2019年5月6日月曜日

今日の新聞を読んで(247):安倍総理は民主主義国の日本にとって相応しいか、答えは「NO」だ


安倍総理は民主主義国家日本にとって「相応しいかどうか」と聞かれればNOだろう。朝日新聞(2019.5.6)「明日も喋ろう」での田原総一朗さんとのインタビュー記事を読んで再確認した。

田原総一朗さんは「昔は言論の自由があった。身体を張って自分の考えを主張した。日本もデモクラシーの国、デモクラシーを守る原則は「身体を張って言論の自由を守る」ことだという。自分と違う立場に人がいることを認め、意見の違う人と徹底的に討論すること。でも今は異論を認めない」というのだ。

まったく同感だ。

世論調査でも今の国会は民意を反映していないという。世論調査での期待する政策では最下位に位置する「憲法改正」を最上段にかかげ安倍総理は恣意的にごり押ししようとする。

ただ自衛隊の違憲論を封じるために憲法9条1,2項を残したまま自衛隊を明記するという「加憲」なのだとも言う。加憲といえば公明党も言っていたし抵抗が少ないと見たのか。

でも、安倍総理の魂胆は国際貢献を銘打った政治利用を拡大することだ。PKO活動でも文民によるコントロールが不十分な自衛隊をどうしようとしているのか。

自民党案では改憲4項目が上げられているが私が見たって他の方法で達成はできるし改憲までしての価値は低いのではないか。

さらに大事なことを憲法学者の樋口先生が指摘している。「後の法が先の法の効力を失効させる」という法の原則があるらしい。それによると9条の1,2項を残して自衛隊を明記することは、1,2項を失効させる恐れがあるのだ。戦争、戦力保持の道を進むことにもなるのだ。

総理の意向に沿わないメデイアの番組には猛烈に批判し表現の自由を害し、メデイアを萎縮させる結果になっている。その発端はTBSの報道番組に安倍総理自身が出たとき、アベノミクスの成果を街角インタビューで問う内容だったが、結果は「成果が感じられない」だったことに安倍総理は激しく抗議した。今まで聴いたこともない経済指標を並べ上げてアベノミクスの成果を強調したのだ。

それ以降、メデイアの報道に萎縮が見られた。コメンテーターも官邸寄りの発言する人が増えた気がした。「昨日官邸の関係者と話したんだけど・・・」という。

又、野党議員の質問に「繕う」答弁が多い。経済指標が悪化していると追求すると、反対に好転している指標を並べて反論するのだから議論がかみ合わない。

たとえば、賃金が下がっているといえば、総雇用者所得(?)を挙げて好転していると反論する。同じ土俵に上がっていないのだ。野党も質問の方法に工夫したほうがいい。たとえば、「総雇用者所得は・・・」だが賃金が下がっているのはどうしてかと質問するのだ。あらかじめ安倍総理が主張し反論しそうな指標を先にあげるのだ。そうすれば機先を制することができ同じ土俵での議論ができるのではないか。たとえば「総雇用者所得(?)ではこうなっているがどうして賃金が下がっているのか」と聞けばいいのではないか。

官僚の好き勝手な人事は避け、政治主導の人事ということで内閣人事局を設置したが安倍政権はこれをいいことに官僚機構を牛耳る手段に人事を使った。忖度政治の始まりだ。それが憲政史上まれな総理夫妻による大疑獄事件を巻き起こし未だ終止符を打てない状況だ。

あるときは安倍政権を批判する野党議員に対して「民主党政権のような悪夢・・」と言い出した。

民主党政権より安倍政権のほうがマシと言っているのだろうが、民主党政権時のほうが良かった経済指標はあることを忘れている。何という軽量な政府か。

又、自分のやりたい政策を強引に進めるために組織のトップまで挿げ替える荒手まで出してきた。異次元の金融緩和をやるために日銀総裁を挿げ替え、政策決定委員会のメンバーにリフレ派を送り込んだ。

憲法改正を国会でやることはハードルが高いので、集団的自衛権では内閣で憲法解釈をやってのけるために法制局長官を更迭し従来の法解釈を強引に変更させた。

「2年で2%」のアベノミクスの第一の矢も日銀は6度先送りし「2020年には・・」と言い出した。それでも21年の物価上昇を1.6%と予測している。

国会審議をおろそかにする政策運営が目立つ。○○審議会、○○諮問会議と名のつく民間委員を加えた会議を多数設置し、自分の好きな政策をあらかじめ審議会などに諮りお墨つきを得て国会の委員会に提出、審議では野党議員から資料の不正確さを追及されても、結果に変更はないと強行採決する。YESMAN の集まりで検討したということは民意を反映しているということか。

得意とする外交も目も当てられない。対中では尖閣諸島の不穏な動きは解消しないし、対ロでは北方4島返還など望み薄だ。国会で質問すると「外交上詳細はコメントできない」という。だが相手国から情報は漏れ出る。

米国のトランプ大統領との友好関係をゴルフができる間柄とアピールするが、ふたを開けて考えると高額兵器の購入を約束させられ累積で5兆円を超えるという。「シンゾウは何か言えばすぐ買ってくれる」とトランプ大統領はツイッターでばらす。

国内需要拡大に海外で展開している生産設備の国内回帰を約束しながらどういうわけか米国では雇用拡大に日本企業が進出する約束までしている。

安倍総理のやることはすべて「国益を害している」のだ。

大阪でのG20首脳会議でリーダーシップを取ろうとしているが、国内経済を見ると借金は1100兆円、対GDP比245%で先進国一悪い。財政赤字も毎年30兆円を超える。欧米では対GDP比3%ルールを守っているが日本は6%ぐらいで飛びぬけて悪い。

そんな状況下で世界経済の下降局面でリーダーシップが発揮できるのか。「2年で2%」の物価もおぼつかない。国内経済の成長をどうしようとしているのか。

耳さわりのいい考え、意見だけで政策を進め広く議論を促進させることに欠ける安倍政権に未来はない。


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