している野党の体たらくは問題だ。自民党に比べても政党支持率は立憲民主、国民民主共に情けない状況だ。統一地方選でも旧民進党の勢力を野党が取り戻せなかった。
安倍総理は野党の不甲斐なさを狙って支持率挽回に衆参同日選挙を考えているような情報を側近連中は流す。安倍総理は2020年までに憲法改正をしたいらしい。公明党が慎重とみると維新の会と与党の枠組みを変えたいらしい。

若者世代をはじめ有権者は「安定政権」を望み、信用できないと言いながらも安倍政権、自民党政権を支持している。野党には政権交代できる力はない。常に民主党政権のことが頭から離れないのだ。

でも国民にできることはある。自民党一強政権を打倒するためには与党、野党が拮抗する国会議席に持っていくことだ。「どうせ自民党の一人勝ちだろう」と考え「今回は野党候補を応援しよう」と考え選挙したら野党が勝ってしまった。

そういうことも考えられる。これが欧米で流行っているポピュリズムの台頭だ。格差拡大で見放された人、政権から疎外されていると考えている人が行動を起こす時だ。

「令和」を「美しく調和」と言っているのは安倍政権の策略だ。「令和」は国民が行動を起こす時代なのだ。

関連記事
2019.4.26掲載
遠のく「2%物価目標」
yamotojapan.blogspot.com/2019/04/blog-post_32.html

0 件のコメント: